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コロナを抑えられなかったアメリカの高成長 [ヨモヤ]

コロナ対策について、アメリカは完全に失敗したと言っていいだろう。
感染者数は世界一の約3,000万人
死亡者も世界一の約60万人。
日本の数と比べるとまさしくケタが違う。
二ケタ違う。
人口の差はあるが、それにしても、という感じである。

コロナ対策に失敗した国は、経済でも苦境に陥る、
というのが基本的な流れである。
経済活動がそれだけ止まるのだから当然である。
しかし、それがアメリカにはあてはまらない。
1~3月期のアメリカのGDPは、前期比の年率換算で6.4%増えたというのである。
ユーロ圏は2.5%減で2期連続のマイナスとなり、
日本も3期ぶりのマイナス成長に沈んだとの見方が大勢であるなか、
アメリカの好調が際立つ。

もちろん、アメリカはワクチンの接種が進んでいるという背景はある。
しかし、高成長だった1~3月期のうち少なくとも1月はそれほど進んでいなかったし、
現在でも1日5万人もの感染者が出ている。(日本の10倍)
それだけにアメリカ経済の回復ぶりは不思議でさえある。

アメリカ経済をけん引しているのは個人消費。
バイデン政権による新たな現金給付も背中を押す形で、車を含めた耐久財への需要が急速に回復しているという。
さらに、商店の営業規制が解除されつつあるので、回復に拍車がかかっている感じである。

コロナで失われた60万人もの命は返ってこないので、
どれだけ経済が回復しても、コロナ対策が成功だったとは言えないだろう。
しっかり対策をしていれば救えた命も少なくないと思われる。
とは言うものの、
ワクチンを世界に先駆けて実用化し、
迅速に国民に行き渡らせ、
経済も順調に回復、
とあっては、
アメリカはコロナに打ち勝った、と見えなくもない。

それぞれの国に、芸風というかお国柄というものがあり、
日本はアメリカのように振る舞うことはできない。
それは前提としながらも、
今回もアメリカという国のしたたかさを見せつけられている感じである。

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映画評 「瞽女 GOZE」 [映画評]

「瞽女」とは、Wikipediaによれば、
女性の盲人芸能者を意味する歴史的名称のことである。
さらに、
「近世までにはほぼ全国的に活躍し、20世紀には新潟県を中心に北陸地方などを転々としながら三味線、ときには胡弓を弾き唄い、門付巡業を主として生業とした旅芸人である」
とされている。

本作は、「最後の瞽女」と呼ばれていた小林ハルさんの生涯を描いたもの。
小林さんは波乱万丈の過酷な人生を歩まれながら、105歳まで生きられた。
晩年には、黄綬褒章を授与され、
選択無形文化財の保持者に認定されたことをもって人間国宝と呼ばれることもあったという。

小林さんは、新潟県に1900年にお生まれになり2005年に亡くなられている。
明治に生まれて平成にお亡くなりになったことになる。
物語の前半の展開(目が見えない子どもは偏見の目で見られるので、外には出さない、など)は、
現代の常識からは理解しづらいことだが、100年以上前にはあったことなのだろう。
晩年は活動の評価も高まり、穏やかに暮らしておられたようである。

本作は実在の人物の生涯を描いているが、
演技がかなり大味で、リアリティはあまり感じない。
見るのが忍びないような痛切なシーンもあるが、
演出としてうまくいっているかというと、それはどうだろう。
本作は、「瞽女」という存在をわかりやすく記録したもの、と割り切って観た方がよさそうだ。
そのためにわかりやすい演出をしたと解釈すれば、まあ、理解できなくもない。

主人公の幼少期を川北のんさんが、成年期を吉本実憂さんが演じられた。
お二人とも熱演であった。
本田博太郎さん、寺田農さん、国広富之さん、田中健さんらが、小さな役で出演されている。
小林幸子さんも意外なところで出演されているので、お見逃しなきよう。

