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平成って別に悪い時代じゃなかった [ヨモヤ]

今日の投稿が、平成に書く最後のブログとなる。
テレビや雑誌などで、平成を回顧する企画が満載だが、
私もちょっとだけ振り返ってみる。

「あんまりよくなかったね」というトーンで語られることが多い平成だが、
この30年間、経済が停滞したことは確かである。
高度経済成長からバブル経済につながり、
豊かになることしかなかった戦後の日本経済に、
急ブレーキがかかったのが平成という時代だった。

資本主義社会に景気循環は付きもので、好景気がいつまでも続かないのは誰もが知っていたが、
不景気もそのうち終わるというのが、平成に入る前の了解事項だった。
それが、感覚としては30年間不景気という感じになっている。(実際には、好景気の期間もあるのだが)
この長期停滞は、誰も予想できなかったことだろう。
(ただし、ソフトバンクやユニクロ、楽天など、新しい企業が生まれたのも事実である)

政治も停滞したと言われても仕方がない。
自民党政治の限界が露呈した時代であったと言われるのかもしれないが、
とってかわった細川内閣や民主党内閣は、
それに輪をかけた惨状を呈した。

行政も信頼を失った。
かつて、「政治家はダメだが官僚は優秀」などと言われた時期もあったようだが、
今、そんなことを思っている人は少数派だろう。
政治家も公務員にも期待していないという人の方が多いのではないだろうか。

しかしまあ、それでも経済が完全崩壊したわけではない。
停滞はしたが、今でも立派な経済大国である。
国際的な地位は下がる一方だが、そこはまあ、それとして。

政治や行政の貧困が言われるが、投票率の低さを見れば、意外に信頼されているのかもしれない。
まあ、何とかしてくれるでしょ、という感じだろうか。

一方、スポーツの世界では、成果の多い時代だった。
野球は国際化が進み、野茂、松井、イチローらがメジャーで大活躍した。
WBCの連覇は、野球ファンとしてはしびれる思い出である。
サッカーではJリーグが始まり、ワールドカップの常連になった。
女子サッカーのワールドカップ制覇は、平成のハイライトの一つである。
フィギュアスケートの羽生、体操の内村といった世界チャンピオンも輩出した。
テニスでは、男子の錦織、女子の大坂が世界トップの戦いを見せてくれた。
ラグビーのワールドカップでの南アフリカ戦はスポーツ史に残るジャイアント・キリングだったし、
女子マラソンの2大会連続金メダルも痛快だった。

プロレス界は混とんの時代に入った。
馬場さんも鶴田さんも三沢さんも亡くなってしまったのは残念だが、
団体数はやたらと増え、楽しみ方は広がっている。(ちょっとついていけないが)
ボクシング界は、一時の低迷を抜け、まさに黄金時代を迎えている。
長谷川、西岡らが切り拓いた真のチャンピオンに向かう道を井上尚弥が突き進んでいて、
世界的なビッグネームになる日も近い。

がらりと話は変わるが、映画も頑張っている。
一時は興行収入で洋画に圧倒的な差を付けられていたが、近年は邦画の方が観られているし、
「おくりびと」や「万引き家族」など、世界的に評価される作品も作られている。
どうにもならない作品が多いのも事実だが、それはおそらくどの国でもそうだろう。

まあ、ほかにもいろんなジャンルがあるが、キリがないのでこの辺で。

とにかく、平成は自分たちが生きた時代である。
それを、
「失われた」
とか
「何もなかった」
とか
「日本が沈み続けた」
とかいった言葉でまとめてほしくない。
何もなくなんかなかったし、
悪いことばかりだったわけでもない。

令和がどんな時代になるのか、それは誰にもわからない。
どんな時代にするのかは自分次第であることはわかっているけれど。

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