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映画評 「町田くんの世界」 [映画評]

2019年の上半期、最も楽しみにしていた映画が、この「町田くんの世界」であった。
前作「夜空はいつでも最高密度の青色だ」でしびれさせてくれた石井裕也さんのメガホンで、
新人をメインに据え、
高畑充希さん、前田敦子さん、池松壮亮さんといった面々が脇を固める。
予告編もワクワク感を高めてくれて、
外れようがない作品だと思っていた。
しかし、アレレ。
鑑賞前にネットの評を見ると、「ガッカリ」がワンサ。
ただ、ネットの評は全く当てにならないので、石井監督の手腕を信じようと思った。

結果・・・・
ネットの評は、あまり外していなかった。
期待値を高め過ぎた反動もあるとは思うが、それにしても。
一言で言えば、「ガッカリ」となる。

映画は、最高にいい人である町田くんが奮闘する内容で、
完全なコメディ。
もちろん、コメディで構わないのだが、コメディに入り込むためには、説得力がないと。
新人のお二人の演技にはそこまでの力はなく、
演出も冴えなかった。
この素材で、こんな風に仕上げてしまうとは・・・。
残念。
つまらなくて仕方がない、という映画ではなかったが、期待が大きかっただけに。

主演を務められた細田佳央太さんと関水渚さんについては、正直なところ特に印象は無し。
このお二人でないパターンも観てみたいと思ってしまった。
高畑充希さんは、なんとももったいない役回り。
高畑さんのよさが活かせたとは思えなかった。
池松壮亮さんの持ち味も十分には活かせていなかった。
良かったのは、学生役を演じられた前田敦子さん。
前田さんのシーンは、どれも面白かった。

「町田くんの世界」は、期待していただけに、なんとも。
どうやら興行的にも苦戦しているようだが、それは主役の二人のネームバリューの問題ではなく、
口コミ効果が広がっていないからではないだろうか。
退屈極まりない、という映画ではないものの、
おススメしたい気持ちになるところにまでは至らなかった。

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