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自殺者9年連続の減  ~ 増えている国も少なくない中で ~ [ヨモヤ]

「平成不況」
「失われた20年」
「日本が没落した時代」
などなど、平成を振り返る言葉にはネガティブなフレーズが並ぶ。
確かに、経済成長が止まり、それが社会にひずみをもたらしたという面はあるだろう。
「格差」という言葉はその象徴だと思う。
一方、平均寿命が順調に伸びるなど、国民の生活ではポジティブな変化も少なくなかった。
近年の自殺者数の減少もその表れの一つだろう。

警察庁の集計によれば、2018年の全国の自殺者は、前年より723人少ない2万598人となり9年連続の減少となったという。
性別で見ると、
男性が1万4,125人
女性が6,473人
と、男性が倍以上。
年代別で見ると、
50代が最も多く、
40代、60代など中高年の割合も高かったという。

日本の自殺者が減ったといっても、これが世界的な傾向であれば、その流れの一環ととらえられなくもない。
しかし、他国を見ると、必ずしも減少傾向にはないようだ。

例えば、お隣の韓国。
韓国は、OECDで最も自殺率の高い国であり、自殺者数も2001年当時と比べると約倍増している。
盧武鉉元大統領をはじめ、多くの有名人が自らの命を絶っていることも特徴だろう。

より深刻なのはアメリカ。
自殺率は日本より低いが、自殺者数はこの20年間で約30%増加している。
また、自殺者数が右肩上がりに増え続けているという点も問題の深さを表している。

もちろん、日本より自殺者が少ない国もたくさんあるし、
減ったとは言っても、年間2万人以上の方が自殺されていることも事実であり、手放しで喜べるような状況ではない。
とはいえ、こうした自殺者が減り続けていることが朗報であることも確かだろう。
日本は、決して悪い方向にばかり向かっているのではない。
私たちが生きた平成は、悪いことばかりが起きた時代ではない。

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映画評 「500ページの夢の束」  ~ 心地よい空間「目黒シネマ」で鑑賞 ~ [映画評]

都内に、いくつかの名画座がある。
名画座とは、
旧作映画を主体に、
一定のテーマを持つなどして選んだ作品を2~3本立てで上映し、
封切館より安い料金で鑑賞できる、
といった特徴を持つ映画館である。
以前は、東京にも大阪にも数多くあったらしいが、レンタルビデオの普及などにより、多くが閉鎖されてしまっている。

私は、映画が大好きだが、一人の監督を突き詰めたいという欲求はほとんどないし、過去に公開された名作と呼ばれる作品を残らず見ておきたいという望みもない。
今の時代に生きるものとして、リアルタイムで公開されているものを中心に観たいと思っている。
だから、そうしょっちゅう名画座に行くことはない。
しかし、名画座には決して無くなって欲しくない。
いい映画をじっくりまったり観たい、
好きな映画を再び大きなスクリーンで観たい、
プロの選んだ隠れた名作に出会いたい、
といった気持ちが満たされなくなってしまうのはあまりにも残念だからだ。
あまりお金がない若い人の映画への入口としても名画座の使命は大きい。
ビデオがあっても、DVDがあっても、オンデマンドがあっても、
劇場で観る映画には替えがたい。
10年後も20年後も日本に名画座が残って、
ゆったりとした時間を、
満ち足りた気持ちで過ごせることを祈っている。

今作「500ページの夢の束」は、そんな名画座の一つ、目黒シネマで観た。
目黒シネマは、目黒駅から徒歩3分という便利なところにある、こじんまりとした美しい映画館である。
音もいい。
豊かな時間がゆっくりと流れていく。
ちなみに、目黒駅前にあるが、住所は品川区。

