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映画評 「今日から俺は!!劇場版」 [映画評]

例によって、事前情報を仕入れずにブラっと映画館に。
夜の回を観に行ったので、コロナ禍でまた劇場はスカスカだろうなと思っていたら、
おや、駐車場が妙に混んでいる。
そして、客席もほぼほぼ埋まる勢い(もちろん、一人飛ばしなので、満席でも半分だが)。
客層は、若者は当然として、夜の回なのに子供連れも結構な数。
知らなかったが、「今日から俺は!!」はかなりの人気タイトルのようだ。

客席が埋まっていると、集まった人間の期待値が伝染してこちらのテンションも上がる。
それもあってかどうかわからないが、想像以上に楽しめた。

それさえも知らなかったのだが、監督は福田雄一さん。
ドラマの頃からそうだったらしい。
のっけから福田カラー全開。
ナンセンスギャグが連発され、
福田組のムロツヨシさんや佐藤二朗さんも出演されていて、例によっての演技をされていた。

私は、最近の福田作品にちょっと食傷気味だったのだが本作は楽しめた。
それは、俳優さんたちによるところが大きい。
賀来賢人くんと伊藤健太郎くんのコンビは楽しいし、
橋本環奈ちゃんの吹っ切れぶりも愉快。
悪役の柳楽優弥さんの狂気や仲野太賀くんのコミカルさもさすが。
みな、イキイキとはっちゃけていた。
私の愛する「ちはやふる」組からは、賀来くんのほか、肉まんくん役の矢本悠馬くんが出演。
アラサーの面々が学生服ではしゃぎまわっていた。

ストーリーはごくわかりやすい勧善懲悪。
味も深みも何もないが、本作はこれでいい。
最初から最後まで楽しめる。
途中何か所か妙に間延びした箇所があり、
ムロさんや二朗さんが長めに話芸を披露されるのも福田流。
嫌がる人も多いかもしれないが、これをやりたくて撮っておられる部分もあるのだろう。
私は嫌いではない。

最後はスカッとさせて、映画は大団円。
大人も子供も楽しめる。
国内映画ランキングでは、圧倒的な強さで初登場1位を飾り、
配給元の東宝は、最終興収50億円を狙えるとしている。
このコロナ禍で50億行ったらすごいが、可能性ありと思える劇場の熱気だった。
今年の夏休みはこれかしら。
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1~6月の自殺者数が減ったのは朗報だったのだが [ヨモヤ]

コロナ禍においては、コロナが直接の原因で亡くなられた方だけでなく、
全体として死亡者数がどうなったのかを見ることが大切だと言われる。
というのも、例えば、コロナを徹底的に撲滅するために社会経済活動を完全に止めたとすると、
コロナで亡くなる人は少なくても、
コロナ以外の疾病や、生活苦による自殺者は増えてしまう可能性があり、
こうなると、コロナの感染者が少なくても、コロナ対策がうまくいったとは言えないからである。

日本は、先進国の中では例外的にコロナによる死者が少ないが、
死者数がトータルでどうなっているかという点に注意を払う必要がある。

警察庁の統計によれば、
今年1~6月の全国の自殺者数は9,336人(速報値)で、前年同期に比べ10.8%減ったとのことである。
緊急事態宣言真っただ中であり、将来に絶望される方も少なくなかったのではないかと危惧するが、
少なくとも表に出る自殺者数はむしろ減ったようだ。

自殺が減った原因について、
危機を乗り切るため連帯感が生まれた可能性がある、
といった分析がなされていた。
そうした可能性もあるだろうが、
学校や職場に行かなくてよかったのでプレッシャーが少なかった、
という面もあるだろう。
だとすると、7月以降の数値が心配である。
また、感染者が再び増加の傾向にあり、
これに伴って人々が行動を自粛する期間も伸びると見込まれるので、
経済的に苦しくなる方が増えることも不安材料である。

