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書評 「革命のファンファーレ」 [読書記録]

西野亮廣さんの「革命のファンファーレ」を読んだ。
西野さんは、キングコングという漫才コンビでデビューされた方だが、今の肩書はなんと言えばいいだろう。
キンコン西野、と呼ばれることが今でも多いようだが、キングコングとしての活動はほとんどされていない。
西野さん自身、芸人引退を宣言されたりしている。
しかし、西野さんにとって肩書など無意味なことであろう。

前半から、ツッコミどころの多い本である。
例えば、
「僕より上の世代は、僕より下の世代のように『職業に寿命がある』という体験をしてこなかった」
として、アマゾンによって本屋が潰れる今の時代と昔は違うと主張されている。
そして、それがこの本の前提となっているのだが、
いやいや、ネット登場以前から、いろいろな職業(各種の職人さんや個人店、専門職)が無くなっていましたよ。

また、西野さんが失礼なインタビューを受けて怒って途中退席したことについて、サンジャポで西川史子さんが、
「そんなことタレントだったら日常茶飯事。西野さんも我慢すべき」
と言ったことに対して、
「過労自殺をした方の御遺族の前で同じ台詞を言ってみるといい」
と返されているのだが、はてさて。
何のことだかわからない。

ほかにも、「それはない」「思い込みが激し過ぎ」などなどいろいろ感じるところがある。
そこで、ドン引きになる人も少なくないと思う。
しかし、多くの傷があったとしても、それでもこの本は読む価値があると思う。
学べる要素がいくつもある。
西野さんは、クラウドファンディングや本の売り上げなどで成果を出しており、ビジネス書として、説得力も十分である。

例えば、
・まずは信用を作れ(「西野さんが、それを言う?」と思ってしまうだろうが、読んでみると言いたいことがわかる)
・入口でお金を取るな
・ニュースを出すな、ニュースになれ
・圧倒的な努力が成功を生む
・「ネタバレ」を恐れることはない。人は「確認作業」で動く
・作品と社会を一体化させろ
・他人の時間を使え
などなど、である。

実際に行動に移し、成功に導いているという自負もあってか、文章は力強い。
好き嫌いが分かれる人物であるし、自らそう仕向けているところもあるが、それはともかく一読する価値がある本だと思う。
特に、何かを流行らせようと思っている人にとっては。

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