「500ページの夢の束」のあらすじを、映画紹介のウェブサイトに書かれている内容から要約すると、次のようになる。

『スター・トレック』について並外れた知識を持つ自閉症のウェンディは、『スター・トレック』脚本コンテストの開催を知り脚本を書き上げるが、郵送だと締め切りを過ぎてしまうことに気付く。彼女は500ページの脚本を届けるため、愛犬と一緒にハリウッドを目指す旅に出る。

私は『スター・トレック』のファンでもなんでもないが、映画好きなら、つい観に行きたくなる設定である。
実際の映画は、ここに姉妹の関係も絡んで、深みがもたらされている。
ウェンディが本当に届けたかった相手は誰なのか、最後にわかって、胸が熱くなる。

主演は、ダコタ・ファニング。
難しい役どころを、説得力十分の演技でこなしている。
まさに、彼女のための映画である。
「スター・トレック」ファンにはたまらない映画だろうが、
そちらの予備知識が全くなくても全然問題ない。
この作品単独で十分楽しめる。

現在の目黒シネマは、
「君の名前で僕を呼んで」
「アデル、ブルーは熱い色」
の二本立て。
こちらもなかなか魅力的である。

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映画評 「この道」 [映画評]

本作は、詩人・北原白秋と音楽家・山田耕筰の活躍を描く伝記ドラマ。
北原白秋を大森南朋さんが、山田耕筰をAKIRAが演じる。
予告編がちと面白そうだったのだが、世間的にはあまり話題になっていないようだ。
「シュガー・ラッシュ」「ボヘミアン」「ドラゴンボール」「ファンタビ」と大作・話題作目白押しの正月シーズンに、すっかり埋没した感じである。

しかし、こうした映画にこそ、意外な掘り出し物があるかもしれない、
などと期待をしたのだが、なかった。
ひっそり公開され、多くの人の目には触れないままに消えていく運命の作品のようだ。

実質的な主役は北原白秋の方なのだが、その描き方がどうにも浅い。
わかりやす過ぎて人間的な魅力が感じられないので、感情移入ができない。
当時の文壇で活躍していた、与謝野晶子・鉄幹夫妻をはじめ、石川啄木、鈴木三重吉などが続々出てくるのだが、そのせっかくの関わりも上っ面だけ(晶子さんとは、少し濃厚に絡むが)。
もったいない。
白秋の没後、山田耕筰が記者のインタビューに答えて生前の白秋を振り返るという形をとっているのだが、その構成もうまくいっているとはとても言えない。
山もなく、谷もなく、
薄く、味わいのないエピソードがするすると流れていく感じである。

共演は、松重豊さん、貫地谷しほりさん、津田寛治さん、升毅さん、柳沢慎吾さん、羽田美智子さんら。
前半で登場シーンは終わってしまうが、白秋の愛人役を演じられた松本若菜さんがよかった。
年齢的にはもう中堅だが、これから花が開くかもしれない。
山田耕筰にインタビューする記者役で出演していたのが若手女優の小島藤子さん。
彼女は、実写版「氷菓」において、摩耶花役で出演していた。
といっても多くの人には何のことかわからないだろうが、氷菓ファンとしては、これからも注目していきたい。

この映画の鑑賞で、個人的にあることを達成した。
それは、映画館で、一人っきりで映画を観る、という体験である。
私が観たのは、封切り二日目の夜の回。
160席の劇場で、客は私一人だった。
これまで、何百本と映画を観てきたが、貸し切り状態になるのは初めてで、軽く興奮した。
もっと遅い時間の、もっとマイナーな作品でも、数人はお客さんがいたものだから、この映画が貸し切りになるのは驚いた。
おかげで、伸び伸びと鑑賞することができたが、映画ファンとすると、どんな映画でも不入りは寂しい。
貸し切り鑑賞は、今回が最初で最後になることを祈る。
と言っても、あえてこの映画を選ばれる必要はないとは思うが。

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二足早い第42回日本アカデミー賞予想  ~ あの作品の不在が超不満だが ~ [映画評]