さらに、人気俳優の三浦春馬さんが自殺されたとの報が飛び込んできた。
強いショックを受けておられる方も少なくないだろう。
有名人の自殺後に見られることであるが、後追いなどが行らないことを祈る。

自殺者数は平成15年をピークに、年々減り続けてきた。
34,427人が令和元年には20,169人になったのだから、かなり減少幅である。
それでも年間に20,000人もの自殺者が出ているうえ、
若者の自殺率も高いとあって、
深刻な問題であることは間違いない。
だとしても、近年大幅に減少してきたことも事実である。
今年前半の自殺者数の減少も、その流れを汲むものと言っていいと思う。
年度の後半にもつながるといいのだが。

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意見が分かれる内容ほど見出しは正確に願いたい [ヨモヤ]

朝日新聞DIGITALに、
「子どもの7人に1人が貧困状態 18年調査で高い水準に」
との見出しの記事があった。
この見出しを読んだらほとんどの人がこう思うはずだ。
「子どもの貧困が、18年の調査でそれまで以上に高い水準になったのか。それは大変だ」

しかし中身を読むと、どうもそうではない。
内容は、
・2018年の子どもの相対的貧困率は13.5%
・前回2015年からは0.4ポイントの改善
・2012年は過去最悪の16・3%であり、そこからは2回連続の改善
というものであった。

「あれ?」
と思う。
見出しと内容がかみ合っていない。
さらに読むと、
・日本の相対的貧困率は経済協力開発機構(OECD)の平均12・8%を上回っている
・ひとり親世帯の貧困率も2.7 ポイント改善して48.1%と初めて5割を切ったが、なおも高水準
といった記事になっている。

つまり書き手とすれば、率は多少改善したとしても、いずれにしても厳しい状況に変わりはないので、
こうした見出しにしたのだろう。
しかし、そうであれば、
「18年調査で高い水準に」
ではなく、
「やや改善も依然高い水準」
としてほしかった。

ちなみに毎日新聞の見出しは、
「子どもの貧困率13.5% 前回15年から改善せず」
である。
先に書いたとおり、前回調査の13.9%、前々回の16.3%より改善しているのだが、
改善の幅が物足りないということだろうか。
しかし、新聞の見出しとしての正確性はいかがだろう。

子どもの貧困は非常に深刻な問題だが、
・相対的貧困率で判断することに違和感がある
・親の責任をしっかり問うべき
といった意見もある。
そのように意見が分かれる題材だけに、見出しは疑義のないものにしてほしかった。
書き手にそうした意図はないとしても、
ある方向に誘導することを狙ったように思われる見出しを付けてしまうと、
かえって議論は悪い方向に行ってしまう心配があるからである。
読む側も気を付けたい。

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10年後、今学校で教えているような英語力が本当に必要だろうか [ヨモヤ]

文部科学省が、全国の公立小中高校を対象にした2019年度英語教育実施状況調査の結果を公表した。
それによると、
「英検3級」以上の力がある中学3年は44.0%、
「英検準2級」以上の力がある高校3年は43.6%だったという。
政府目標は50%とされているが、それには届かなかった。

英語については、小学校の5、6年で教科となり、外国語活動が小3から行われるらしい。
日本人は英語が苦手とされているが、
それを克服するために、相当に力が入っていることがわかる。
残念ながら、結果はあまりついてきていないが。

語学については、私も学校を卒業してからだが、それなりに頑張ってきた。
外国の言葉が使えると、世界が広がることも実感している。
しかし、これからの世の中、これまで以上に英語の勉強が必要だろうか。
他の科目の時間を削って英語を学ぶ意味が本当にあるだろうか。

