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イチローの実力でのメジャー昇格を祈る [ヨモヤ]

アメリカのスポーツ記者の多くが、マリナーズの日本での開幕戦がイチローの花道になると考えている。
まあ、それはそうだろう。
去年一年、ほぼまるまるプレーしていない45歳の選手が、翌年メジャーに上がってバリバリやれるとは思いにくいから。
「本来は去年で引退だったのだが、日本での開幕戦があるから、そこまで引っ張った。レジェンドにとって、いい幕引きだ」
というとらえ方である。

今年に入って、イチローがマリナーズとマイナー契約を結んだことが報じられたが、
既定路線に乗っただけだから驚きはまったくないし、
目出度いとも思えない。
アメリカでは、
28人のベンチ入り枠がある3月20、21日のアスレチックスとの開幕戦にはメジャー選手として帯同し、
25人枠となるアメリカ本土での開幕戦のときには枠から外れると思われているようだ。

そう考えるのが普通なのだろうが、
日本のファンとしては、イチローの復活をいまだに信じたい。
50歳での現役を宣言しているイチローにとっては、45歳はほんの通過点のはずだ。
日本での開幕シリーズできっちり結果を出し、そのままメジャーに定着する、
そして、休みを挟みながらではあるが一年を通して活躍する、
などという夢を見ている。
そして、ワールドシリーズに出場する、
などということがあったら、
などという夢は膨らむ。

日本での開幕戦が花道、というのは、どう見てもイチローらしくない。
敷かれたレールに乗るなんて。
いろんな人の憶測や予想を、
さらっと乗り越えてほしい。
日本での開幕戦が終わっても、当然のようにメジャーに居座り、
当然のように結果を出し続けてほしい。
常識的には無理だろうが、イチローなら期待していもいいと思う。
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景気回復の実感があったのはいつ? [経済を眺める楽しみ]

政府によれば、現在の景気拡大が、戦後最長となったとのことである。
このところの統計不信も相まって、眉唾ものと思っておられる方も少なくないだろうが、調査結果上はそうなるらしい。

しかし、このことを祝う空気はほとんど感じない。
むしろ
「そんなわけがない」
「かえって生活は苦しくなっている」
といったネガティブな言葉のオンパレードである。

それぞれの方の実感は実感なので仕方がないが、マスコミの伝え方はどうなのだろう。
一定の人数聞いて回って、
「景気回復の実感を持っているのは、どうやら2割くらいのようです」
と報告することに意味があるのだろうか。

前回の景気拡大期には、「実感がある」と答えた人が6割いたとか、
景気後退期には、「景気が拡大している」と答える人は1割にも満たないとか、
比較できる情報を併せて出してもらわないと意味がない。

そもそも、現代の先進国において、大多数の人が等しく景気拡大を実感することなどあり得るのだろうか。

厚生労働省の一件を見ていると、統計データに一喜一憂するのが馬鹿馬鹿しくはなる。
それでも、やはり数字は経済を見る基本である。
我々も報道にふれる際のリテラシーを高めていかなければならないが、マスコミの皆さんにも、是非意味のある情報をお伝え願いたい。
マイナスに伝えた方がウケるのかも知れないけれど。

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映画評 「がっこうぐらし!」 [映画評]

本作は、海法紀光さんと千葉サドルさんによるコミックの実写映画化。
アニメ化もされたので、そちらでご存知の方も多いだろう。
学園ものっぽいタイトルで、実際舞台は学校なのだが、実はゾンビ映画。
噛まれたら感染する、
ゾンビになったら過去の記憶を無くしてさまよい歩く、
ゾンビは知能を使った行動はできない、
ゾンビは数が多いから厄介だが一体一体の戦闘力は意外と小さい、
などのゾンビの定型が踏まえられている。

ゾンビ映画にハズレなし、というのが映画界の言い伝えの一つであると思う。
理由はわからないが、洋の東西を問わず大体面白い。
近年でも、
日本の「アイアムアヒーロー」
韓国の「新感染」
などが楽しかったし、
「桐島、部活やめるってよ」
「カメラを止めるな!」
のように、直接のゾンビものではなくても、ゾンビと関わるだけで映画が面白くなる傾向にある。
だから、本作にもほのかに期待した。