第42回日本アカデミー賞の優秀作が発表された。
最優秀作の発表は3月1日ということでかなり先だが、二足ほど早く予想してみたい。

まずは、最優秀作品賞&最優秀監督賞。
最優秀作品が、その年の頂点であり、花形である。
優秀作品と優秀監督は当然ながら別々の賞だが、最優秀作品を撮った監督が最優秀監督賞を獲るケースがほとんどで、一体として予想する。

作品賞のノミネートは以下の作品
『カメラを止めるな!』
『北の桜守』
『孤狼の血』
『空飛ぶタイヤ』
『万引き家族』
そして、監督賞は以下の面々
上田慎一郎『カメラを止めるな!』
是枝裕和『万引き家族』
白石和彌『孤狼の血』
滝田洋二郎『北の桜守』
本木克英『空飛ぶタイヤ』
作品賞の候補と監督賞の候補がドン被りしていることがわかる。

『孤狼の血』は大好きな作品だが、受賞を争うのは、『万引き家族』と『カメラを止めるな!』ではないかと思う。
しかし、全くタイプの違うこの2作品に優劣をつけるのは土台無理な話である。
作品賞を『カメ止め』にし、監督賞に是枝さんを選べば座りはいいようにも思うが、そうはならないだろう。
『カメ止め』を応援したい気持ちもあるが、冷静に考えれば、カンヌグランプリ云々は抜きにしても、『万引き家族』が作品賞、監督賞の両方を獲るべきだと思う。
素晴らしい作品だった。

続いて、主演男優賞のノミネートは以下の面々。
岡田准一『散り椿』
舘ひろし『終わった人』
濱津隆之『カメラを止めるな!』
役所広司『孤狼の血』
リリー・フランキー『万引き家族』

ここは役所さんとリリーさんで割れそう。
アカデミー賞の常連で新鮮味はないが、『孤狼の血』で鬼気迫る演技を見せてくださった役所さんに獲っていただきたい。

主演女優賞のノミネートは以下の面々。
安藤サクラ『万引き家族』
黒木華『日日是好日』
篠原涼子『人魚の眠る家』
松岡茉優『勝手にふるえてろ』
吉永小百合『北の桜守』

松岡さんのことを応援しているし、『勝手にふるえてろ』も嫌いではないが、作品の力という点で『万引き家族』には及ばない。
黒木さんも同様。
ここは、安藤さんの受賞が順当ではないかと思う。

助演男優賞のノミネートは以下の面々。
岸部一徳『北の桜守』
ディーン・フジオカ『空飛ぶタイヤ』
西島秀俊『散り椿』
二宮和也『検察側の罪人』
松坂桃李『孤狼の血』

二宮くんの演技はよかったが、作品がイケテナイ。
『万引き家族』勢がいないこのジャンルは、役所さんに負けない熱演を見せた松坂くんが獲るだろう。

優秀助演女優賞のノミネートは以下の方々。
樹木希林『日日是好日』
樹木希林『万引き家族』
篠原涼子『北の桜守』
深田恭子『空飛ぶタイヤ』
真木よう子『孤狼の血』
松岡茉優『万引き家族』

助演女優賞は、今回では一番の鉄板だと勝手に思う。
惜しくも亡くなられた樹木希林さんで間違いないだろう。

優秀脚本賞のノミネートは以下のとおり。
池上純哉『孤狼の血』
上田慎一郎『カメラを止めるな!』
是枝裕和『万引き家族』
那須真知子『北の桜守』
林民夫『空飛ぶタイヤ』

『カメ止め』はここで受賞するのではないかと思う。
実際、脚本の勝利だった。

優秀アニメーション作品賞のノミネートは以下のとおり。
『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』
『ペンギン・ハイウェイ』
『未来のミライ』
『名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)』
『若おかみは小学生!』

