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罪が重い厚生労働省による勤労統計の不適切な調査 [ヨモヤ]

国や地方の行政については、風当たりが強い。
「ちゃんと考えているのか」
「税金分働いているのか」
など、疑心暗鬼で見られている。
しかし、ギリギリのところで信頼が保たれているのは、
「少なくとも、意図的な不正はしないはず」
と思っていただいているからであろう。
そこが崩れたら、何も信じてもらえなくなる。

厚生労働省が調査している毎月勤労統計の調査が、不適切であったことが大きな問題となっている。
・国の政策を決めるうえでの基本的な統計数字が出鱈目だった
・そのため、雇用保険の失業給付などが長期間過少給付となっていた
というのだから、深刻な話である。
各方面から強い批判の声が上がっているが、当然だろう。

それでも、
・ついうっかりしていた、
・ごく一部の担当者のみが関わり、ブラック・ボックス化していた、
というのなら、困ったものだが、あり得る話である。
しかし、今回の件については、
・15年間も不適切な調査が続けられており、
・担当者間でそれが引き継がれてきて、
・不適切な調査を誤魔化すための改変ソフトも作成していた、
となっては、一体どういうことなのか。
報道されているとおりだとすれば、
時代を超えて組織ぐるみで不正をしてきたと言われても仕方がない。
なんということか。

本件に関し、
「行政の統計部門の手薄さが背景にあり、統計部門の拡充を図るべきだ」
との意見もあるようだ。
その点については、かねてから指摘されていたが、今回の案件は不適切な調査を続けるためにわざわざソフトを作成するという余計なひと手間をかけており、人員不足によるという同情がしにくい。

医療、福祉、労働と、厚生労働省の管轄範囲は広い。
そして、責任も重い。
しかし、統計調査を誤魔化すような省庁では、何を言っても説得力がなくなってしまう。
さらに、
「厚労省がやっているなら、ほかの省庁も似たようなことやってんじゃないの」
「国がやってるくらいだから、自治体だって当然同じようなことやってんじゃないの」
という疑念を起こさせる点でも罪が重い。
ほとほと。

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消費増税 まだ一波乱あるか [ヨモヤ]

消費税の引き上げが予定されている2019年10月が近づいてきた。
軽減税率の内容がほぼ固まり、
その他の種々の影響緩和策も打ち出されているので、
もはや実施は間違いないと考えるのが一般的だろう。
しかし、もう一波乱あるような気がしなくもない。

政権内でも、増税の是非については、やや見解に相違があるようだ。
財政を預かる麻生財務大臣はもちろん増税推進派だが、
安倍首相の懐刀とも言うべき菅官房長官は、慎重な立場に映る。

菅官房長官はお正月に出演されたラジオ番組で増税の最終判断時期について、
2019年度予算案と税制改正関連法案の議決が一つの区切りではないか、
と話されたという。
これは、
予算が成立するまでは、まだ増税が決まったわけではない、
とも受け取れる。

かなり準備が進んでいるし、
今からの延期はまさかないだろう、
というのが一般的な見方だろうが、
過去2回の延期時も、「まさか」と思った人が多いのではないだろうか。
三度目の正直、
となるか、
二度あることは三度ある、
になるか。

消費増税は、歳入と歳出のアンバランスを解消する方策の一環として実施される。
しかし、増税の結果、景気が落ち込んでは税収アップにはならないし、
今回のように影響軽減策をやたらと打ってしまっては少なくとも短期的にはアンバランスの解消にはならない。
つまり、三度目の先送りをしても、それがそのまま財政に決定的なダメージを与えるわけではない。

予算の成立まで、あと2月ちょっとだろうか。
この間に「まさか」があっても、私はちっとも驚かない。

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丸 + 炭谷 対 長野 + 内海 のトレードでも成立しそう ~ 巨人のFAの損得勘定 ~ [ヨモヤ]

プロ野球におけるフリー・エージェント制度(FA)は、金持ち球団が有利になる傾向が強いということで、一部のファンから評判が悪い。
実際のところは、FAで獲得するより流出する方が多い2球団(西武と広島)が昨シーズン優勝したように、必ずしも金満球団が思いのままにペナントを獲得できるほど簡単なものではない。
こうした傾向は、アメリカのメジャーリーグでも同様のようだ。
それでも、一部のチームにいい選手が集中しかねない制度として、FAを嫌う人は多い。

私も、どちらかというと同じ球団で生え抜きとして活躍してほしいと思うクチだが、FAという制度が出来てしまっている以上、とやかく言っても仕方がないと割り切っている。
補強したいと思えば補強すればいいし、
FAを宣言しての残留は認めないというチームがあってもいい。
チームを強くしたいと思うのは当然のことであるから、それを批判するのはおかしい。
もちろん、方法論として間違っているという面はあるだろうけれど。

