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罪が重い厚生労働省による勤労統計の不適切な調査 [ヨモヤ]

国や地方の行政については、風当たりが強い。
「ちゃんと考えているのか」
「税金分働いているのか」
など、疑心暗鬼で見られている。
しかし、ギリギリのところで信頼が保たれているのは、
「少なくとも、意図的な不正はしないはず」
と思っていただいているからであろう。
そこが崩れたら、何も信じてもらえなくなる。

厚生労働省が調査している毎月勤労統計の調査が、不適切であったことが大きな問題となっている。
・国の政策を決めるうえでの基本的な統計数字が出鱈目だった
・そのため、雇用保険の失業給付などが長期間過少給付となっていた
というのだから、深刻な話である。
各方面から強い批判の声が上がっているが、当然だろう。

それでも、
・ついうっかりしていた、
・ごく一部の担当者のみが関わり、ブラック・ボックス化していた、
というのなら、困ったものだが、あり得る話である。
しかし、今回の件については、
・15年間も不適切な調査が続けられており、
・担当者間でそれが引き継がれてきて、
・不適切な調査を誤魔化すための改変ソフトも作成していた、
となっては、一体どういうことなのか。
報道されているとおりだとすれば、
時代を超えて組織ぐるみで不正をしてきたと言われても仕方がない。
なんということか。

本件に関し、
「行政の統計部門の手薄さが背景にあり、統計部門の拡充を図るべきだ」
との意見もあるようだ。
その点については、かねてから指摘されていたが、今回の案件は不適切な調査を続けるためにわざわざソフトを作成するという余計なひと手間をかけており、人員不足によるという同情がしにくい。

医療、福祉、労働と、厚生労働省の管轄範囲は広い。
そして、責任も重い。
しかし、統計調査を誤魔化すような省庁では、何を言っても説得力がなくなってしまう。
さらに、
「厚労省がやっているなら、ほかの省庁も似たようなことやってんじゃないの」
「国がやってるくらいだから、自治体だって当然同じようなことやってんじゃないの」
という疑念を起こさせる点でも罪が重い。
ほとほと。

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