なぜこんなことを言うかというと、テクノロジーが日々向上しているからである。
すでに今の段階で、スマホがあればコミュニケーションにほぼ支障はない。
ポケトークがあればさらに便利だが、スマホの機能もかなりのものである。
もちろん、まだすらすら話す日常会話には適さないが、
あと数年したらどうだろう。
日本語から英語だけではなく、
日本語から中国語でも、韓国語でも、スペイン語でも、
スマホとイヤホンがあればストレスなく会話できる時代が来るのではないだろうか。
少なくとも、書いてあるものを読むという分野では、現在でもほぼ十分な機能が満たせている。
それでも英語を学ぶ優先度は高いままだろうか。

英語ができないことが長く日本人の弱点とされてきた。
しかし、テクノロジーの進歩が確実視されるなか、
また、中国の力が強まり、ヒスパニック系の方も世界中におられるなか、
限られた子供たちの勉強時間を、英語だけに偏重することが本当にいいことなのか、
じっくり考えたい。
教育は、10年後を見据える必要があると思う。
もうその方向で進んでいると決めつけず、しっかり考えたい。

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映画評 「私がモテてどうすんだ」 [映画評]

失敗例が累々と横たわる漫画原作の映画化。
本作はどうか。

原作は、第40回講談社漫画賞・少女部門を受賞し、テレビアニメ化もされた同名コミック。
あらすじは、
「アニメキャラやクラスのイケメン男子たちのBLを妄想するのが大好きな女子高生が、大好きなアニメキャラが死んだショックで1週間寝込んだことで激ヤセ。起きてみたら誰もが振り向く美女に変身する。そんな彼女に、スーパーイケメン男子高生が次々に恋に落ち・・・」
というもの。
めちゃくちゃな設定だが、それは別に全然かまわない。
この馬鹿馬鹿しさを気にするのなら初めから観に行かない。
馬鹿馬鹿しくても面白い作品はいくらでもある。

しかし、残念ながら。
そうだろうなあ、そうかなあ、と心配してはいたが、そのとおり楽しめなかった。
残念ながら。

なんといっても、ヒロインの魅力が伝わってこない。
目が覚めたら誰もが振り向く存在になっていた、という設定なのだが、
演じる山口乃々華さんからそうしたオーラは受け取れなかった。
これは山口さんがどうこうではなく、演出や撮り方に問題があるのだと思う。
まあ、広瀬すずさんや浜辺美波さんが演じているのならどうやっても説得力が出るのだろうが。

とにかく、男の子たちが次々に恋に落ちる理由がさっぱりわからない。
もちろんコメディなのだが、せめてその点だけはしっかり描いてくれないと。
「そんな、マジに見ないでよ」ということかも知れないが、
作る以上は追い込んで作っていただきたい。
コメディだからいいじゃない、ではなく、
コメディであれば、なおさら。

終始わちゃわちゃした展開が続くが、面白い場面、興味深い表現等は特になし。
始まった映画がいつかは終わることを信じて時を過ごした。

私が愛する「ちはやふる」組からは、坂口涼太郎くんと優希美青さんのお二人。
坂口くんは素っ頓狂な役を生き生きと演じていた。
優希さんは「ちはやふる」の頃と、ずいぶんイメージが変わっていて驚いた。
イケメン若手俳優が4人出ているのだが、特に印象はない。
富田望生さんがもう一人のヒロイン役なのだが、すっぽり想定の範囲内でこちらにも印象はない。

「私がモテてどうすんだ」は、多くの人が予想しているとおりの映画。
多大な期待を持たずに観に行けばそれなりに楽しめるし、
映画愛を持って観に行くと「こんな映画作ってどうすんだ」となる。
漫画はきっともっと面白いのだろうと思うので、原作ファンからすれば残念至極であろう。

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リモートワークがとにかくいいってことはない [ヨモヤ]

ビズヒッツという会社が、現在リモートワークをしている全国の男女961人に対して行った調査が報じられていた。
テレビなどでは、リモートワークのいい面ばかりが伝えられることが多いが、
この調査結果では、
「そりゃ、そうだよなあ」
ということが報告されている。

