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憲法改正 入口論から卒業し、具体の論議を [ヨモヤ]

5月3日は憲法記念日。
1947年(昭和22年)5月3日に日本国憲法が施行されたことを記念して制定された。
日本国憲法は、施行後70年以上経過し、一度も改正されたことがない。
これは世界的にも非常に珍しいことであるようだ。

憲法記念日に合わせて、マスコミ各社が憲法改正についての世論調査を公表している。
主な新聞社による調査結果は以下のとおりである。

読売新聞社
憲法を「改正する方がよい」は56%、「改正しない方がよい」は40%。

朝日新聞社
いまの憲法を変える必要があるかを聞くと、「変える必要がある」45%、「変える必要はない」44%。

毎日新聞
憲法改正について「賛成」が48%と「反対」の31%を上回った。

産経新聞
憲法改正に「賛成」が53% 「反対」が35%。

新聞社ごとにかなりの差が生じるのはいつものこと。
読売新聞調査結果に、
「近年は憲法改正賛成派と反対派が5割前後で拮抗きっこうしていたが、今回は差が16ポイントに広がった」
とあったが、読売だけではなく全体的な傾向として、憲法を改正すべきという意見が増えたようだ。

しかし、憲法を改正すべきかどうかを延々と議論しているのも不思議な話である。
制定されてから何十年も経ち、
科学技術の発展によって人々の暮らし方は大きく変わったし、
世界情勢もどんどん変わったし、
人の考え方も生き方も時代によって変わったのだから、
必要に応じて改正すべきなのは、当然のことだと思う。
もちろん、憲法であるから、改正について慎重であるべき面があるのも確かだが、
「改正しない」と決めつけるのは無理があり過ぎる。

憲法改正というと、9条の論議に持ち込みたがる方が多いように思えるが、
まずは、明らかに不備であるところから具体的に議論を進め、しっかり手続きを進めたいところである。
例えば、近年取り上げられることの多い同性婚についての規定はどうか。
憲法24条は、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」としている。
先日の、画期的とされた札幌地裁判決でも、この条文は異性婚について定めたものとしたが、誰が読んでもそう読み取れる。
同性婚の実現を訴える方は、「この条文は同性婚を禁止したものではない」などと苦しい反論をするくらいなら、憲法の改正を堂々と訴えるべきだと思う。

他にも、
環境権を追加すべき
参議院の位置づけを見直すべき
衆議院の解散に係る規定を整備すべき
など具体的な課題はいくつもある。
こうした課題を解決するために、国会には真面目に憲法に取り組んでいただきたいと願うが、
繰り返されるのは入口論ばかり。
心から残念に思う。

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