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厳しい相場環境ではあったが、ちょっとやられ過ぎ  ~ GPIFが過去最大の損失を計上 ~ [資産運用]

2016年、当時の民進党が、
「年金損失『5兆円』追及チーム」
なるものを立ち上げた。
これは、2015年から2016年にかけて年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用実績が5兆円を超えるマイナスになったことを追求しようという集まりである。
私は、
運用実績を短い期間で評価するべきではないし、
トータルで見れば成果も上がっている状況から、
民進党の動きには懐疑的だった。

今でもその思いは変わっていない。
債券中心から株式中心に運用スタンスを変えたことによって、確かにリスクは増したが、
日本株はともかく、世界の株式は長期での運用成績は良好だし、
年金の将来像を見据えても、
ある程度積極的に行かざるを得ないだろうと考えるからである。
だから、1四半期や1年間の運用で赤字が出ても、それをもって直ちにおかしいとは思わない。

ただ、それにしても、ではある。
GPIFは、昨年10~12月期で14兆8,039億円の運用損が出たと発表した。
四半期ベースの赤字額は過去最大。
これまで最大の赤字額は、15年7~9月期の約7.9兆円だったというから、今回の損失はその2倍近くに及んでいる。
さすがにこれはちょっとやられ過ぎではないか。

確かに、運用が難しい時期ではあった。
この間、日経平均は2割近く下がっていたし、
アメリカ株も同様に下げていた。
多くの投資家もマイナスを計上してしまった時期であろう。
私自身の運用も厳しかったので、状況はよくわかるが、それにしてもマイナス額が大きい。

これまでの通算では運用はプラスになっているし、
株式運用するという方向性自体は間違っていないと思う。
実際、米国で最大級の公的年金基金であるカルフォルニア州職員退職年金基金の投資配分比率でも、GPIFと同様に株式を50%保有することにしている。
投資は長期的な視点で考えるべきで、四半期ごとに一喜一憂すべきではない。
ただし、反省は必要だろう。
今回くらいの相場環境で15兆円の損失では、さらなる急落の際にはどうなってしまうのか、ちょっと心配にもなる。
仕方ない、で済ませておられることはないと思うけれど。

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