「リモートワーク中にさぼったことがあるか」との質問に対しては、
・頻繁にある13.9%
・たまにある49.4%
との答えだったらしい。
つまり、二つを合わせると約2/3の人がさぼったことがあるということになる。
さぼって何をしているかというと、
・YouTubeやSNS
・つい漫画
・ペットと遊ぶ
などだそうでである。

「そりゃそうなるわなあ」と思う。
リモートで生産性が上がった、
もう戻れない、いや戻してはいけない、
などという評価が数多く見られるが、実態としてはこんな感じであろう。
もちろん、職場に来ていても、さぼることも集中力が切れることもあり得るが、
トータルでの生産性は実際のところどうなのだろう。

リモートワークの悩みについては、
・家族がいて集中できない 163人
・コミュニケーションがとりにくい 139人
・集中力が続かない/やる気が出ない 134人
といった声が多かったようだ。

これも納得である。
私なども、家族が在宅していたら、とてもではないが集中できる気がしない。
また、周りの人と相談や雑談ができない環境では、自分の発想を超える仕事ができる気がしない。
古いのかもしれないが、人間のありようがそう変わるものでもないようにも思う。

もちろん、リモートワークには優れた点もたくさんあり、
このコロナ禍においては、進めていくしかないともいえる。
それはわかったうえで、きちんとマイナス面も見ておく必要がある。
ファッションで進めてしまうと、とんだしっぺ返しをもらいかねない。

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映画評 「なぜ君は総理大臣になれないのか」 [映画評]

本作は、小川淳也衆議院議員の17年間を追ったドキュメンタリー。
タイトルは、総理大臣になれない理由を問うているが、
これを自民党の石破さんや岸田さんに聞くのならわかるものの、
野党の、しかも失礼ながらそれほど全国的な知名度の高くない議員さんに聞く質問としては、
「あれ?」
と首をかしげる。
もちろん、わざとされている問いであり、
一つには小川議員の志の高さを伝えており、
もう一つには小川議員の、ある意味での政治家に向いていない面を指摘しており、
さらにもう一つには、小川議員のような人が上に行けない日本の政治状況を嘆いているのだろう。

この映画について評すると、どうしても小川議員への評と混同されてしまいそうだが、
あくまでも映画そのものについて書くので、その旨、ご理解いただきたい。

まずなんといっても残念なのは、小川議員の魅力が十分に伝わってこないことである。
真面目な方であり、
現状への強い危機感を抱いておられ、
多くの方に支えられておられることもわかる。
しかし、政治家としての器や、総理大臣を目指すにふさわしいカリスマ性などは、
この映画からは伝わってこなかった。
そのため、観ている側に
なぜこの人がもっと認められないのか、
という義憤が生まれてこない。
いい人だなあ、とは思えても。
謝ったりお願いしたりしている街頭活動や、
政府を責める質問だけではなく、
小川さんが自分の言葉で自分の政策を語っているところをもっと見たかった。

逆に、際立っていたのは周りの方々。
特に、奥さんや二人の娘さんの献身にはぐっと来るものがあった。
娘さん二人は「絶対に政治はやらない」と話していたが、
「でも、負けたくない」とも言っていて、
そうした強さは実に政治家向きだと感じた。
二世議員の強さは、こうしたところにもありそうだ。
また、この映画のクライマックスとも言えるのは慶応大学の井手英策教授による応援演説。
これが実に胸に迫る内容で、
かつ演説力もやたらと高く、
聞いている小川議員や家族も泣いてしまっている。
ただ、この場面だけ登場される方においしいところを持って行かれるのもどうなのかとは思う。

この映画を観て、
「こういう人に総理大臣になってもらいたい」
という感想を持たれる方もおられるようだ。
ただ、少なくとも本作の中では「これは」という政策が示されているわけではなく、
吸い込まれるような弁舌が披露されているわけでもなく、
映画への高評価も含めて、違和感を覚える。