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これだから野球はわからない ~ 主力欠く日ハムが涌井・マー君を撃破 ~ [ヨモヤ]

開幕から精彩を欠いていた日本ハムをコロナ禍が襲った。
13人のコロナ感染が判明し、なかには西川ら主力選手も含まれていた。
まさに
弱り目に祟り目、
踏んだり蹴ったり
泣きっ面に蜂。
その影響で西武戦及ロッテ戦が中止になったが、選手が揃わないまま、楽天戦から再開となった。

相手・楽天の先発は、涌井、田中という大物2人。
ただでさえ攻略が難しい両巨頭に対するには日本ハムの戦力はあまりにもひ弱に見えた。
5月8日の日本ハムのスタメンを見ると、
9人中4人が打率2割未満。
この4人の打率は、
.000
.111
.091
.095
守備固めに出て来た、というわけではなく、先発メンバーの打率がこちらである。
ある意味、すごいスタメンと言える。
このメンバーで、涌井、田中に立ち向かう。

しかし、結果は日本ハムの連勝。
そんな馬鹿な、と思うような結果だが、そんなことが起きるのが野球である。

首位の楽天を最下位の日本ハムが連破したことで、
パ・リーグは首位から最下位までわずか3.5ゲーム差の大混戦となった。
優勝候補筆頭のソフトバンクに、
千賀、東浜、森に続き、グラシアルまで離脱するというアクシデントが生じており、
これが混戦に拍車をかけている。
いやというほど選手層が厚いソフトバンクだが、
さすがに先発の柱二人と抑えのエースと4番打者が抜けては、戦力は大幅にダウンする。

ソフトバンクに怪我人が出るのはほとんど毎年のことで、
シーズンの前半にもたもたするのも例年のこと。
じっくり構えて、秋の本番に備えてくるのがいつものパターン。
パの他のチームは、それを織り込んで今のうちにしっかり叩いておく必要がある。

どのチームにもチャンスがある。
そんなシーズンになる可能性があるのは嬉しい。
特に、ロッテ、オリックスといった優勝から長く遠ざかっているチームの頑張りに期待したい。
長いシーズン、苦しい時期もあると思うが、秋まで楽しませてもらいたいものである。

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映画評 「るろうに剣心 最終章 The Final」 [映画評]

アニメの実写化がコケることが少なくないなか、「るろうに剣心」は成功例の一つとされる。
佐藤健さんは剣心役にピッタリはまったし、
興行的にも大きな成功を収めた。

本作は、「るろうに剣心」シリーズの完結編。
だから「The Final」。
と言いつつ二部作になっていて、過去を振り返る「The Beginning」が控えているが。

実写版の「るろうに剣心」の見どころは、なんといってもアクションシーン。
今回も最初のシーンから全開。
一人で大勢の相手を吹っ飛ばす、
一対一のときは画面狭しと走り回る。
それを可能にしているのは、もちろんチェーンアクションをはじめとする撮影技術であろうが、
佐藤健さんと新田真剣佑さんの身体能力もすばらしい。
お二人とも鍛え上げられた姿を披露される。
特に佐藤さんが全力疾走されるシーンは見ものだった。

一方、ストーリーはというと、わちゃわちゃとして定まらない。
感情移入できるような丁寧な描き方はされておらず、
観ている側は置いてけぼり。
剣心を狙う輩が何人もいるのだが、何故なのか何をしたいのか不明。
まあ、そんなことを真面目に考える映画ではないのだろう。
佐藤さんと真剣佑さんのカッコよさと、
アクションシーンの凄さに感嘆していればいい。

また、スター総出演、という豪華さも売りの一つ。
佐藤さん、真剣佑さんのほか、
武井咲さん、蒼井優さん、伊勢谷友介さん、土屋太鳳さん、
有村架純さん、江口洋介さん、神木隆之介さん、
といった面々が「We Are The World」的に画面を盛り上げる。

