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連続試合出場は無理に続けるものではない ~ 広島・田中の連続試合出場のストップで思う ~ [ヨモヤ]

広島の田中広輔内野手の連続試合出場が636試合でストップした。
プロ2年目の4月から続けていたもので、セ・リーグ現役最長の連続試合出場記録だったそうだ。

コツコツ積み上げてきたものが止まってしまうのは残念だが、
今年の田中の成績ではやむを得ないと言うべきだろう。
規定打席以上では12球団唯一の打率1割台という状況では、
守備や走塁での貢献を見込んでも、試合に出続けるのはしんどい。
むしろ、ちょっと決断が遅過ぎたくらいだ。

プロ野球の世界で、連続試合出場が偉大だとされる理由は、
怪我なく勤めてきた、
ということではないと思う。
日本中から怪物たちが集まってくるプロ野球という世界で、
試合に出続けられるパフォーマンスを発揮し続けた、
という点にあるべきだろう。
休みなく働く、というだけだったら、
何十年間も無遅刻無欠勤というサラリーマンもたくさんいるだろう。
しかも野球のように冬の間はお休みということもない。

なぜこんなことをあえて書くかというと、
日本では、
「連続出場のために試合に出続ける」
ということがよく起こるからである。
その悪癖の発端となったのは、失礼ながら元広島の衣笠さんであったと思う。
当時の世界記録であったゲーリッグの記録を目指して試合に出続けられたのだが、
記録を破る前年1986年の打率.205は、規定打席到達者中断然の最下位(次に悪い選手が.234)であり、
普通なら試合に出続けられる成績ではなかった。

この悪癖を引き継がれたのが、こちらも失礼ながら元阪神の金本さん。
2010年シーズンは、全試合出場しながら、規定打席未到達という史上初の記録を作られた。
つまり、試合には出るが、あまり打席には立たなかった、戦力にはならなかったのである。
満足な送球もできないのに試合に出ることもあったが、
これなど美談でもなんでもないと思う。

さらにこれを引き継がれたのが阪神の鳥谷さんで、
監督の金本さん同様、相当無理をした形での連続試合出場を続けたが、
今は普通にベンチにおられる。
それでいいと思う。

現在連続試合出場を伸ばしているのは、
西武の秋山翔吾の750試合、ソフトバンクの松田の672試合である。
二人はチームをけん引する立場にいて、
そうである限りは記録にも意味がある。

記録のための出場や、
タイトル争いの際の欠場は、
プロ野球の魅力を大いに損ねてしまう。
残念な歴史が繰り返されないことを願う。

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