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三角関数に限らず高校生が学習する科目を検討すべきでは [ヨモヤ]

1月1日に放送されたAbemaTVの番組内で、橋下徹さんが
「三角関数なんて大人になってから使ったことがない。国民全員が絶対に学ぶべき義務教育と、さらに深く勉強する教育は分けて、後者は選択制にすればいい」
と発言したことをきっかけに、
「三角関数必要か論争」
が盛り上がっている。

橋下さんは、
「三角関数は生きて行くために絶対に必要不可欠な知識じゃない」
「今はあまりにも『死に知識』が多いシステム」
と主張されている。
これに対して、三角関数必要派の方々からは、
「必要だったかどうかは本人が学習してからじゃないとわからないはず」
「自分が使わないからといって必要ないというのはおかしい」
「興味や面白みを感じない生徒は学ぶ必要がないって、教育なんかしなくてよいって言っているようなもの」
といった反対意見が出されている。

何を教えるかという問題は、高等教育の今後を考えるうえで大切な論点であり、たまたまではあるが今回の論争を、議論を深めるきっかけにしたいところである。
三角関数に限定することなく。

使うかどうかに限定してしまえば、
日々の生活や仕事において、三角関数なぞ使いはしないという人が圧倒的多数だろう。
もっと言えば円周率だって、三角形の合同だって使いはしない。
しかし、使わないからいらないという話だけにしてしまうと、
古文も漢文も、世界史も、理科も、
さらに言えば、書道も鉄棒も跳び箱も、
ほとんど何もいらなくなってしまう。
だから、使わない=いらない、ということではない。
橋下さんもそんなことはおっしゃっていないだろう。

ここで読了した落合陽一さんの「日本進化論」にも、
「日本の教育に『多様性』を」
という一節があり、教育の見直しを主張されている。

おそらく三角関数必要論者の皆さんも、
「日本の高等教育がイケテナイ」
という点では同意見ではないだろうか。
本当に頭のいい人は逆に「意味がない」と脱落し、
理解できない人や関心が持てない人には何の意味もない情報になっているという状況がある。

教育となると、自分が受けてきたものをどうしても基準に考えてしまうし、
なにやらイデオロギー的なものも混じってしまい、
落ち着いた論議が出来なくなってしまいがちである。
しまいには個人攻撃になったりして。
しかし、高等教育をどうするかということはこれからの日本を考えるうえで非常に重要な課題であり、
ほとんどの人が今のままではいけないと思っている事案でもある。
ちゃんと考えて、
ちゃんと議論して、
ちゃんと直していきたいところである。

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日本の未来を明るくするも暗くするも自分たち次第  ~ 新成人の63%が日本の未来を「暗い」というが ~ [ヨモヤ]

マクロミルというマーケティングリサーチ会社が、毎年新成人にアンケート調査を行っている。
今年で12年目になるという。
その調査によれば、
日本の未来について、
「明るいと思う」と答えた人は37%、
「暗いと思う」と答えた人は63%、
だったとのことである。
これについて、
何かにつけてネガティブに書きたいメディアは、
「新成人 未来は『暗い』が63%」
と表現し、
プラスに評価したいメディアは、
「新成人 未来は『明るい』が2年連続上昇」
と伝える。
どちらも本当であるが、ニュアンスはだいぶ変わる。

「明るい」と答えた新成人が37%であるのはずいぶん少ない気がするが、上に書いたように2年連続の上昇であり、
2009年や2011年当時は20%を割り込んでいたことを考えれば、
それほどひどい数字ではない。
それでも、3分の2近くが「暗い」と答えていることに変わりはないが。

ちなみに、明るいと答えた人の理由には、「2020年東京オリンピック」「2025年大阪万博」「景気回復のニュースを見聞きする」といった回答が目立ち、
暗いと答えた人の理由では、「少子高齢化への不安」や、「政治問題」などが多く挙げられていたという。
さらに、日本の政治への期待を尋ねたところ、
78%が期待できないと答えたとのことである。

そう言いたくなる気持ちはわかる。
しかし、他の国からは日本の政治は安定していてうらやましいと思われていることも忘れてはなるまい。
また、成人したということは、政治家を選ぶのも政治家になるのも、自分たち次第ということである。
人ごとのように期待できないと言っている場合ではない。

もちろん、これは軽い気持ちで答えたアンケートの結果であり、自分たちでなんとかしようという気持ちを持っている人も少なくないと思う。
だって、この国を明るくするも暗くするも、自分たち次第なのだから。
もう、庇護を必要とする子どもではないのだから。
この国を駄目だというのは、自分や自分の親、自分の周りの人を駄目だというようなものなのだから。
この国に期待できないというのは、自分に期待できないというようなものなのだから。

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