私はたまに、「当たり屋」のように言われることがある。
「面白がって、わざと外れの映画を狙ってるじゃないの」というわけである。
そんなことは全くない。
大切な時間とお金を使って観に行く以上、いい映画であるように願っている。
そして、いい映画である可能性がある作品を観るようにしている。
結果が外れてしまうだけなのだ。
今作も
「よりによって、そんな映画を」
と思われる方がおられるかもしれないが、本気で「面白いかも」と思って観に行った。
期待は、すっからかんに外れたが。

つまらな過ぎて爆睡、
というような作品ではなかったし、
ふざけ過ぎていて怒り心頭、
というものでもなかった。
安っぽすぎる、
という酷さもなかった。
トンデモない設定のトンデモない映画なのに、
なぜか心がざわつかない。
演技も演出も、高くない位置でそれなりで、ゆるゆると時間が過ぎていく。

主役を演じていたのは、アイドルグループ「ラストアイドル」から、オーディションで選ばれた面々。
残念ながら私には光るものは見えなかった。
彼女たちのファンの方々にとっては楽しめる映画になっているのだろう。

「がっこうぐらし!」は、多くの人が予想するとおり、出演しているアイドルたちのための映画。
彼女たちのファンにとっては、大切な贈り物なのかもしれない。
それ以外の方は、ふむ。
お任せします。

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出版不況が止まらない ~ とりあえず、個々の書店が踏ん張るしかない ~ [ヨモヤ]

公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所が、2018年出版市場規模を発表した。
これによると、
紙+電子出版市場は1兆5400億円(前年比3.2%減)、
紙の出版物推定販売金額は1兆2921億円(同5.7%減)
電子出版市場は2479億円(同11.9%増)
と推計されている。
紙の出版物の減少を電子出版の増加でなんとか補っているという状況のようだ。

紙の出版物で減少幅が深刻なのは雑誌。
こちらは前年比9.4%の大幅減である。
速さや鮮度が勝負になる雑誌の世界は、ネットとの闘いにどうしても押されてしまっている。

資本主義社会では、市場規模は拡大し続けないと成り立っていきにくい宿命がある。
成長を前提とした仕組みになっているから、市場が縮小すると軋みが生じる。
紙の出版物は前年比5.7%のマイナス成長だから、その影響はいろいろなところに出てくる。
目に見えるところでは、地域の本屋さんが次々に無くなっている。
出版社の経営も厳しくなっている。
一進一退というわけでもなく、マイナスは14年連続というから、これはもう本当に大変だ。
販売金額は、ピークだった1996年の半分を切ってしまったという。
産業としては相当にキツイ。

残念ながら、出版不況が解消される見込みは低いと言わざるを得ないだろう。
少子化の影響をもろに受けるし、
ネットとの闘いにも押されまくりである。
今年も、来年も、しんどい状況に変化はないと思う。
しかし、個々の本屋の経営は、いろいろな工夫次第でなんとかなる可能性があるように感じる。
もちろん、経営の柱である本の総数に伸びが見込めないのは厳しいが、まだまだ工夫の余地はあるのではないか。

地方に行くと、その土地の本屋さんに行くようにしているが、失礼ながら漠然とお店を開いておられるように見えるところも少なくない。
どういう店なのか、
何を売りたいのか、
どこを見てほしいのか、
他業態のナショナルチェーン店なら当然に考え抜かれていることが、すっかり抜け落ちていると言わざるを得ない本屋さんもある。
工夫をしても、すぐに売り上げにつながることはないかもしれない。
また、いろいろな工夫をしても、立ち行かなくなってしまった書店が少なくないことも理解している。
それでも、まだできることはあると思う。
個々のお店が闘わなければ、本当に未来がなくなってしまいかねない。

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DeNA・筒香の鳴らす警鐘は、本当に野球界の、子どもたちのためになるか [ヨモヤ]

以前に比べ、プロ野球選手が外に向けて発信することが増えてきた。
「まだまだ物足りない」
と思う人もいるだろうし、
「プロ野球選手は、プレーで見せてくれればそれでよく、あまりペラペラしゃべるものではない」
と感じる人もいるだろう。
私は、プロ野球選手も、思うことがあれば、表に出していいと考えている。

