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映画評 「小さな恋のうた」 [映画評]

本作は、「MONGOL800」の名曲、「小さな恋のうた」から着想されたもの。
モンパチの伝記映画ではないし、実際にあった話でもない。

ジャンルとしては、青春音楽映画。
ロックに青春を燃やす。
バンドもののいいところは、最後のライブシーンにすべてを集約できること。
この演奏がよければ、途中が多少グダグダでもまあ何とかなる。
特に青春ものの場合、ライブでのカタルシスは約束されたようなもの。
この映画の場合、「小さな恋のうた」が演奏されるシーンがクライマックスになることは容易に想像されるだろうし、あの曲なら外しようがない。

この映画も、演奏シーンはそれなりに気持ちがいいのだが、
その他の時間はオヤオヤという感じ。
設定も演出も中途半端で、気持ちが入り切らない。
登場人物たちの行動に共感しきれない。
モンパチということで沖縄が舞台になっており、沖縄特有の問題も描かれるのだが、
それが十分な効果を上げているとも思えない。

主演は、去年から映画出演ラッシュの佐野勇斗くん。
私にとっては、「ちはやふる 結び」の筑波くん役が印象深い。
なかなかいい声をしている。
私の愛する「ちはやふる」からは、机くん役の森永悠希くんも出演。
ヒロイン的存在に、山田杏奈さん。
最初画面に出てきたときはちょっと地味に感じたのだが、映画が進むに従ってどんどん存在感を増してきた。
「咲-Saki-」での演技とは全く違う印象で、これからが期待できる女優さんなのかもしれない。

とある劇場にこの映画を観に行ったら、
「映写機トラブルのため、本日の上映は中止となりました」
と言われた。
そんなこと、初めてだった。
それで「縁がなかった」と割り切ればよかったのだが、意地になって別の映画館に観に行った。
結果、ふうむ。
縁がないままにしておけばよかったのかもしれない。

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