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コロナ政策への批判が高まる中での国際比較のおさらい [ヨモヤ]

各種世論調査において、菅政権の支持率が低迷している。
そして、コロナ対策について、「評価しない」とする人が多数を占めている。
なかなか先が見えない状況であり、現政権への不満が高まるのもやむを得ない。
ただし、コロナは世界的に共通の課題なので、国際比較することによって、日本がどの程度悪い状況なのか見えてくるはずである。
国民が不満に思っているとおり悪い状況なのか、
それとも国際的にはそうでもないのか。

まず、感染者数。
これは、よく知られているとおり、先進国の中では日本の感染者は非常に少なくなっている。
具体的にG7各国を2021年5月16日現在で比較すると以下のとおりである。
アメリカ 約3,300万人
ドイツ  約360万人
イギリス 約450万人
フランス 約600万人
イタリア 約420万人
カナダ  約130万人
日本   約70万人
G7中、日本の次に感染者が少ないのはカナダだが、カナダの人口は日本の約3分の1である。
他の国も、アメリカ以外は日本よりかなり人口が少ない。
つまり、日本の感染者数は先進国で比較すると突出して少ない。
こうしたことはほぼ常識になっていると思うが、ひょっとしたらご存じない方もおられるかもしれないので、念のため確認してみた。

感染者が先進国の中では少ない、という件については、東アジアの中では多いではないか、という方がおられる。
確かに、
韓国   約13万人
台湾   約0.2万人
と比較すると、人口比を考慮しても、日本の感染者数は多い。

次にワクチンの接種率を比較すると、先進国中の日本の出遅れが目立つ。
100人当たりの接種数を先進国で比較すると以下のとおりである。
アメリカ 約80人
ドイツ  約44人
イギリス 約82人
フランス 約40人
イタリア 約42人
カナダ  約46人
日本   約4人

ちなみに東アジアで比較すると、
韓国   約9人
台湾   約0.5人
である。
感染者数を抑え込んだ東アジアの国々が、ワクチンでは出遅れていることがわかる。

政府に反対の立場の方々が、
感染者数を比較するときには先進国と比較しても意味がない、といったようなことをおっしゃっていたのに、ワクチンでは先進国を基準にされていることが多いのが興味深い。

では、トータルで見るとどうか。
アメリカのブルームバーグ社が、感染者数とワクチン接種率などを総合的に分析し、
世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」を毎月発表している。
直近4月のランキングは以下のとおりである。
1位 シンガポール
2位 ニュージーランド
3位 オーストラリア
4位 イスラエル
5位 台湾
6位 韓国
7位 日本
8位 アラブ首長国連邦
9位 フィンランド
10位 香港
繰り返すが、こちらはワクチン接種率も加味されてのランキングである。
日本はワクチンの出遅れはあっても、総合的にはかなり高く評価されているようだ。

国際的にどうであろうと、コロナ対策に不満を持つ人の気持ちはあまり変わらないかもしれない。
それでも、世界がどうなっているのかは知っておいた方がいいと思う。
日本の世界での位置も知っておいた方がいいと思う。

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