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2018年の邦画を個人的に振り返る ~ その1 いい映画編 ~ [映画評]

新年恒例、去年見た邦画の振り返り。
2018年に観た映画は80本ちょっと。
映画マニアと言えるほどの数字ではないと承知しているが、一介の映画ファンとしてはそこそこだろう。
そのほとんどが邦画であるが、見逃した作品も多々あると思う。
その中には、きっといい作品もあったのだろう。
だから、あくまでも個人的な総括である。
「いい映画編」と「あれまあ映画編」に分けて書くとして、まずは「いい映画編」。

私が選ぶ2018年の邦画10本は、
「ちはやふる -結び-」
「カメラを止めるな!」
「ペンギン・ハイウェイ」
「孤狼の血」
「犬猿」
「響-HIBIKI-」
「万引き家族」
「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
「モリのいる場所」
「あの頃、君を追いかけた」

「ちはやふる」には、個人的な思い入れが強過ぎて、まっとうな評価が出来なくなっている面もなくはないが、それを差し引いてもいい映画だった。
上・下・結びと3本続けて良作に仕上げられ、うたい文句ではなく本当に「青春映画の金字塔」になった。
広瀬すずさん、野村周平くん、新田真剣佑くんをはじめ、
上白石萌音さん、矢本悠馬さん、森永悠希くん、松岡茉優さん、優希美青さん、清原果耶さん、佐野勇斗くん、賀来賢人さん、
といった出演陣については、これからずっと我が子の成長を見守るような気持ちが消えないと思う。

予想をはるかに超える超絶大ヒットとなった「カメラを止めるな!」は、たまたま公開初日に観て、その面白さにぶっ飛ばされた。
知り合いを誘ってツアーを組んで観に行ったりなど、思い出に残る作品になった。
また、連日の舞台挨拶など、映画のプロモーションの新しい形を提示されたように思う。

「ペンギン・ハイウェイ」は、2018年の夏に観るべき一本。
胸がキュっとなる。
細田監督の「時をかける少女」のように。
これ、観なきゃ損。

「孤狼の血」は、日本映画の伝統を継ぐ任侠もの。
役所広司さんと松坂桃李さんの絡みもすさまじかった。
怖い映画なので気をつけて。
続編が作られるというが、成功を祈りたい。

「犬猿」は、救いがないところがよかった。
吉田恵輔監督作品では、「ヒメアノ~ル」の評価が高いが、私は「犬猿」の方が断然好きだ。
悲惨さも突き詰めれば笑いになる。

「響-HIBIKI-」は、是非多くの人に観ていただきたい作品。
欅坂46の平手友梨奈さん主演ということで、アイドル映画のようにとらえられたかもしれないが、見どころ満載のエンタテインメントに仕上がっている。
最初から最後まで緩むところなく面白い。
続編を熱望。

「万引き家族」は、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得した作品。
高い芸術性を保ちつつ、大衆にも訴える力がある。
非の打ち所がない作品だが、それでいて息苦しくない。

「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」は、年末に観た。
原作とはかけ離れた話だが、よくぞ映画に仕上げたと思う。

「モリのいる場所」は、不思議な映画。
はまらない人もおられるかもしれないが、私にはピッタリ。
本作のほか、2018年に公開された樹木希林さんが出演された映画「万引き家族」「日日是好日」は、どれも好評を博した。
すごい方だった。

10番目に入れたのが、「あの頃、君を追いかけた」。
台湾映画のリメイクで、そちらを観た人は、きっと台湾版の方がずっとよかったと言うだろう。
欠点の多い映画で、つまらない、わけがわからない、不真面目、と思う人も多いだろうし、そうした評も十分理解できるが、たまたま私は胸に刺さった。

惜しくも10本に漏れたのは、「若おかみは小学生!」(泣ける)、「勝手にふるえてろ」(松岡茉優さんがいい)、「止められるか、俺たちを」(なんとも熱い)などの作品である。
いつも大ヒットする「名探偵コナン」だが、「ゼロの執行人」は映画としてもそれなり。
その他、「恋は雨上がりのように」「OVER DRIVE」「羊と鋼の森」といった映画も楽しめた。

さて、もちろん、大変なことも多いだろうが、邦画をめぐる環境は悲観一色ではないと思う。
メジャー作品には、漫画原作やテレビドラマの映画化といったパターンが並ぶが、そればかりではなくしっかりした作品も作られている。
いい作品はちゃんと評価される可能性が高い。
また、「カメラを止めるな!」の大ヒットは作り手に大きな勇気を与えたはずだ。
ただ、明らかに酷い作品も散見される。
そちらは、後日「あれまあ映画編」で紹介するが、映画自体を貶めるような作品を公開するのは、なんとかやめてもらいたい。

2019年も、いい邦画に出会えますように。
熱い魂に触れられますように。
映画の神様にお願いする。

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