『若おかみ』は泣かせたが、賞となると『ペンギン・ハイウェイ』と『未来のミライ』の一騎打ちだろう。
『未来のミライ』は海外の映画賞で高評価を得ているようだが、細田監督作品としてはどう見ても失敗。
一方の『ペンギン・ハイウェイ』は2018年の夏を代表する傑作。
素直に、ペンギンの受賞を予想する。

優秀外国作品賞のノミネートは以下のとおり。
『グレイテスト・ショーマン』
『シェイプ・オブ・ウォーター』
『スリー・ビルボード』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』

純粋に作品で評価するなら『シェイプ・オブ・ウォーター』だと思うが、年後半からの勢いを考えると『ボヘミアン・ラプソディ』は止められないだろう。

『万引き家族』と『孤狼の血』が多くのノミネートとなるのは順当なところだし、
『カメラを止めるな!』が台風の目になるのもいいことだと思う。
しかし、個人的に激烈に不満なのは、日本映画史に残る青春映画の金字塔『ちはやふる』がどこにもノミネートされていないことである。
確かに、欠点も少なくない作品だったし、娯楽作に振れ過ぎた面はあった。
それでも、三作シリーズであのクオリティを保ち続けたのは驚異的だし、
広瀬すずを映画女優として一本立ちさせ、
真剣佑を発掘し、
若手バイプレイヤーを次々に送り出した、
などの功績も計り知れない。
作品賞か監督賞、すずちゃんの主演女優賞あたりは、あってしかるべきだと思う。
それほどしゃかりきになるほどのことはないとわかっているが、「ちはやふる」の不在は、猛烈に残念である。
授賞式会場に、あのメンバーが集まっている光景を見てみたかった。

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それほど深刻ではないがちょっと気にしておきたい景気の状況 [経済を眺める楽しみ]

内閣府が発表した12月の景気ウオッチャー調査では、家計・企業・雇用の3部門がそろって悪化した。
景気の現状判断DIは48.0となり、横ばいを示す50の水準を2カ月ぶりに下回るとともに、この数値は17年3月以来の低水準であるという。
また、先行きを示す水準も、5カ月ぶりに50を割り込んだ。

本件を伝える記事には、
・株式相場の下落
・人手不足
・米中経済摩擦
・10月に予定されている消費増税
など、景気には不安要素が目白押しと書かれていたりする。

ここまでを読むとお先真っ暗のようだが、景気ウォッチャー調査の現状判断DIが50を割り込むのは、実はよくあること。
2018年は今回発表の12月を含めて4回、
2017年は3回、
2016年は10回、
といった具合である。
だから、50を割れただけで、それほど深刻になる必要はない。
※ちなみに、世界中が金融危機に陥っていた頃を振り返ると、実に2007年4月から、68月連続!の50割れであった。

とはいえ、
景気の先行指数と言われる株価が大きく調整していること、
中国景気の減速懸念が消えないこと、
あたりは注意しておきたい。
「リーマンショック級の景気の変動」ではまったくないが、少なくとも日本経済は絶好調ではない。
この状況で消費税が上げられたら、影響は小さくないだろう。

エコノミストや経済人など、
「消費税増税の影響は限定的」と予想している人が少なくない。
上げ幅が2%だし、緩和策もとられるから、というのである。
しかし、過去の経験は、
消費増税の影響は大きく、
そして長引く、
と教えている。
その点も注意しておこう。

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映画評 「Fate/stay night [Heaven’s Feel] II.lost butterfly」 [映画評]

タイトルに延々と横文字が並んでいるが、日本の映画。
ビジュアルノベルゲーム(と言われても、何のことかよくわからないが)
「Fate / stay night」のうち、“桜ルート”と呼ばれる最終ルート「Heaven's feel」の映画化(と書きながら、何のことかよくわからないが)。
3部作で公開されており、今作は第2弾。
第1弾のタイトルは、これまた横文字だらけで、
「Fate/stay night [Heaven's Feel] I.presage flower」。
100万人を動員し、興行収入も15億円というヒットを記録した。