このところ、DeNAの筒香さんが、アマ球界に向けていろいろな発言をしている。
先日は、日本外国特派員協会で記者会見を開き、指導者やメディアの意識改革を改めて訴えられた。
こうした活動は意味のあることだろうとは思うが、筒香さんが言っていることがすべて正しいかどうかは冷静に考えてみる必要がある。
勇気のある行動であり、
よかれと思っての発言であるとは思うが、
だからといって、鵜呑みにしていいとは限らない。

筒香さんは、野球人気低下の要因が、勝利至上主義にあるとされている。
報道では、詳細な内容が書かれていないため、
ハマスタは連日満員で、
プロ野球の観客動員も史上最多を記録するなか、
何をもって野球人気が低下していると判断されているのか不明だが、
おそらく野球部員の減少についてなのだろう。
これについては、子どもの数自体が減っているので、野球部員の絶対数が減ったとしても当然のことであり、減っている度合いが他の競技より多いかどうかは検証が必要だろう。
また、勝利至上主義が最近始まったとも思えないし、
スポーツの選択肢が増えているという面もある。
勝利至上主義がいいか悪いかはさておき、野球人気低迷の原因であると決めつけるのは、早計であると言わざるを得ない。

また、
「プロ野球選手のように体ができた大人ですらリーグ戦なのに、体のできていない小さい子供たちがトーナメントをしている。勝ち上がるほど日程がタイトになり、肉体的負担が増え、メンバーも固定されやすい」
とも発言されたという。
報道内容に大きな省略があるのか、わかりやすくするためにこんな発言になっているのかよくわからないが、ちょっと無茶苦茶である。
プロがリーグ戦をやっているのは、身体を守るためではなく、試合数を増やすためである。
試合数が増えないと、プロとして食べていけない。
6チームならリーグ戦も可能だが、1県に数十校以上ある高校野球において、リーグ戦で代表を決めることができるはずもない。
そもそも、リーグ戦にすれば試合数が増えて、一層負担が増えるだろう。

球数制限についても言及している。
子どもを守る、というのが筒香さんの趣旨で、その思いを否定する人は誰もいないだろう。
しかし、このブログでも何回か書いたが、筒香さんのようにプロに入って野球を続けられる人間は、本当にごくごく一部である。
ほとんどの子どもたちは、学生時代の野球で完全燃焼する。
「子どもを守る」という大人たちの自己満足によって、子どもたちの夢を奪うことがないように願いたい。

さらに筒香さんは、甲子園に関する報道について、
「新聞社が高校野球を主催しているので、子供にとって良くないと思っている方はたくさんいると思うが、高校野球の『悪』というか、子供たちのためになっていないという思いをなかなか伝え切れていないのが現状かなと思う」
とも述べたという。
これも、勇気ある発言として称賛されそうだし、確かにそういう面もあるとは思う。
一方、日本の野球がこれまで大きな支持を獲てきた背景として、甲子園という存在があったのも事実だろう。
甲子園が今のような一大イベントでなければ、
子どもたちの野球への思いも高まらず、
よってレベルも向上せず、
女性人気も含めた一般的な関心も盛り上がらないだろう。
子どものために、だけにとどまらず、甲子園の意義や意味も併せて考えたいところである。

筒香さんの思いに、わかる部分もある。
しかし、
「よく言った」
とは思えないのも正直なところである。

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特別監察委員会報告書の「たたき台」を自ら作成する厚生労働省の感覚 [ヨモヤ]

厚生労働省による勤労統計の不適切調査問題については、1月11日付のこのブログでも取り上げたが、事態はその後鎮静化するどころか、ますます悪化している。
https://matoko.blog.so-net.ne.jp/2019-01-11

統計に不備があったのは、どうやら勤労統計だけではなく、多くの省庁に及ぶようだ。
56の基幹統計中、7省庁が調査する22の統計で31件の問題が見つかったというのだが、こうズルズル出てくるようでは、
「国の示す統計調査は基本信用しない方がいい」
とさえなりかねない。
国民の一人として、恥ずかしい。