「るろうに剣心 最終章 The Final」は、気合いの入ったアクション大作。
娯楽作として、口をあんぐり見物するのにいい映画。
ただ、本作を観て、「『The Beginning』も絶対行かなきゃ」となるかというと、それはなんとも。

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ここのところで読んだ30冊 [読書記録]

ここのところで読んだ30冊は以下のとおり。

「クリーニング業界の裏側」 鈴木 和幸
「世界基準の交渉力」 藪中 三十二
「洗脳された日本経済」 浜 矩子
「かわいがられる力」 安岡 正
「愛の手紙の決めゼリフ」 中川 越
「すごい講師の伝え方」 中村 喜久夫
「競輪という世界」
「坂本龍馬と高杉晋作」 一坂 太郎
「会社四季報業界地図」
「部長って何だ!」 丹羽 宇一郎
「経済のカラクリ」 神樹 兵輔
「リブラの正体」
「事例で見るまちづくり」
「ソロ 希望の物語」
「礼儀正しさこそ最強の生存戦略である」 クリスティーン・ポラス
「天文学者に素朴な疑問をぶつけたら宇宙科学の最先端までわかった話」 津村 耕司
「観光再生」 村山 慶輔
「超文章法」 野口 悠紀雄
「ローカルブックストアである福岡ブックス・キューブリック」 大井 実
「おらおらでひとりいぐも」 若竹 千佐子
「青森ドロップキッカーズ」 森沢 明夫
「平成の経済政策はどう決められたか」 土居 丈朗
「いちばんやさしいキャッシュレス決済の教本」 川野 祐司
「文在寅時代の韓国」 文 京洙
「バブル」 山口 ミルコ
「16歳からのはじめてのゲーム理論」 鎌田 雄一郎
「自分の仕事をつくる」 西村 佳哲
「理科系の作文技術」 木下 是雄
「スーパーポジティブシンキング」 井上 裕介
「ロックは語れない」 渋谷 陽一

中川越さんが書かれた「愛の手紙の決めゼリフ」という本は、文豪たちが親しい人たちに送った愛の言葉をまとめたもの。さすが、と思わせられたり、ちょっとくすっとしたり。

森沢明夫さんの「青森ドロップキッカーズ」は、タイトルからプロレスを連想してしまいがちだが、カーリングを題材にした青春小説。さわやかに感動できる。

土居丈朗さんの「平成の経済政策はどう決められたか」は、マクロ政策がどのようにして決められたかを検証した一冊。その政策に賛成であれ反対であれ、決定のメカニズムを知ることは意味があることだと思う。

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中国政府関係者の皆さんが「人の振り見て~」となってくだされば・・・  [ヨモヤ]

フィリピンのロクシン外相が、南シナ海の係争海域における中国船舶の振る舞いについて、
禁句の英単語を使って「消えうせろ」とツイッターに投稿された。
このツイートについては批判が高まり、
ドゥテルテ大統領は、
「紛争があっても無礼であってはならない」
と述べられ、
ロクシン外相も中国の王毅外相に言及し
「気分を害し、おわびする」
と謝罪された。

中国側の反応としては、中国外務省の汪文斌副報道局長が、
「言論発表時には基本的な礼儀と肩書を一致させるよう望む」
という談話を発表された。

国と国が対峙するなかでは、どうしても熱くなる場面がある。
しかし、そのなかでも相手に対する敬意は忘れないようにしたいものである。
特に、中国外務省の方がおっしゃるように、一定の肩書のある方の場合はなおさらである。

では、ここでちょっと、ごく最近の中国の肩書のある方の言論を見てみよう。
基本的な礼儀と肩書が一致しているだろうか?

