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映画評 「世界一と言われた映画館」 [映画評]

新しい年になり、「邦画で何かいい映画がないかなあ」と物色してみたが、これがなかなか見つからない。
正月映画の主役は、「シュガーラッシュ」「ファンタビ」「ボヘミアン」「アリー」といった洋画勢。
邦画では「ドラゴンボール」が気を吐いているが、こちらにはあまり食指が動かない。
いろいろ探した結果「世界一と言われた映画館」という映画に魅かれた。
映画好きとしては、映画館も気になるものだ。

映画は、以前山形県酒田市にあった映画館「グリーン・ハウス」のドキュメンタリー。
タイトルの「世界一と言われた」というのは、映画評論家の淀川長治さんがその設備の素晴らしさを称えてそうコメントしたことに由来している。
「ムーンライト・セレナーデ」が流れ、
豪華のロビーで出迎え、
少人数でくつろげるサロンのような部屋もあったという。

しかし、「グリーン・ハウス」は酒田大火の火元となってしまう。
この火事で焼失した面積は22.5ha。
東京ドームの面積が約4.7haだから、その火災の範囲の大きさがわかる。

さて、映画の内容だが、これがなんとも・・・。
期待していたのは、
グリーン・ハウスがどんな映画館だったのか、
どんな工夫がなされていたのか、
どんな人がどんな思いで作ったのか、
どんな人が働いていたのか、
大火のあと火元となった責任をどのように果たそうとしたのか、
といったことだった。
なぜ山形県の酒田市に、そんなすごい映画館が生まれたのか、
その映画館を作った人はどんな生涯を送ったのか、
といったことも知りたかった。

しかし、映画は、
酒田大火に立ち向かった元消防士、
当時よくグリーン・ハウスに通っていたという人、
近くに住んでいた人、
などの話に終始していた。
そういう人の話もあっていいが、映画にすべきはそこではないのでは・・・。
正直なところ、睡魔との厳しい戦いとなった。
約1時間の短い映画なのだが、私はその戦いに押されっぱなしだった。
新年第1弾の映画で、睡魔と戦わされるとは。

まあ、この映画を選んだのは私ですので、はい。
1,100円と、少しお得な入場料だったので、はい。
いや、それにしても、とは思うけれども、はい。


インタビューされる人の一人として、上々颱風の白崎映美さんが出演されていた。
白崎さんは酒田市の出身で、大火で家が焼けてしまったのだという。
現在、酒田市内にあるキャバレー「白ばら」の再生に努めておられるそうだ。
かなり古い映像だが、上々颱風のライブの様子を貼っておく。
二人の女性ボーカルのうち、向かって左側が白崎さんである。
https://www.youtube.com/watch?v=uad2dhE_SF4

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