今年もFA戦線の主役は巨人だった。
これについてもいろいろ意見はあると思うが、
このところ広島にやられっぱなしだし、
監督も変わったし、
という状況の中、
何か手を打たなければならないという危機感はよくわかる。
しかし、ここまでの顛末については、多くの人が、
「また、下手打ってるなあ」
と感じているのではないだろうか。

広島の丸と西武の炭谷が欲しかったのは本当なのだろう。
しかし、そのために誰を犠牲にするかということは、事前に考えたのだろうか。
獲れるもんならとりあえず獲っておこうという発想に傾いていたのではなかったか。
西武の炭谷に対し、「絶対必要」と言ったというが、ちと軽くないだろうか。
など、いろいろ思いもする。

人的保障により、巨人からは、内海、長野という功労者が流出することとなった。
二人とも巨人に入りたいがために浪人を経験した選手であり、
内海は高校卒業時にオリックスからのドラフト1位指名を、
長野は大学卒業時に日ハムからの、社会人時代にもロッテからの指名を、
それぞれ拒否して巨人愛を貫いた。
そうした選手をプロテクトしないという方針に、違和感を覚えるファンは少なくないだろう。

また、単に戦力面を考えても、丸と炭谷を獲得するために内海と長野を放出したということは、
巨人にとっては、
丸 + 炭谷 対 長野 + 内海
のトレードをしたようなもの。
なんだかつり合っているように見えなくもない。

結局、勝てばいい、という考え方もある。
勝負の世界であり、それでいい。
しかし、シーズン前にして巨人が失ったものは小さくない。
勝つことで取り返せるものもあるが、取り返せないものもある。

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名古屋市で性的少数者に関する意識調査  ~ その割合にばかりとらわれることなく ~ [ヨモヤ]

性的少数者に関する意識調査やアンケートについては、これまでも何回か行われてきた。
そしてそのたびに、どのくらいの割合でそうした方がおられるのかが注目されてきた。
ちなみに、
2015年に電通が行った「LGBT調査2015」では7.6%、
2016年に株式会社 LGBT 総合研究所(博報堂DYグループ)が行った調査では8.0%、
2016年に日本労働組合総連合会が行った調査でも8.0%だった。
これらが押しなべて8.0%前後だったことから、
日本には人口の約8%の性的少数者がいる、
クラスに一人か二人はいる計算、
といったことが言われるようになった。

ふむ。
個人的な経験と実感からは、
「8.0%はちょっと多いんじゃないかな」
と思ったが、調査結果だから納得するしかない。

2018年度、名古屋市が、市民1万人を対象に性的少数者に関する意識調査を行った。
自治体による性的少数者に関する調査としては、最大規模であろう。
こちらによると、回答を得た約4,700人の1.6%に当たる76人が、自身が当事者だと認めたとのことである。
単純計算でいけば、名古屋市の人口が約230万人なので、1.6%として市内に4万人近い当事者がおられるということになる。
名古屋市だけで4万人というと相当な人数に思えるが、2%弱という数字は、実感に近い気がする。

ここまで書いてきたように、こうした調査では、どうしても当事者の数や割合に注目が集まりがちである。
それはある程度仕方がないことでもあろう。
「少数者」だけに、どのくらいおられるのか気になる。
しかし、そこばかりに注目が集まるのもどうかと思う。
一定数おられることは、もともと自明のことなのだから。

どれだけおられるかではなく、
性的少数者の方々に対し、社会として何ができるのか、
社会として、何をすべきなのか、
といったことを探りたい。
一方、
そこまではしなくてもいい、若しくはするべきではない、というところも併せて考えたい。

残念ながら、今すぐに性的少数者の方の息苦しさや辛さが解消されるようになるとは思えない。
一歩ずつ進んでいくしかない。
だからこそ、その一歩を正しい方向に進めたい。
意識調査が、そのために有効に使われますように。

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映画評 「世界一と言われた映画館」 [映画評]

新しい年になり、「邦画で何かいい映画がないかなあ」と物色してみたが、これがなかなか見つからない。
正月映画の主役は、「シュガーラッシュ」「ファンタビ」「ボヘミアン」「アリー」といった洋画勢。
邦画では「ドラゴンボール」が気を吐いているが、こちらにはあまり食指が動かない。
いろいろ探した結果「世界一と言われた映画館」という映画に魅かれた。
映画好きとしては、映画館も気になるものだ。