とはいえ、2時間、楽しくというとちょっと語弊があるかもしれないが、
しっかり観られたのも確かである。
その意味では、なかなかの映画だと思う。
政治家を描くものとしては、
食い足りない、なんとも言えないもやもやしたものを抱えながらではあったのだが。

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映画評 「クソみたいな映画」 [映画評]

映画館のチケット売り場で
「クソみたいな映画、お願いします」
と言うと、
「はい、クソみたいな映画、15時からの回のご案内でよろしいでしょうか」
と答えてくれた。
入口に進むと、
「クソみたいな映画、ただいま開場しております」
と伝えてくれた。
クソみたいな映画、という言葉が遠慮なく飛び交っていた。

クソみたいな映画、というタイトルを付ける以上、逆に内容に自信があるのかと思うのが普通だろう。
クソじゃないと思っているからこその、このタイトルのはず。
しかし、この映画にそんな常識は全く通用しなかった。
タイトルに恥じない、いや、それ以上の作品。
クソみたいなという言葉の、「みたいな」という部分が余分であるとさえ感じられるくらい。

なぜ私がこの映画を観に行ったかと言うと、NON STYLEの石田さんの脚本だったから。
私はお笑いの人を信じている。
ああ、それなのに・・・。

おそらく、年間ワースト映画に堂々ノミネートされるだろう。
ただ、まったく話題にもなっていないので、そうなるとワースト映画として取り上げられることもないだろうか。
ひどいし、ひどすぎて笑えもしないし、熱くもないし、見られてもいない。
まあ、惨憺たる映画だった。

何が悪いって、残念ながら脚本が悪い。
NON STYLEの漫才には信頼を置いているが、
今回の石田さんの脚本は、はじめから最後まで少しも面白くなかった。
「いやいや、ここまではフリで、この先面白くなるはず」
「このままズルズル終わる映画なんかあり得ない。これから山場が来るはず」
といった期待はすべて無残に裏切られた。
もちろん、映画の最終責任者である監督さんの手腕もさっぱり。
演じておられる方々もなんというか、もう。
すべてがハラホロヒレハレという、ある種稀有な作品。

「クソみたいな映画」は、
「いや、これを公開したら駄目でしょう」と言いたくなるくらいのダメダメな作品。
これを観た多くの人が、そのつまらなさにおそらく驚くのではないか。
本作にかかわった方々は、一度身銭を切って、劇場に足を運ばれるといいと思う。
そして大切な時間とお金をいただける作品か、胸に手を当てて考えていただきたい。
お客さんの反応もご覧いただきたい。
自分たちが何をしてしまったのか、おわかりになるのではないだろうか。

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もともと入りと出がまったく噛み合っていない地方交付税制度 [公会計]

先日NHKのサイトに
「地方交付税 4800億円分が不足 国の税収減で」
との見出しのニュースが掲載された。

内容を要約すると、
・昨年度の国の税収が政府の見積もりを1兆7000億円余り下回り、各自治体に交付した地方交付税の総額16兆3000億円のうち、4800億円分が財源不足になる。
・地方交付税が財源不足となった場合、明らかになった年度の翌年度以降の交付額で調整することになっている。
・高市総務大臣は、新型コロナウイルスの影響もあり、来年度に向けては例年にも増して厳しい状況にあり、地方の財政運営に影響が出ないよう努力する考えを示した。
というものである。

さらに、
「地方自治体の財政を支援するための地方交付税は、法人税や所得税などの国税が財源となっていて、毎年度、その年度の税収の見積もりを基に交付額を決めています。」
との解説もついている。

この記事を読むと、こう思う人が大半だろう。
①地方交付税は国税が財源となっていて、その範囲で配分額が決められているらしい
②入ってくるはずの税収が下がれば、自治体に交付される地方交付税もそれに合わせて下がる仕組みのようだ

