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毎年当たらないので今年も当たらないと思いつつ参考にする「経営者が占う2019年 株価・景気」 [経済を眺める楽しみ]

元日の日本経済新聞恒例の特集に、
「経営者が占う20××年 株価・景気」
というものがある。
その年の株価や経済成長率の見込みについて、日本を代表する経営者が予想するというものである。
今年も、
信越化学工業の金川会長、
富士フィルムHDの古森会長、
ユニ・チャームの高原社長、
サントリーHDの新浪社長、
といった錚々たる面々が占っておられる。

ただし、去年も書いたが、この豪華メンバーの予想が当たるかというと当たらない。
日経平均株価予想についての経営者の予想は、
2016年は、高値22,300円 安値18,000円だったが、
実際には、高値19,600円、安値14,800円、
2017年は、高値21,750円、安値17,500円だったが、
実際には、高値23,400円、安値18,200円、
2018年は、高値25,440円、安値21,200円だったが、
実際には、高値24,448円、安値18,948円だった。
2018年の高値についてはかなり近い予想になっているように見えるが、多くの経営者が年末に向けて株価が上昇すると見ていたのに、実際には年末に最安値をつけたから、見立ては全く違っていたと言わざるを得ない。

しかし、外れるから意味がないかと言えば、必ずしもそうではない。
主要企業のリーダーが実体経済をどのようにとらえていて、これからどのような景気状況になると考えているか、どのような企業が有望と見ているか、などを知ることは、仕事にも投資にも参考にできるだろう。

さて、気になる2019年株価予想だが、
高値予想の平均が23,925円、
安値予想の平均が19,110円、
となった。
下値を18,000円と予想されている方もおられるが、こちらは少数派。
2018年の予想よりは弱気になったが、それでも下げ幅は限定的と見ておられるようだ。

有望銘柄は、トヨタ、信越化学、ソニー、ダイキン、日立といったところ。
ちなみに去年選ばれていた有望銘柄もかなり似通っていて、トヨタ、信越化学、伊藤忠、ダイキン、日立といった面々だった。
これらの企業の2018年の年初からの騰落率を見ると、
トヨタ △12%
信越化学 △28%
伊藤忠 △12%
ダイキン △14%
日立 △32%
と全敗だった。
業績と株価は必ずしも一致しないので仕方がないとは言え、経営者のオススメ銘柄に乗ると危険であることも知っておこう。
まあ、日経が上がる年なら、推奨銘柄も上がるだろうけれど。

去年の紙面では、ほとんどの経営者が強気の見通しを持っていて、
私は、
「みんなの見方が偏ったときは、ちとアブナイ気もしないではないが、どうだろう。」
と書いた。
結果は、経営者の見通しよりは厳しい1年となった。
一転して今年は、先行きを慎重に見る経営者が増えている。
これは逆張り的には、案外いい傾向なのかもしれない。
さてさて、来年の今頃、どんな結果が出ているだろうか。

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