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値上げで改めて考える新聞の価値 [ヨモヤ]

日本経済新聞社が、7月1日から購読料を値上げすると発表した。
朝刊と夕刊のセット版が月額4,900円から5,500円になる。
価格改定は2017年11月以来、5年8カ月ぶりとのことである。

ちなみに他の新聞社では、
朝日新聞社が5月、毎日新聞社が6月にそれぞれ値上げしていて、
両新聞は月額4,900円となっている。
読売新聞は、今年の3月に
「少なくとも1年間は値上げしない」と宣言していて、
月額4,400円に据え置かれている。

さて、この金額が高いのか妥当なのか。

日本経済新聞の例で言えば、
月額5,500円ということは年額66,000円になる。
約7万円と聞くと、それなりの出費に思える。
一方日額に直すと約180円となる。
あれだけの情報量を毎朝家に届けてもらって180円なら、それほど高くないようにも思える。

新聞については、どんどん読まれなくなってきている現実がある。
日本新聞協会の調べによれば、新聞の発行部数は、
2000年では約5,400万部だったものが、
2020年には約3,100万部になっている。
この間約2,300万部も減っており、これだけでも十分深刻だが、さらに問題なのは減少幅が加速度的に増していることである。
2017年には約4,200万部だったので、この5年だけで1,000万部以上減ったことになる。

原因はスマホの普及によるものが大きいだろう。
電車の中でも、新聞ではなくスマホを見ている人の方が圧倒的に多い。
若者だけではなくビジネスマンもスマホを見ており、
その中の一定割合は、ニュースを確認しているのだろう。

個人的には、毎朝、新聞を読むのが習慣となっていて、
これを崩す気は今のところはない。
月額5,500円の価値があるのかないのか、
ネットが普及した今、突き詰めて考えるとよくわからなくなるが、
今回の値上げを持って即やめようとまでは思わない。

とはいえ、新聞が将来的にも安泰とも到底思えない。
ネットより遅い代わりに質が高い、
というのならいいのだが、
予見の入りまくった、十年一日のごとき論調を展開されては、
新聞離れが加速するのも当然だろう。

新聞には、
部数が減っている状況を直視し、
反省すべきはしっかり反省していただきたい。
どうして読者が離れているのか、よく考えていただき、
さすが新聞、
と思わせてもらえる記事を期待したい。

新聞ファンからのお願いである。
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