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なんだか幼い感じがする「民主主義サミット」 [ヨモヤ]

クラスの中で、
なんか威張っていてそれなりに力もあるがそれほど人望はない子が、
自分の好きな人間だけを集めて、
それ以外の子たちをなんとか仲間外れにしようとする。
アメリカ主催の「民主主義サミット」から、そんな姿が浮かんでしまった。

このサミットのテーマは
1 専制主義からの防衛
2 汚職との闘い
3 人権尊重の促進
の3点とのことである。
それらに異論のある人は多くないだろうが、
この目標を達成するためには、広く参加を呼び掛けるのが筋だろう。
誰でも感じることだが、中国やロシアを仲間外れにするための集まり、というニュアンスが色濃く伝わる。
中国と台湾の関係の複雑さを助長しているかのような面があることに加え、
インド、パキスタン、フィリピンが招待され、
ベトナム、シンガポール、タイが除外されるといった基準もわかりにくく、
これでは招待されなかった国が反発するのも避けられない。
民主主義の良さを広めるための集まりが対立を煽ってしまっているようでは、どうなのだろう。

実際、中国はアメリカの現状について、
・人種差別の問題が根深く存在している
・貧富の格差が広がっている
・民主主義の旗印を掲げて他国の内政に干渉して戦争を行い、かえって混乱を招いてきた
と指摘し、
今回の民主主義サミットについても、
「民主主義の名を借りて、世界における覇権的な地位を守り、他国の内政に干渉し、世界に分裂を作り出すものだ」
と批判している。
それらは当たっている面も少なくないだろう。

中国を、西欧的な概念による民主主義的な国家にしていきたいと本気で望んでいるのなら、
全く別のアプローチがあるはずだ。
今回のサミットは、アメリカと中国の覇権争いの一環であり、
民主主義を広めたい、世界をよりよくしたい、というものとはちょっと違う。
それはみんなわかっている。
招待された国々は、民主主義の大切さはわかっているし、
アメリカとの付き合いもあるので、それなりの気持ちで参加してはいるだろうが、
心から乗ることはできない。

日本がよその国のことを言えた義理ではないが、それでも言うと、
アメリカも中国も、なんだか幼い振る舞いをしているように見える。
いい方向に向かっている感じがしないのが残念である。

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