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映画評 「瞽女 GOZE」 [映画評]

「瞽女」とは、Wikipediaによれば、
女性の盲人芸能者を意味する歴史的名称のことである。
さらに、
「近世までにはほぼ全国的に活躍し、20世紀には新潟県を中心に北陸地方などを転々としながら三味線、ときには胡弓を弾き唄い、門付巡業を主として生業とした旅芸人である」
とされている。

本作は、「最後の瞽女」と呼ばれていた小林ハルさんの生涯を描いたもの。
小林さんは波乱万丈の過酷な人生を歩まれながら、105歳まで生きられた。
晩年には、黄綬褒章を授与され、
選択無形文化財の保持者に認定されたことをもって人間国宝と呼ばれることもあったという。

小林さんは、新潟県に1900年にお生まれになり2005年に亡くなられている。
明治に生まれて平成にお亡くなりになったことになる。
物語の前半の展開(目が見えない子どもは偏見の目で見られるので、外には出さない、など)は、
現代の常識からは理解しづらいことだが、100年以上前にはあったことなのだろう。
晩年は活動の評価も高まり、穏やかに暮らしておられたようである。

本作は実在の人物の生涯を描いているが、
演技がかなり大味で、リアリティはあまり感じない。
見るのが忍びないような痛切なシーンもあるが、
演出としてうまくいっているかというと、それはどうだろう。
本作は、「瞽女」という存在をわかりやすく記録したもの、と割り切って観た方がよさそうだ。
そのためにわかりやすい演出をしたと解釈すれば、まあ、理解できなくもない。

主人公の幼少期を川北のんさんが、成年期を吉本実憂さんが演じられた。
お二人とも熱演であった。
本田博太郎さん、寺田農さん、国広富之さん、田中健さんらが、小さな役で出演されている。
小林幸子さんも意外なところで出演されているので、お見逃しなきよう。

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