まず、覇権争いが激しくなってきたアメリカに対して。
在日中国大使館は、ツイッターでアメリカを「死に神」に例えて批判するイラストをツイッターに投稿された。
星条旗をまとい、斧を持った死に神が、イラク、リビア、シリアなどと書かれた各部屋の扉をたたき、それぞれの部屋から血が流れる様子を描いたものであり、
ご丁寧に、と言うべきか
「米国が『民主』を持って来たら、こうなります」
との日本語の注釈もあった。

続いて、国境紛争による緊張が高まっているインドに対して。
中国共産党の中央政法委員会に関係するアカウントで、
中国の大型ロケット「長征5号B」の打ち上げ写真とインドで遺体が火葬される写真を並べ、
「中国点火VS印度点火」という一文と、
インドで新型コロナウイルスの1日の症例数が40万を超えたという内容のハッシュタグが添えられていたという。

さらに日本に対して。
中国外務省報道官が、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景神奈川沖浪裏」そっくりのイラストを使い、
富士山を原発とみられる施設に描き換え、舟の上では防護服を着た人物が放射能マーク入りのバケツから汚染水らしき液体を海に捨てる様子が描かれている画像をツイートした。
「葛飾北斎が今も生きていたら、日本の原発処理水の問題について大変心配するであろう」
と書き込み付きで。

さてさて、これらはどうだろう。
中国外務省の方がおっしゃっているように、基本的な礼儀が守られているだろうか。
直接的な言葉は使われていないものの、
他国の不幸を題材にしたり、
芸術作品を揶揄する道具にしたり、
ちょっとどうなのかと思える内容であろう。

日本には、「人の振り見て我が振り直せ」ということわざがある。
中国の方がフィリピンの方の振る舞いを見て、
「あれ?自分たちもどうだろう」
と、顧みてくださいますように。

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日本ってそんなにダメかしら ~ 「世界最高の国ランキング」で日本は2位 ~ [ヨモヤ]

どこの国でもそうなのだろうか?
若しくは、日本人に特別その傾向が強いのだろうか?
日本人は、自国を卑下することが多いような気がする。
日本は
ダメダメダメダメダメダメダメダメ
と、毎日聞かされているような気がする。

コロナ対策がダメ、
政治がダメ、
経済がダメ、
福祉がダメ、
医療体制がダメ、
教育がダメ、
ダメダメダメダメダメダメダメダメ。

一方、社交辞令もあるのだろうが、日本に住んでいる外国の方から話を聞くと、
「日本はいい国だ」
としみじみおっしゃられる。
安全だし、
便利だし、
医療も充実しているし、
とおっしゃられるのである。
とにかく住みやすい、
いい国、
とおっしゃられるのである。

また、海外在住後、帰国された方も、日本のよさを伝えてくださることが多い。
外に出て、日本のよさがわかったとおっしゃる。
海外にいると、日本人というだけで信頼されることもあるのだという。

アメリカのUSニュース・アンド・ワールド・リポートという時事解説誌が、
「世界最高の国ランキング」の最新版を発表した。
これは、ペンシルベニア大学ウォートンスクールなどと共同で毎年実施しているもので、
世界の国・地域を対象に、生活の質や市民の自由度、文化的な影響力、政治の安定などを76項目の指標で評価、ランク付けしたものだという。
その順位は以下のとおりである。

1位 カナダ
2位 日本
3位 ドイツ
4位 スイス
5位 オーストラリア
6位 アメリカ
7位 ニュージーランド
8位 イギリス
9位 スウェーデン
10位 オランダ

日本は、欧米各国が占めるランキングの中で堂々の2位。
しかも前年よりランクを上げている。
「ビジネスの開放度」などの評価は低いものの、「文化的影響力」などが高く評価されたのだという。
このランクが掲載されたサイトを見ると、
「日本は世界最高齢の人口と少子化の経済的影響に取り組んでいる」
「リスクに対する文化的嫌悪感と新興企業への資金不足は依然として課題」
などとされていて、マイナス面もしっかり分析されていることがわかる。

