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映画評 「トラさん~僕が猫になったワケ~」 [映画評]

今さらながらに言うが、映画が好きである。
特に邦画を大切にしている。
いい映画に巡り会うために、選り好みなく観ようと思っている。
大作も低予算も、シリアスもコメディも、ホラーもほのぼのも、
なんでも観ようと思っている。
しかし、時間にもお金にも限りがあるので、多少は映画評を気にする。
毎週金曜日夕刊の日経の映画評は必ずチェックしているし、
Yahooのユーザーレビューや、映画ドットコムやフィルマークスのレビューも読むことがある。
そして、そこで高評価だと、観てみようかな、と思ったりする。
もちろん、こうしたレビューは専門家ではない方々の主観であるし、
明らかに工作員と思われる方の書き込みもあるので、
鵜呑みにはしない。
あくまで参考にする程度である。
ただ、食わず嫌いはしたくないので、評判のいい映画なら、アイドル映画でもコアなファン向けのアニメでも、とりあえずは観ておきたいと思う。

この「トラさん~僕が猫になったワケ~」も、レビューがよかったクチ。
公式サイトのトップページでも、
「フィルマークス初日満足度第3位」
を謳っている。
主演がKis-My-Ft2の北山宏光くんで、初日に観に行っている人の多くは彼のファンであろう。
だから評価が高くなるのは至極当然なのだが、ひょっとしたら本当にいい映画かもしれない。
その可能性はゼロではない。
私はその可能性に賭けた。
レビューの点数が、日に日に下がっているのが気になってはいたが・・・。

北山くん演じる、ちゃらんぽらんに暮らしていた漫画家が急に死んでしまい、猫として家に戻って来ててんやわんや、というお話。
北山くんの猫スーツ姿が話題である。

思いを残して死んでしまった人が現世に期間限定で還ってくる。
映画では定番とでも言うべき、既視感満載の設定である。
猫になって、というのが新機軸ではあるが、目新しさはない。
残念ながら展開も、予想を少しずつ下回る感じで進んでいく。
期待して足を運んだのだが、かなり前半の段階で、
「あ、これはアカン奴や」
とわかる。
なんとか感動の展開に持っていくのだが、ちとしんどい。
レビューの高得点は、ファンによる応援評に過ぎないのではないか、と不安はあったが、悪い予感が的中してしまった。
まあ、仕方がない。
観てみなければわからないのだから。

よかった点は、上映時間が91分と短かったこと。
それでも長くは感じたけれど。

北山宏光くんの演技は普通。
悪くはないが、引き込まれるような光はない。
共演の多部未華子さんの演技は魅力十分。
それでも、この脚本と演出では、頑張れることにも限りがある。

いろいろな映画があるなか、わざわざ「トラさん~僕が猫になったワケ~」を観に行こうという人はそれほどいないだろうから、あえて言うまでもないが、レビューの高評価にはご注意いただきたい。
北山くんと多部さんのファンなら行かれてもよろしいかとは思うけれど。

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