私は前作も見ず、ゲームもプレイせず、テレビアニメも知らぬまま、この映画を観た。
おそらく、そういう人はほとんどいないだろう。
多くの劇場公開されるアニメ映画は、はじめて観た人にもある程度わかるように作られているが、本作に関してはそうした配慮は一切ない。
だから、初っ端から完全に取り残される。
最後まで置き去りにされる。
しかし、それに不満を言っても仕方がない。
これは、そういう映画なのだから。
前作も、「知っている人しか観に来なくて結構」という作風でヒットさせたのだろう。
私が観た回も劇場は満席で、一番前の席でスクリーンを見上げた。

知っている人向けに特化した映画なので、ストーリーや展開についてあれこれ論じても仕方がない。
絵は美しく、そこの手抜きがないのは好感が持てた。
バトルシーンも、しっかり作っていることがうかがえた。
ただし、一見さんが楽しむことはほぼできないだろう。
独立した作品として楽しむものではない。

本作は、オープニングの3日間で約6億円の興収を記録し、絶好調の「ボヘミアン・ラプソディ」を抑え、興行成績で1位となった。
口コミで広がっていくような映画ではないから、ヒットが拡大していくことはまず望めないが、これだけ初動でヒットすれば十分だろう。
こういうやり方もある。
こういう映画もある。

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三角関数に限らず高校生が学習する科目を検討すべきでは [ヨモヤ]

1月1日に放送されたAbemaTVの番組内で、橋下徹さんが
「三角関数なんて大人になってから使ったことがない。国民全員が絶対に学ぶべき義務教育と、さらに深く勉強する教育は分けて、後者は選択制にすればいい」
と発言したことをきっかけに、
「三角関数必要か論争」
が盛り上がっている。

橋下さんは、
「三角関数は生きて行くために絶対に必要不可欠な知識じゃない」
「今はあまりにも『死に知識』が多いシステム」
と主張されている。
これに対して、三角関数必要派の方々からは、
「必要だったかどうかは本人が学習してからじゃないとわからないはず」
「自分が使わないからといって必要ないというのはおかしい」
「興味や面白みを感じない生徒は学ぶ必要がないって、教育なんかしなくてよいって言っているようなもの」
といった反対意見が出されている。

何を教えるかという問題は、高等教育の今後を考えるうえで大切な論点であり、たまたまではあるが今回の論争を、議論を深めるきっかけにしたいところである。
三角関数に限定することなく。

使うかどうかに限定してしまえば、
日々の生活や仕事において、三角関数なぞ使いはしないという人が圧倒的多数だろう。
もっと言えば円周率だって、三角形の合同だって使いはしない。
しかし、使わないからいらないという話だけにしてしまうと、
古文も漢文も、世界史も、理科も、
さらに言えば、書道も鉄棒も跳び箱も、
ほとんど何もいらなくなってしまう。
だから、使わない=いらない、ということではない。
橋下さんもそんなことはおっしゃっていないだろう。

ここで読了した落合陽一さんの「日本進化論」にも、
「日本の教育に『多様性』を」
という一節があり、教育の見直しを主張されている。

おそらく三角関数必要論者の皆さんも、
「日本の高等教育がイケテナイ」
という点では同意見ではないだろうか。
本当に頭のいい人は逆に「意味がない」と脱落し、
理解できない人や関心が持てない人には何の意味もない情報になっているという状況がある。

教育となると、自分が受けてきたものをどうしても基準に考えてしまうし、
なにやらイデオロギー的なものも混じってしまい、
落ち着いた論議が出来なくなってしまいがちである。
しまいには個人攻撃になったりして。
しかし、高等教育をどうするかということはこれからの日本を考えるうえで非常に重要な課題であり、
ほとんどの人が今のままではいけないと思っている事案でもある。
ちゃんと考えて、
ちゃんと議論して、
ちゃんと直していきたいところである。

