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「東大卒のキャリア官僚が減少」と聞いて悪い点が浮かばない [ヨモヤ]

人事院が、2023年度春の国家公務員試験で、キャリア官僚になる総合職試験の結果を発表した。
大きく取り上げられているのは、東大出身者の減少。
193人と初めて200人を割ったのだという。
しかし、それでも断然1位なのには変わりなく、
以下、京大118人、北海道大97人、早稲田大96人、立命館大78人
と続く。

キャリア官僚に東大出身者が減ることについては、ネガティブにとらえられることが多い。
有能な人材が集まらなくなってきている、
というのである。

さて、どうだろう。

まず、東大卒=有能、かどうか。
東大卒であれば、知識が豊富で、勉強ができる、ということは言えるだろう。
しかし、創造力や調整力などがあるかどうかはわからない。
実際、東大卒=有能、であれば、
有名な経営者に占める東大卒の割合がもっと大きくていいはずだし、
総理大臣になる東大卒がもっといてもいいのではないだろうか。

次に、東大卒が占める官僚機構が国民の期待に応えて来たかどうか。
もちろん、多くの官僚の方々が懸命に務めておられることは理解しているが、
国力の長期にわたる低迷、
官僚による相次ぐ不祥事、
各種調査における官僚への信頼感の低さなどから、
期待に応えて来たとは言い難いだろう。

と考えると、
東大卒のキャリア官僚が減ることを嘆く必要があるとは思えない。
東大法学部卒ばかりが次官になる組織の超絶ないびつさを考えると、
出身大学の多様性が広がるのは悪いことではないはずだ。

それに、
東大卒=有能
なのだとしたら、
キャリア官僚としてではなく、
民間で力を発揮してくれればそれでよい。

国家公務員の質が下がってしまったら、
国としても一大事である。
しかし、東大卒のキャリア官僚が減ることについては、
利点ばかりが浮かぶのである。

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