せめてこの機会に膿を出し切り、新たなスタートを切りたいところだが、厚生労働省の自浄作用には期待ができないようだ。
それは、特別監査委員会での調査報告をめぐるドタバタではっきりしてしまった。

特別監察委員会は、設置から報告書を取りまとめるまで7日間しかかけていないことで、まず批判を受けた。
しかし、時間が短くても、専門家がしっかりした調査をしていたのなら問題はない。
だが中身を見たところ、
・一部職員の聞き取り調査を厚労省職員が担っていた
・抽出調査にしていた理由を「都道府県からの要望」と主張する職員の聞き取りをそのまま報告書に記載していたが、自治体から聴取をしていなかった
などの実態が浮かび上がった。
これでは、とても第三者機関による、専門的な調査とは言えない。
不適切調査に関する調査が不適切という、もはやジョークのような展開である。

さらに、報告書の「たたき台」を厚生労働省自身が作っていたとあっては、調査の客観性にさえ疑問が生じる。
これだけの大問題になっているのに、こうした調査の仕方でなんとかなると考えている感覚も理解に苦しむところである。

根本厚生労働大臣は特別監察委員会の調査を追加で行うことを明らかにされた。
追加調査は当然であるが、大いにミソをつけてしまった同委員会による調査に期待する人はほとんどいないだろう。
では、どうしたらいいのか。
これは、本気になって考えていただくしかないと思う。
時間がかかっても、
手間がかかっても。
真正面から。

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映画評 「マスカレード・ホテル」 ~ 木村拓哉さんに見惚れよう ~ [映画評]

木村拓哉さんが主演される映画では、木村さんの演技に過剰な注目が集まる。
そして、アンチと言われる方々なのだろうか、必ずと言っていいくらい、
「大根」
「いつも同じ演技」
「何をやってもキムタクはキムタク」
などと評される。

私は、木村さんのことを、凄いと思う。
20年以上、
人気を保ち続けているというレベルではなく、
日本の男の中でトップで居続けているというのは、本当にとんでもないことだ。
キムタクであり続けることには、
どんな喜びや苦しみがあるのだろう。
素人にはもちろんだが、芸能人でも計り知れないレベルの境地だろう。

本作「マスカレード・ホテル」にも、数多くの俳優さんが出演されているが、映画を引っ張るのはあくまでも木村さん。
またぞろ、その芝居にいろいろ文句を言う人もいるだろうが、キムタクという存在から目を離せないのは、アンチも含めて同じこと。
木村さんの輝きは、今もまばゆい。

お相手は、長澤まさみさん。
長澤さんも、木村さんほどではないが、長く人気女優の座を保っておられる。
この二人の顔合わせ、というだけで華やかな空気になる。

他の出演者は、この手の作品にありがちであるが、スター競演といった感じ。
例えば、
小日向文世さん、濱田岳さん、笹野高史さん、髙嶋政宏さん、
菜々緒さん、生瀬勝久さん、宇梶剛士さん、橋本マナミさん、
といった面々である。
前田敦子さんと勝地涼さんは夫婦で共演しておられ、ちと皮肉な役を振られている。
松たか子さんは、キムタク映画の常連。
渡部篤郎さんはいつもどおりの演技で、それが求められているのではあろうが、どうしてもコミカルな空気が漂ってしまう。

こうしたスターの顔見世興行的な作りは、いかにもテレビ的であり、
映画ファンのひんしゅくを買いがちである。
今作では、こうした手法が成功しているとまでは言いにくいが、にぎやかではある。
シリアスに観る映画でもないのだから、別にいいのではないかと思う。

「マスカレード・ホテル」は、サスペンス若しくはミステリーといったジャンルに属するのだろうか。
しかしまあ、その割にはドキドキもハラハラもそれほどはない。
犯人を追い詰めるエクスタシーも特には感じない。
トリックにも説得力がない
こうした点は、本来なら大きな減点であるが、多くの人がそこをそんなに求めてはいないと思う。
キムタクと長澤さんがしっかり映っていれば、それでいい。
あまり目くじらを立てることもない。
映像はしっかりしているし、
「ア・ボーイ・ミーツ・ア・ガール」的なストーリーにもなっている。
これはこれで楽しめる。