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日本の未来を明るくするも暗くするも自分たち次第  ~ 新成人の63%が日本の未来を「暗い」というが ~ [ヨモヤ]

マクロミルというマーケティングリサーチ会社が、毎年新成人にアンケート調査を行っている。
今年で12年目になるという。
その調査によれば、
日本の未来について、
「明るいと思う」と答えた人は37%、
「暗いと思う」と答えた人は63%、
だったとのことである。
これについて、
何かにつけてネガティブに書きたいメディアは、
「新成人 未来は『暗い』が63%」
と表現し、
プラスに評価したいメディアは、
「新成人 未来は『明るい』が2年連続上昇」
と伝える。
どちらも本当であるが、ニュアンスはだいぶ変わる。

「明るい」と答えた新成人が37%であるのはずいぶん少ない気がするが、上に書いたように2年連続の上昇であり、
2009年や2011年当時は20%を割り込んでいたことを考えれば、
それほどひどい数字ではない。
それでも、3分の2近くが「暗い」と答えていることに変わりはないが。

ちなみに、明るいと答えた人の理由には、「2020年東京オリンピック」「2025年大阪万博」「景気回復のニュースを見聞きする」といった回答が目立ち、
暗いと答えた人の理由では、「少子高齢化への不安」や、「政治問題」などが多く挙げられていたという。
さらに、日本の政治への期待を尋ねたところ、
78%が期待できないと答えたとのことである。

そう言いたくなる気持ちはわかる。
しかし、他の国からは日本の政治は安定していてうらやましいと思われていることも忘れてはなるまい。
また、成人したということは、政治家を選ぶのも政治家になるのも、自分たち次第ということである。
人ごとのように期待できないと言っている場合ではない。

もちろん、これは軽い気持ちで答えたアンケートの結果であり、自分たちでなんとかしようという気持ちを持っている人も少なくないと思う。
だって、この国を明るくするも暗くするも、自分たち次第なのだから。
もう、庇護を必要とする子どもではないのだから。
この国を駄目だというのは、自分や自分の親、自分の周りの人を駄目だというようなものなのだから。
この国に期待できないというのは、自分に期待できないというようなものなのだから。

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メルカリの株価は持ち直すか  ~ 新興銘柄の象徴的存在として復活を期待したい ~ [経済を眺める楽しみ]

企業が、株を一般投資家に売り出して証券取引所に上場し、誰でも株取引ができるようにすることをIPOという。
IPOは、Initial Public Offeringの頭文字から取っている。

投資家の中には、自身の投資活動の中心をIPO株に据えておられる方もおられるだろう。
何故なら、IPO株は上場の瞬間に公募価格を上回ることがほとんどだからだ。
例えば、1,000円の公募価格のIPO株を100株買えば、100,000円の投資になるが、初値が2,000円になれば、その瞬間に売ればあっという間に100,000円の利益となる。
銘柄の業績や経営者の人物像など、ネチコチ調べる手間もない。
ほとんど濡れ手に粟の世界である。
それがわかっているから、IPO株の募集には多くの投資家が群がる。

これまで私は、IPO株の抽選に参加したことがなかった。
買えれば儲かることがほぼ約束されている感じで、いわば「ボロイ」のだが、あまりよくわからない企業に儲けさせてもらうのも、なんだか潔くない気がしていたからである。
そんな私が、メルカリは買いたくなった。
初値でドンと儲かるからではなく、日本発の世界に通用するネット企業として、長く夢を見られそうな気がしたからである。

しかし、はじめて抽選に申し込む私のような人間に当たるはずもなく、メルカリの上場を、指をくわえて見ている結果になった。
メルカリの上場は、経済ニュースを超えた話題となり、初値は公募価格3,000円を大きく上回る5,000円の初値を付け、その後6,000円まで上昇した。
逃がした魚は大きかったが、買うために苦労したわけではなく、単に抽選に外れただけだから別に悔しくはない。

