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冗談が通じない人にどこまでつき合うか  ~ ロフトのバレンタイン広告炎上問題で思う ~ [ヨモヤ]

生活雑貨店チェーン「ロフト」のバレンタインの広告動画が炎上し、広告の停止が発表された。
このことについては、
「停止は当然」
という意見もあれば、
「なにもそこまで」
という声もあるようだ。

問題となっていた広告は、
5人の女子たちが仲良さそうに恋愛話をしつつ、
実はバックショットでは髪や服を引っ張り合い、憎しみ合っているかのように見える、
というもの。
それほどドギツイ絵でもないし、設定も展開もありそうなもの。
別にエッジが効き過ぎているとも思えない。
しかしこれについて、猛反発する声が殺到したという。
具体的には、
「女性がターゲットなはずなのに女性に喧嘩売ってんの!?」
「女子は本当は女子同士で足を引っ張り合ってるって言いたいの…?」
「女性は陰湿ということ?」
などなど。
こうした事態を受けてロフト側が、
「ご不快な思いをされた方々がいらっしゃったこと、深くお詫び申し上げます」
「配慮を欠いた事を反省し、当該ビジュアルの掲出を停止致します」
として、広告の停止をされたというのが顛末である。

今回の件で思い出すのが、去年あった花王の広告の「ちょうどいいブス」に絡むひと騒動。
「ちょうどいいブス」とは、相席スタートの山崎ケイさんの決め台詞で、その広告にも山崎さん自身が出演されていたのだが、どういうわけか、
「女を外見だけで見るな」
「ちょうどいいブスとは、男目線の発想」
などと批判が殺到し、花王が謝罪する事態に発展した。

山崎さんのケースでは、芸人さんのギャグにさえマジ切れされる方がおられることに驚いたが、
今回のロフトのケースでは、既視感があるちょっとしたジョークにも切れる人がいることを再認識した。

世界は広く、いろいろな方がおられる。
冗談が通じない方もおられる。
企業は、我々は、どこまでこうした方々におつき合いしなければならないのだろう。
人を傷つけたり、人を貶めたりしないような配慮はもちろん必要だが、
笑いには、どうしても「ピリッ」としたものが混じる。
その「ピリッ」が我慢できない人に合わせなければならないとしたら、随分窮屈になる。

企業側には、一度表現したものはできる限り下げてほしくない。
炎上したら下げるというのは、おかしいし、悲しいし、さびしい。
冗談のない世界に暮らしたいとは思わない。
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