「マスカレード・ホテル」は、安心して楽しめる、ある意味典型的な日本映画。
木村さんは、しっかり期待に応えているし、
監督さんも、求められているものを理解されている。
映画にプラスアルファを求められている方にはお勧めできないが、2時間楽しみたい方にはうってつけ。
これはこれでいい。
これはこれで十分だと思う。

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書評 「1964年のジャイアント馬場」 [ヨモヤ]

柳澤健さんの「1964年のジャイアント馬場」を読んだ。
著者は、「1976年のアントニオ猪木」を書いた方でもあり、豊富な知識と綿密な取材によるノンフィクション作品となっている。
単行本が出たのは2014年だが、ここで文庫化されたということで手に取った。
750ページを超える大部だが、馬場さんの本とあっては、素通りもできない。

馬場さんについてだから、いくらでも書くことはあるだろうけれど、それでも750ページはすごいなあ、と思って読み始めたのだが、かなりの部分が馬場さんと関係のないアメリカプロレスの話。
フレッド・ブラッシーや、バディ・ロジャースや、ルー・テーズや、カール・ゴッチといったレスラーの逸話に、多くのページを割いている。
プロレスファンなら興味深く読めるとは思うが、馬場さんについての話だけが読みたいという人は、我慢を強いられることになる。

この本の特徴の一つは、タブーとされているようなプロレスの内側を赤裸々に書いていること。
「それを言ったらおしまいだなあ」
ということが、ズビズバ書かれている。
純粋なプロレスファンが読んだら(そんな人がいるとしてだが)、大きなショックを受けてしまうかもしれない。
なので、プロレス好きでも、初心者的な人は避けた方がいいかもしれない。

これだけ分厚い本を書くのだから、馬場さんのことが嫌いではないだろうと思うが、馬場さんへの辛辣な言葉も述べられている。
力道山に至ってはケチョンケチョンである。
猪木さんについても言うべきことは言っているので、公平ではあるが。

プロモーターとしての馬場さんは評価されても、
プロレスラーとしての馬場さんはあまり評価されていない気がする。
この本を読むと、若き日の馬場さんのすごさがわかる。
素晴らしいレスラーだったのだ。
そして、その後、どうして猪木さんに押しまくられたのかも理解できる。

鶴田さんや三沢さん、天龍さんのこともしっかり語られているので、全日本ファンには嬉しい。
鶴田さんは厳しく書かれているが。

私は、物心ついたころから、馬場さんが好きだった。
猪木さんには、なぜか心が動かなかった。
馬場さんと、馬場さんがいた頃の全日本プロレスには、感謝の気持ちでいっぱいである。
辛いとき、三沢さんの入場テーマ曲を聴いて、自分を奮い立たせたりする。
あれやこれや、決して消えない感謝の気持ちでいっぱいである。
プロレスがあってよかった。
プロレスファンでよかったと思う。

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映画評 「ミスター・ガラス」 [映画評]

「シックス・センス」で衝撃的に映画界に登場し、
現代のヒチコック
と言われることの多いM・ナイト・シャマラン監督。
しかし、日本での知名度はそれほど高くないのが実情ではないだろうか。
ヒット作を連発しているというわけでもないから、それもやむを得ない。
どんでん返しが楽しい監督だが、駄作も作ってしまうタイプである。

私は、「シックス・センス」より、その次に公開された「アンブレイカブル」が好きだった。
以来、シャマラン監督作品は極力見るようにしている。
ガッカリすることも少なくないが、「アンブレイカブル」に免じて、期待値を保っている。

さて、本作「ミスター・ガラス」は、2017年に公開された「スプリット」という映画の続編であると同時に、
私の大好きな「アンブレイカブル」の続編でもある。
まったく別の2作品の続編を1本にまとめてしてしまうあたり、シャマランの面目躍如である。
予備知識無く観に行った「スプリット」の最後で、続編が作られ、「アンブレイカブル」と融合すると知らされたときはえらく興奮した。