ひょっとしたら自治体にお勤めの方のなかにもそのように理解されている方がおられるかもしれないが、
当然のことながら、上記の理解は間違っている。

まず①について。
確かに地方交付税に割り当てられる国税は、所得税・法人税の33.1%、酒税の50%、消費税の19.5%といった具合に決められている。
しかし、これはこの分が地方交付税として使われることが決められているというだけで、上限を定めたものではない。
地方交付税の総額は、総務省が作る「地方財政計画」によって決められる。
この計画は地方の実情を反映させるものであるが、当然に財務省との交渉の中で額が調整されるものであろう。
とにかく、地方交付税の原資となる額とは違うところで決められるのである。
足らない分は、別途考える仕組みとなっている。

②の考え方は、本来なら逆になるべきであろう。
なぜなら、税収が下がるということはその分自治体の歳入が減るということであり、
さらに景気が悪ければ生活保護費などで歳出が増えると見込まれるため、
地方交付税で埋めるべき歳入と歳出の乖離幅が広がるからである。
地方交付税には財源確保機能があるとされており、苦しいときほど自治体への交付額が増えるのがそもそもの形である。

なんだかややこしかったかもしれない。
NHKのサイトに書かれている内容は誤解を生じかねないものであったと思うが、
丁寧に解説したら相当なボリュームが必要なのでやむを得ない面もある。
とりあえず、地方交付税は入りと出が全く別の要素で決まる制度である、
ということを押さえていただければと思う。
そして、
「それって何だかおかしくない」
という感想はごく自然であると思う。

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勇気が湧く110キロ [55歳125キロプロジェクト]

2020年の個人的おバカ企画
「55歳過ぎの腰痛持ちが、125キロの速球を投げるプロジェクト」。
学生の頃すごかったわけでも全くなく、現在草野球をやっているわけでもなく、
あまつさえ腰痛まで抱えている55歳が、
身の程しらずにも125キロという球速に挑戦している。
9月の下旬あたりを最終計測時として、
6月100キロ、7月105キロ、8月110キロ、
くらいのペースで上げていく予定であった。

しかし、先月までの塩梅がどうにも芳しくなかった。
3月以降のコロナ禍、4月の腰痛などが原因か、ピッチが上がらない。
6月計測では、軽く投げて100キロを計時するつもりが、結果は99キロ。
「いや、1キロしか変わらないじゃないか」
とおっしゃる方も多いと思うが、当人としては少しショックだった。
そして、その時のブログにこんな風に書いた。
『7月に105キロのつもりで投げて101キロくらいだったら、完全に赤信号である。』

当初、6月100キロ、7月105キロ、8月110キロ、
と徐々に上げていこうとしていたのは、体への負荷をなるべく減らしたかったからである。
無理をして、肩やら肘やら腰やら背中やらを痛めてしまったら、そこで挑戦が頓挫してしまいかねない。
ただ、多少無理をしなければ先が無いようにも思えた。
そこで、7月は少し目標を上方修正し、ちょっと力を入れて110キロが出ればいいと思った。
まだ全力で投げるのは早いが、いつまでも100キロ前後では先が見通せない。
先が見通せないとモチベーションも上がらない。

結果、幸いなことに1球110キロが出た。
2020.7.jpg

110キロの次が105とか104とかだからたまたまと言えばそれまでだが、
試合に投げるつもりもないし、コンスタントにスピードを出すつもりもない。
1球だけ速ければそれでいい。
たまたまでもなんでも、この段階で110キロを出せてよかった。
気持ちがつながる。

まだ、全力で投げてはいない。
というか、全力で投げられる体になっていない。
全力で投げたら、一気に球速が上がるかというとそういうものでもないというのはわかっているが、
なんにせよ、やりつくしての数字ではない。

9月下旬を目途としているので、あと2月ちょっと。
125キロなんて無理に決まっているとわかりつつ、
現段階での110キロは、ほんの少しだけ日が差した。

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