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映画評 「マスカレード・ホテル」 ~ 木村拓哉さんに見惚れよう ~ [映画評]

木村拓哉さんが主演される映画では、木村さんの演技に過剰な注目が集まる。
そして、アンチと言われる方々なのだろうか、必ずと言っていいくらい、
「大根」
「いつも同じ演技」
「何をやってもキムタクはキムタク」
などと評される。

私は、木村さんのことを、凄いと思う。
20年以上、
人気を保ち続けているというレベルではなく、
日本の男の中でトップで居続けているというのは、本当にとんでもないことだ。
キムタクであり続けることには、
どんな喜びや苦しみがあるのだろう。
素人にはもちろんだが、芸能人でも計り知れないレベルの境地だろう。

本作「マスカレード・ホテル」にも、数多くの俳優さんが出演されているが、映画を引っ張るのはあくまでも木村さん。
またぞろ、その芝居にいろいろ文句を言う人もいるだろうが、キムタクという存在から目を離せないのは、アンチも含めて同じこと。
木村さんの輝きは、今もまばゆい。

お相手は、長澤まさみさん。
長澤さんも、木村さんほどではないが、長く人気女優の座を保っておられる。
この二人の顔合わせ、というだけで華やかな空気になる。

他の出演者は、この手の作品にありがちであるが、スター競演といった感じ。
例えば、
小日向文世さん、濱田岳さん、笹野高史さん、髙嶋政宏さん、
菜々緒さん、生瀬勝久さん、宇梶剛士さん、橋本マナミさん、
といった面々である。
前田敦子さんと勝地涼さんは夫婦で共演しておられ、ちと皮肉な役を振られている。
松たか子さんは、キムタク映画の常連。
渡部篤郎さんはいつもどおりの演技で、それが求められているのではあろうが、どうしてもコミカルな空気が漂ってしまう。

こうしたスターの顔見世興行的な作りは、いかにもテレビ的であり、
映画ファンのひんしゅくを買いがちである。
今作では、こうした手法が成功しているとまでは言いにくいが、にぎやかではある。
シリアスに観る映画でもないのだから、別にいいのではないかと思う。

「マスカレード・ホテル」は、サスペンス若しくはミステリーといったジャンルに属するのだろうか。
しかしまあ、その割にはドキドキもハラハラもそれほどはない。
犯人を追い詰めるエクスタシーも特には感じない。
トリックにも説得力がない
こうした点は、本来なら大きな減点であるが、多くの人がそこをそんなに求めてはいないと思う。
キムタクと長澤さんがしっかり映っていれば、それでいい。
あまり目くじらを立てることもない。
映像はしっかりしているし、
「ア・ボーイ・ミーツ・ア・ガール」的なストーリーにもなっている。
これはこれで楽しめる。

「マスカレード・ホテル」は、安心して楽しめる、ある意味典型的な日本映画。
木村さんは、しっかり期待に応えているし、
監督さんも、求められているものを理解されている。
映画にプラスアルファを求められている方にはお勧めできないが、2時間楽しみたい方にはうってつけ。
これはこれでいい。
これはこれで十分だと思う。

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