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映画評 「サンチョー」 [映画評]

登場人物がほぼすべてジャルジャルのお二人という変わった映画。
登山部所属の同級生、解散の危機に瀕した漫才コンビ、間の悪い泥棒、
マジシャンを目指している超能力者、へんてこりんな床屋、劇団の座長などなど、
様々な役柄を二人でこなす。
一応ストーリーらしきものはあり、
ラストシーンで収束するのだが、
あまりそこに意味はなく、
全編コントという感じ。
コントシネマ、というらしい。

私は、映画ファンで、お笑いファンで、
ジャルジャルのことも好きなので、
楽しみに観に行ったのだが、
ううむ。
YouTubeでネタを見ている分にはやたらと楽しい彼らだが、
映画として観ると、これは全く別物。
ずっとコントをしているようなものなので、笑えるところもあるのだが、
トータルでは退屈。
え、退屈?
ジャルジャルのコントが?
そう、不思議なことに退屈だった。
ずっと笑わそうとしてくれていて、それがずべっているわけでもないのに、退屈。
コントシネマ、という挑戦自体は悪くないと思うが、本作ではうまく機能しなかった。

「セトウツミ」という映画がある。
ほぼ全編、池松壮亮さんと菅田将暉さんが演じる高校生二人が川のほとりでくだらないことを言い合っている。
こちらはいろいろな役を演じ分けたりはしていないが、ずっと掛け合いを続けているという点は本作と似ていなくもない。
「セトウツミ」を観終わった当座は、
面白かったけれど、2,000円近く払ってみるものとしてはどうかな、
と感じたのだが、じわじわ伝わるものがあり、5年経った今もなんとなく尾を引いている。
残念ながら「サンチョー」がじわじわ来るとは到底思いにくい。

面白いって難しい。
映画って難しい。

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