映画は、以前山形県酒田市にあった映画館「グリーン・ハウス」のドキュメンタリー。
タイトルの「世界一と言われた」というのは、映画評論家の淀川長治さんがその設備の素晴らしさを称えてそうコメントしたことに由来している。
「ムーンライト・セレナーデ」が流れ、
豪華のロビーで出迎え、
少人数でくつろげるサロンのような部屋もあったという。

しかし、「グリーン・ハウス」は酒田大火の火元となってしまう。
この火事で焼失した面積は22.5ha。
東京ドームの面積が約4.7haだから、その火災の範囲の大きさがわかる。

さて、映画の内容だが、これがなんとも・・・。
期待していたのは、
グリーン・ハウスがどんな映画館だったのか、
どんな工夫がなされていたのか、
どんな人がどんな思いで作ったのか、
どんな人が働いていたのか、
大火のあと火元となった責任をどのように果たそうとしたのか、
といったことだった。
なぜ山形県の酒田市に、そんなすごい映画館が生まれたのか、
その映画館を作った人はどんな生涯を送ったのか、
といったことも知りたかった。

しかし、映画は、
酒田大火に立ち向かった元消防士、
当時よくグリーン・ハウスに通っていたという人、
近くに住んでいた人、
などの話に終始していた。
そういう人の話もあっていいが、映画にすべきはそこではないのでは・・・。
正直なところ、睡魔との厳しい戦いとなった。
約1時間の短い映画なのだが、私はその戦いに押されっぱなしだった。
新年第1弾の映画で、睡魔と戦わされるとは。

まあ、この映画を選んだのは私ですので、はい。
1,100円と、少しお得な入場料だったので、はい。
いや、それにしても、とは思うけれども、はい。


インタビューされる人の一人として、上々颱風の白崎映美さんが出演されていた。
白崎さんは酒田市の出身で、大火で家が焼けてしまったのだという。
現在、酒田市内にあるキャバレー「白ばら」の再生に努めておられるそうだ。
かなり古い映像だが、上々颱風のライブの様子を貼っておく。
二人の女性ボーカルのうち、向かって左側が白崎さんである。
https://www.youtube.com/watch?v=uad2dhE_SF4

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関東馬の頑張りが目立った2018年の中央競馬  ~ この流れは2019年に引き継がれるか ~ [ヨモヤ]

競馬の世界では、長く西高東低が続いている。
例えば、
この10年間の年度代表馬のうち9頭が関西馬であり、
ダービーも、この20年間のうち17頭までが関西馬である。
しかし、この構図が2018年はかなり変化した。

2018年に行われた障害を除くJRAのGⅠ競走は27レース。
そのうち関西馬が17勝、
関東馬が10勝。
この数字だけを見ると、まだ関西馬が優勢だが、
GⅠのなかでも特に格が高いとされる旧8大競争(桜花賞、皐月賞、オークス、ダービー、菊花賞、天皇賞春、天皇賞秋、有馬記念)+ジャパンカップの9レースに限ると、
関西馬が4勝、
関東馬が5勝、
と立場が逆転する。
個々の馬を見ても、
年度代表馬確実の牝馬3冠+ジャパンカップを制したアーモンドアイ、
有馬記念勝ち馬ブラストワンピース、
牡馬最強と目されるレイデオロ、
新たなダート王ルヴァンスレーヴ、
など、来年も引き続き活躍が見込まれるツワモノが揃っている。
加えて、障害の絶対王者の地位をかなぐり捨てて有馬記念に挑み、大いに話題を呼んだオジュウチョウサンも関東馬である。

2歳馬によるGⅠは関西馬が全勝したから、来年も関東馬の攻勢が続くかどうかはわからないが、少なくとも、「関東馬に出番はない」というレースはなくなりそうだ。
かつては、出走馬のほとんどが関西馬、若しくは有力馬は軒並み関西馬、というレースも散見されたが、これからは拮抗していくかもしれない。

もちろん、海外GⅠへの出走が現実的な選択肢となっている現在、国内のGⅠレースに限定して関東馬と関西馬の勝ち星を勘定してもあまり意味はないかもしれない。
実際、現在国内最強と目されるアーモンドアイは、ドバイへの遠征を考えているという。
国内に専念すれば、春だけで3つくらいGⅠを獲れそうだが、それにはあまり関心がないようだ。
そうわかっていても、関西出身の私はつい関西馬に肩入れし、どっちがGⅠをたくさん勝ったのどうのと勘定してしまう。

5日行われた中央競馬のお正月レース東西金杯は、関東馬・関西馬が星を分け合った。
2019年は、こうしてGⅠ競走でも関東馬・関西馬が勝ったり負けたりするのかもしれない。
関西馬ファンとしてはちょっと寂しいが、拮抗した方が面白いから、それはそれでいい。
先入観なしにしっかり予想しよう。


