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名古屋市で性的少数者に関する意識調査  ~ その割合にばかりとらわれることなく ~ [ヨモヤ]

性的少数者に関する意識調査やアンケートについては、これまでも何回か行われてきた。
そしてそのたびに、どのくらいの割合でそうした方がおられるのかが注目されてきた。
ちなみに、
2015年に電通が行った「LGBT調査2015」では7.6%、
2016年に株式会社 LGBT 総合研究所(博報堂DYグループ)が行った調査では8.0%、
2016年に日本労働組合総連合会が行った調査でも8.0%だった。
これらが押しなべて8.0%前後だったことから、
日本には人口の約8%の性的少数者がいる、
クラスに一人か二人はいる計算、
といったことが言われるようになった。

ふむ。
個人的な経験と実感からは、
「8.0%はちょっと多いんじゃないかな」
と思ったが、調査結果だから納得するしかない。

2018年度、名古屋市が、市民1万人を対象に性的少数者に関する意識調査を行った。
自治体による性的少数者に関する調査としては、最大規模であろう。
こちらによると、回答を得た約4,700人の1.6%に当たる76人が、自身が当事者だと認めたとのことである。
単純計算でいけば、名古屋市の人口が約230万人なので、1.6%として市内に4万人近い当事者がおられるということになる。
名古屋市だけで4万人というと相当な人数に思えるが、2%弱という数字は、実感に近い気がする。

ここまで書いてきたように、こうした調査では、どうしても当事者の数や割合に注目が集まりがちである。
それはある程度仕方がないことでもあろう。
「少数者」だけに、どのくらいおられるのか気になる。
しかし、そこばかりに注目が集まるのもどうかと思う。
一定数おられることは、もともと自明のことなのだから。

どれだけおられるかではなく、
性的少数者の方々に対し、社会として何ができるのか、
社会として、何をすべきなのか、
といったことを探りたい。
一方、
そこまではしなくてもいい、若しくはするべきではない、というところも併せて考えたい。

残念ながら、今すぐに性的少数者の方の息苦しさや辛さが解消されるようになるとは思えない。
一歩ずつ進んでいくしかない。
だからこそ、その一歩を正しい方向に進めたい。
意識調査が、そのために有効に使われますように。

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