このランキングにいかほどの意味があるのかよくわからないし
この評価に有頂天になるのもおかしいが、
少なくとも世界水準で見たときに、日本がダメダメダメダメダメダメダメダメな国ではないことはわかる。

改めて、
国内の評価と海外から見た評価が大きく食い違っているのは日本だけの特徴なのだろうか。
それとも、こうした傾向はどこの国にもあるのだろうか。
ちと日本人は卑下が過ぎるのではないだろうか。
近頃の過度な自嘲は、美徳とは言えないのではないだろうか。
国際的な位置を知らな過ぎるのではないだろうか。

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憲法改正 入口論から卒業し、具体の論議を [ヨモヤ]

5月3日は憲法記念日。
1947年(昭和22年)5月3日に日本国憲法が施行されたことを記念して制定された。
日本国憲法は、施行後70年以上経過し、一度も改正されたことがない。
これは世界的にも非常に珍しいことであるようだ。

憲法記念日に合わせて、マスコミ各社が憲法改正についての世論調査を公表している。
主な新聞社による調査結果は以下のとおりである。

読売新聞社
憲法を「改正する方がよい」は56%、「改正しない方がよい」は40%。

朝日新聞社
いまの憲法を変える必要があるかを聞くと、「変える必要がある」45%、「変える必要はない」44%。

毎日新聞
憲法改正について「賛成」が48%と「反対」の31%を上回った。

産経新聞
憲法改正に「賛成」が53% 「反対」が35%。

新聞社ごとにかなりの差が生じるのはいつものこと。
読売新聞調査結果に、
「近年は憲法改正賛成派と反対派が5割前後で拮抗きっこうしていたが、今回は差が16ポイントに広がった」
とあったが、読売だけではなく全体的な傾向として、憲法を改正すべきという意見が増えたようだ。

しかし、憲法を改正すべきかどうかを延々と議論しているのも不思議な話である。
制定されてから何十年も経ち、
科学技術の発展によって人々の暮らし方は大きく変わったし、
世界情勢もどんどん変わったし、
人の考え方も生き方も時代によって変わったのだから、
必要に応じて改正すべきなのは、当然のことだと思う。
もちろん、憲法であるから、改正について慎重であるべき面があるのも確かだが、
「改正しない」と決めつけるのは無理があり過ぎる。

憲法改正というと、9条の論議に持ち込みたがる方が多いように思えるが、
まずは、明らかに不備であるところから具体的に議論を進め、しっかり手続きを進めたいところである。
例えば、近年取り上げられることの多い同性婚についての規定はどうか。
憲法24条は、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」としている。
先日の、画期的とされた札幌地裁判決でも、この条文は異性婚について定めたものとしたが、誰が読んでもそう読み取れる。
同性婚の実現を訴える方は、「この条文は同性婚を禁止したものではない」などと苦しい反論をするくらいなら、憲法の改正を堂々と訴えるべきだと思う。

他にも、
環境権を追加すべき
参議院の位置づけを見直すべき
衆議院の解散に係る規定を整備すべき
など具体的な課題はいくつもある。
こうした課題を解決するために、国会には真面目に憲法に取り組んでいただきたいと願うが、
繰り返されるのは入口論ばかり。
心から残念に思う。

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シネマ・ロサにて松尾豪監督特集 [映画評]

東京・大阪などに緊急事態宣言が出され、沖縄・埼玉等がまん延防止等重点措置の適用を受けている。
そして、「不要不急の外出・移動の自粛」が広く呼びかけられている。
特に、県境を超えることを慎むようにとされている。

何を持って「不要不急」とするのか、判断は人によってそれぞれだと思う。
ある人から見れば不要なものも、
その人からすれば絶対に必要であるということもあるだろう。
回りから見れば何も急がなくてもと思うことが、
その人からすれば急を要するということもあるだろう。
それぞれが考えるしかない。
正解はないが、悔いのないようにしたい。