ファンとしては絶対に失敗してほしくない作品だが、
かなり世界観の違う二つの作品の融合だし、
もともとかなり無理があるし、
シャマランだし、
ということで、スベる覚悟もして観に行った。
結果、
「ううむ、まあまあかなあ」
という感じだった。

タイトルどおり、今回の主役は「ガラス」と呼ばれる男。
サミュエル・L・ジャクソンが、ノリノリで演じている。
悪役なのだが、極端に体が弱い設定になっている。
「スプリット」で圧巻の演技を見せたジェームズ・マカヴォイも相変わらず飛ばす。
「アンブレイカブル」で主役だったブルース・ウィリスも健在だが、
スーパーヒーロー役をやるのは、さすがに年齢的にきついか。
この3人以外で目立っていたのは、アニャ・テイラー=ジョイという若手女優。
殺伐とした空間に潤いを与えていた。

多くのシャマラン監督作品でそうだが、今作も設定が陳腐。
登場人物の行動にも意味不明なものが多い。
しかし、この映画は、オールスター総出演のある種お祭りのようなもの。
ちっちゃいことは気にしない。
オチも、「はにゃ?」という感は否めないのだが、
「アンブレイカブル」ファンとしては許してしまおう。

しかし、「アンブレイカブル」も「スプリット」も観ていない人は、あまり楽しめないかもしれない。
また、両方を観て、とことん期待を高めてしまうと、それはそれで肩すかしかもしれない。

「ミスター・ガラス」は、シャマラン世界を楽しむ人へのプレゼント。
ツッコミどころ満載だが、
独特の時間の流れにゆっくりつかろう。
ゆかりのない人には、ちょっときついかしら。

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国民から信頼されていない国家公務員  ~ この結果をどう受け止められるか ~ [ヨモヤ]

1月21日付の日本経済新聞に、日経リサーチが行った郵送世論調査の結果が大きく取り上げられていた。
「何歳まで働くつもりか」
「外国人が増えることについてどう思うか」
「日本の強みは何か」
「資産の運用先はどこか」
など、かなり広範囲にわたる設問が用意されていたようだ。

中で、私が注目したのは、「機関や団体に対する信頼度調査」である。
対象となっていたのは、
国会議員、国家公務員、警察、裁判所、検察、教師、自衛隊、マスコミの8機関・団体。
設問は、
『日本の機関や団体をどの程度信頼できますか。お気持ちに近いものをそれぞれお選びください。』
というもので、
選択肢は、
・信頼できる
・どちらかといえば信頼できる
・どちらともいえない
・どちらかといえば信頼できない
・信頼できない
の5つである。

この調査で、最も信頼度が高かったのが自衛隊で、唯一「信頼できる」が50%を超えていた。
逆に最も「信頼できない」が多かったのが国会議員で、こちらも唯一「信頼できない」が50%超えとなっていた。
また、特に若い層はマスコミへの信頼感が非常に低いようだ。

残念だったのは、国家公務員に対する信頼度が非常に低かったこと。
調査結果は、
・信頼できる            2%
・どちらかといえば信頼できる   18%
・どちらともいえない         44%
・どちらかといえば信頼できない  20%
・信頼できない           11%
・無回答               4%
というものであり、
「信頼できる」という意見は、わずか2%、「どちらかといえば信頼できる」を足しても、20%に過ぎなかった。

この調査結果を見て、国家公務員の方々はどう思われるのだろう。
「これはまずい」
と危機感を持たれるだろうか。
「そんなバカな」
と納得できない気持ちを持たれるだろうか。
それとも、
「どうせ理解出来っこない」
と上から目線だろうか。

国家公務員の方々が、天下国家のために、不人気な政策でも歯をくいしばって実施された末にこの調査結果なら、ある意味本望かもしれない。
しかし、現状で国家公務員が信頼されていない理由は、それとはまったく別の次元である。
人々は、後から後から湧いてくる不祥事に嫌気がさしているだけではなく、
本当に国民のことを見ているのだろうかと、疑っているのである。

国家公務員のみなさんには、
「どうせ自分たちのことは、わかってもらえっこない」
と開き直るのではなく、この調査結果を真摯に受け止めていただけることを祈る。
国民に信頼されていないのは、実に悲しいことだと思う。

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