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M-1 久し振りのハッピーエンド [ヨモヤ]

誰が悪いというわけではないけれど、去年のM-1はこれまでで最低の大会だったと思う。
笑えるコンビはほとんどいなかったし、審査員のコメントも空回りした。
コロナ禍で舞台から離れていたことが最大の原因だろうが、
本来決勝に出るべきコンビの多くを敗者復活に回してしまった選球眼の狂いも要因の一つだと感じた。

今年も不安を持ちながら見たが、1組目の「モグライダー」が暗雲をはねのけた。
1組目はいろいろな面で圧倒的に不利なのだが、そのハンデを乗り越えて、笑いの神様を降臨させた。
ファイナルの3組に残ることはないと思ったが、大会を盛り上げるうえで、彼らの果たした役割は非常に大きかった。

2組目は、なにをやらかすかわからないということで、注目度ナンバーワンだった「ランジャタイ」。
ハチャメチャやっていたが、もうひとひねりどこかにあれば。
しかしそれがあっては「ランジャタイ」ではないか。

3組目は、「ゆにばーす」。
M-1は、漫才に熱い芸人に優勝してもらいたいと思っていて、その意味で「ゆにばーす」の優勝を祈った。
しかし、思いが強過ぎるためか、なんとも固く、重い。
もっと幸せなネタを作ってきてほしい。

4組目は、敗者復活枠。
私は、「金属バット」が上がってくるのを願ったが、惜しくも2位。
1位で勝ち抜いたのは「ハライチ」だった。
しかし、彼らは敗者戦で時間をかなり超過していたし、ネタ自体も後半かなり失速していた。
贔屓目もあるが、「金属」に上がってきて欲しかった。

さて「ハライチ」であるが、これが面白くなかった。
本人たちは気持ちがよかったのかもしれないが、私は全く楽しめなかった。

5組目は、「真空ジェシカ」。
ほぼ初見の彼らだが、やたらと面白かった。
一つ一つのボケがスポンスポンとはまり、最初から最後まで笑わせていただいた。
すごい点数が出るかと思ったが、意外と点数は伸びず。
評価の低さに、ちょっとびっくりした。

6組目は、「オズワルド」。
優勝候補と目されていた彼らが、実力どおりに会場を沸かせた。
漫才らしい漫才で爆笑させるのは、まさに腕。

7組目は、「ロングコートダディ」。
設定が面白いうえに、肉うどん、ラコステ、といった言葉も可笑しかった。
しかし、上位3本に入るにはややパンチ不足。

8組目は、「錦鯉」。
ほとんど笑えなかった去年の大会で、唯一といっていい笑わせてくれたコンビ。
キャラがわかってしまっているだけに、去年より面白いということはなさそうに思えたが、
あにはからんや。
爆笑の連続。

9組目は、「インディアンス」。
個人的にはあまりはまらないのだが、しゃべりの力は凄い。

10組目は、「もも」。
このコンビもほぼ初見だったが、しゃべくりだけでやり遂げようとする覚悟が気持ちよかった。

1本目を終わり、
1位通過が「オズワルド」。
2位が「錦鯉」。
3位が「インディアンス」。

ファイナルは、残念ながら3組とも1本目より笑いの質量ともに下がってしまった気がした。
なかで「錦鯉」は、爆発力のある笑いがあったし、大オチもよかった。

優勝は「錦鯉」。
2本とも面白く、
2本目は1本目とは違うタイプのネタで、
2本目がファイナルの3組でいちばん面白く、
応援したいと思わせてくれるコンビの優勝、
といった条件をクリアし、まさにハッピーエンドであった。
審査員ももらい泣きする感動劇。
おめでとうございます。

M-1には夢がある。
ブラジル人がサッカーにかけるような、
イギリス人が音楽にかけるような、
大きな夢がある。
その夢を一緒に見させていただけて、こちらも幸せであった。
芸人の皆さん、審査員の皆さん、司会のお二人、スタッフの皆さん、
本当にお疲れ様でした。
来年も、よろしくお願いいたします。

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