池袋のシネマ・ロサという映画館が、「インディーズフィルム・ショウ」という企画を行っている。
映画を志す若者は多いと思うが、なかなか発表の場がない。
そんななか、ロサという素敵な器で上映してもらえるのは素晴らしいことである。

そのロサで、5/1(土)から5/7(金)までの間、松尾豪監督特集を上映している。
松尾監督といえば、私も少し関わらせていただいた「ところざわ学生映画祭」で大活躍された方。
個人的にもお世話になっている。
その方の映画が、ロサで、期間限定でかかるとあって、意を決して都県境を超えた。
意を決するといっても映画を観るだけなのだが。

私が観た5月2日の回は、
1「愛を込めて壁ドンを」
2「ある日のモダン・タイムス」
3「アキスカゾク」
4「グラフィティ・グラフィティ!」
5「二十歳からの旅たち」
の短編5本立て。
1,3,4は観たことがある作品で、
2,5が初見。
「アキスカゾク」を見るのは久しぶりだったが、最初に観たときより面白く感じた。
ということはよほどいい作品なのだと思う。
初見であった2作は、若者らしくというか、ぶっ飛んだ感じ。
2作ともあっという間に終わる作品なのだが、終わった瞬間「マジ?」とつぶやかされた。

ロサで特集されたということは、松尾監督にとっても大きな出来事になったと思う。
劇場内は、あたたかい空間になっていた。
ただし、松尾監督の冒険はまだ始まったばかり。
もっともっといろいろなところに私たちを連れて行ってほしい。

タグ:松尾豪
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中国の人口減少がもたらすもの [ヨモヤ]

フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が、中国の人口が50年ぶりに減少したと報じた。
FT紙は、イギリスの経済紙。
本来、国の統計情報は、その国のしかるべき筋から発表されるのが筋だが、
今回はそれを待たずにスクープ的に報じられた。
なんでも、中国において人口統計は非常にセンシティブな問題であり、
政府各部門の総意がなければ発表されないのだそうだ。
統計が大切なのは確かだが、総意がなければ発表されないというのは、
本当にそのとおりだとしたら、ちと首を傾げる話ではある。
中国のことなので、意外性は全くないが。

今回の報道の根拠となっているのは、10年に1度実施されている国勢調査。
もともとは4月初めに発表する予定になっていたようだが、それが遅れている。
FT紙は関係者の話を取材し、今回の報道につながったようだ。

しかし、この報道に反論する形で、中国国家統計局が人口は増加したと表明した。
「われわれの理解では、2020年に人口は引き続き増加した」
と言うのだが、比較の対象がいつ時点かといった詳細は、昨年の調査結果公表時に明らかにする、としている。
理解では、というのも、なんとも不思議な表現である。
こうした対応を見ても、中国において「人口が減る」ということがいかに大きなことなのかがわかる。

従来の予想では、中国の人口は2027年頃にピークを迎えるのではないか、とされていたらしい。
多過ぎる人口が減少に転じるのは悪い話ではないと感じる人も多いかもしれないが、
人口が増えることは成長の原動力である。
人口が減ることは若年層の減少を意味し、
活力が減退するということのほか、
高齢者を支える財源にも支障をきたすことになりかねない。
人口減が本当なら、こうした先進国が直面している課題に、中国も向き合うことになる。

今回は、何十年ぶりもの人口減少なのでこうした騒ぎになっているが、
中国でも人口減少が当たり前の光景になることが見込まれている。
そうなったとき、これまでどおりの成長を続けられるのだろうか。

中国は、日本をはじめ、先進国が陥ったいろいろな罠をしっかり研究して、
対策を練っているという。
人口減少への対策にも余念がないだろう。
しかし、準備をしたからといっていつも問題が起きないとは限らない。

人口の伸びが止まったとき、中国も低成長の罠に囚われるのか、
それともしっかり克服するのか。
どの国にとっても他人事ではない。

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