しかし、その後のメルカリの株価は坂道を転げ落ちるかのようだった。
上場日に付けた6,000円を最高値として、年末には1,800円を割り込んだ。
つまり、3分の1以下になったことになる。

株価下落の要因は、業績への不安である。
相場全体が下がっており、地合いに引きずられた面もないではないだろうが、それ以上に、事業の先行きへの懸念が広がっている。
8月に発表した上場後初の決算発表では、前期の42億円の赤字から、70億円の赤字へと大幅に赤字幅が拡大した。
成長期にある企業が、売り上げを拡大していく中で赤字を計上するのは、それほど珍しい話ではないが、投資家としては先行きの心配が消えないのだろう。
上場してすぐ、というのもイメージが悪かった。
またメルカリは、アメリカへの進出やキャッシュレス決済に先行投資を行っているが、日本国内の中古品市場と違い、世界の強者がしのぎを削る分野で勝ち残っていけるのか、投資家が自信を持つには至っていない。

メルカリの現在の株価は約2,000円。
私は3,000円でIPOに申し込んだのだから、2,000円なら買い時であるはずだ。
しかし、それを言えば3,000円を割り込んだ段階で買い時だったとも言えるのだが、そこからさらにズルズル下げたのも事実であり、ここからもう一段の下げがある恐れも否定できない。

株を買うか買わないかはさておき、メルカリの成長を期待している。
20世紀後半、車、テレビ、オーディオなどで世界を席巻した日本企業だが、このところは海外の企業に押されっぱなしである。
是非、日本発のサービスで世界を切り拓いてほしい。
その可能性が、メルカリにはあると思う。

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野球先進国なのだからアメリカに合わせるばかりではなく  ~ なんでもアメリカ追従はどうか ~ [ヨモヤ]

日本は、野球先進国である。
経済や文化については、ひょっとしたら先進国であるということに異論を持っている人もいるかもしれないが、野球については間違いない。
そもそも、歴史を持ってちゃんとやっているのがアメリカと日本しかないのだから。

先進国であれば、時代に合わせたルール変更も主導していきたいものだし、そうなって当然だと思うが、実際には追随ばかり。
古くはDH制、近年ではコリジョンルールやリプレイ検証など。
球趣を削ぐと評判の悪かった申告敬遠もあっさり取り入れた。

ちょっと情けない展開になったのは、投手の二段モーションをめぐる顛末。
かつて日本では多くの投手が取り入れていた投法だったが、国際ルールに合わせるということで厳格に禁止した。
それが、何年も経ってから、国際基準に再び合わせるということで、一転して解禁となってしまった。
振り回された選手も気の毒だったし、ポリシーのなさが嘆かわしくもあった。

今度は、イニング前に投手がベンチ横などでキャッチボールをするのも禁止する方針だという。
その代わりといってはなんだが、イニングはじめのマウンドでの準備投球数について、8球以内、1分以内までという制限を撤廃するのだという。
はて?

味方の攻撃中にキャッチボールをしていれば、
・肩が冷えない
・試合に入り込んでいられる
・前のイニングに感じた違和感などを解消できる
・すぐにマウンドに行ける
などのメリットがある。
かたや、キャッチボール無しで投球練習無制限となれば、
・一度肩が冷えてしまう可能性が高く、怪我につながりやすくなる
・マウンドでの投球練習数が増えれば、試合時間が長くなる可能性がある
などのデメリットがある。
メリットはちょっと思いつかない。
日本の投手がメジャーに行っては次々と故障しているように、メジャーの習慣が必ずしもいいかというと、全くそんなことはない。

日本人は、
他のスポーツでも、ビジネスでも、政治でも、
ルール作りが苦手だとされる。
せめて先進国である野球では主導的な役割を果たしたいものである。

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