中山金杯に、マウントゴールドという馬が出走した。
ただでさえ、金杯には「金」に関係する馬に気をつけろと言う伝説があるなか、「マウンドゴールド = 山金」が中山金杯に出走とあっては、サイン読み派ならずとも目が行ってしまっただろう。(結構抜けた1番人気)
しかし、わかりやす過ぎる馬は、往々にして来ないものである。
その辺の塩梅は難しいが。

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2018年の邦画を個人的に振り返る ~ その2 あれまあ映画編 ~  [映画評]

2018年の邦画を振り返り、その1ではいい映画を選ばせていただいたが、その2ではこりゃまたどうしたことじゃろかいと頭を抱えてしまうような「あれまあ映画」をご紹介する。
※その1はこちら
https://matoko.blog.so-net.ne.jp/2019-01-02

ここに取り上げる「あれまあ映画」の中には、
「いや、俺は面白かった」
「あのよさがわからないとは、観る方がなってない」
などと思われる作品もあるだろう。
そこは見解の相違としてご容赦願いたい。
しかし、「いくら何でも」という作品もないではない。

まずは、「期待を高め過ぎてガッカリ」部門。

筆頭が「曇天に笑う」。
この映画に期待していた人はあまり多くないのかもしれないが、本広克行監督の前作「亜人」が最高だったので、私は勝手に盛り上がってしまった。
しかし、この落差・・・。
前年一番面白い映画を作った監督が次の年ハラホロヒレハレな映画を作ってしまうとは。

次に挙げさせていただくのが、「銀魂2 掟は破るためにこそある」。
1作目は緊張感みなぎる熱い映画だったが、その成功で緩んでしまったか2作目はおざなりな出来栄え。
連続の大ヒットとなり、まあ、こんな感じで喜んでいただけるのならそれはそれでいいのかもしれないけれど。
もし第3弾があるのなら、そして、銀魂の魂を受け継ぐ気があるのなら、監督の交代を考えた方がいいように思う。
受け入れられることを受け入れた福田雄一監督からは、危険な空気が感じられない。

続いて、「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」。
タイトルよし、題材よし、出演陣よし、ということで、面白いに違いないと思って観に行ったら、期待の風船は早々にぱちんとはじけた。

もう1本、書くのが辛いが「未来のミライ」を挙げざるを得ない。
細田監督作品は、3年に1度届けられるとても貴重なプレゼントだと思い、心底楽しみにしている。
それだけにこれは・・・。

続いて、「キラキラ系こそちゃんと作ってよ」部門。
このところの邦画の一大勢力に、「キラキラ系」というのがある。
美男美女が主演し、基本高校が舞台で、花火やら学園祭やらクリスマスやらあんだかんだキランキランありつつ最後ハッピーエンドという恋愛ものである。
私はこのジャンルが嫌いではない。
「ヒロイン失格」という傑作も生まれたし、おととし公開の「ピーチガール」も楽しめた。
しかし、予定調和であるだけに、しっかり作り込まないと早々に白々した空気が流れてしまう。
去年公開された映画では、「虹色デイズ」「3D彼女 リアルガール」「となりの怪物くん」といったところが、困ったもんだのキラキラ系。
出演者目当てのライトなファンが多く来場されると思われるだけに、いい映画を作って、「案外、映画もいいもんだな」と感じてもらいたいところなのに、ここで挙げたような映画では次につながらない。

次は、「この女優さん使ってこんな映画にしないでよ」部門。

「坂道のアポロン」には、次代の日本映画を担う女優の一人である小松菜奈さんが出演。
せっかく小松さん使うのなら、ちゃんとした映画にしてください。
(「来る」は映画としてはイマイチだったが、小松さんの使い方はドキュン)

「ラプラスの魔女」には、「ちはやふる」の広瀬すずさんが出演。
この作品では、すずちゃんがどう頑張ってもどうにもならない。

「スマホを落としただけなのに」には、「なりたい顔」の常連である北川景子さんが出演。
陳腐な役を割り振らないでください。
(北川さんは、「響 -HIBIKI-」でいい演技をされている)

その他にも、困った映画はまだまだあったが、
「多分駄目だろうなあ、でも万が一があるから」
という思いで観に行った映画たちだから多くは望むまい。

誰にだって失敗はある。
どんなに優れた監督だって、駄作を作ってしまう可能性はある。
しかし、志そのものが低かったとしか思えない映画に出会うと、本当にガッカリしてしまう。

映画を作れるということは、とんでもなく恵まれたことである。
製作費の問題やら、いろいろな制約やら、そりゃあ不満はあるだろう。
それでも、映画が作れるという状況の幸せさに比べれば取るに足らないことだと思う。
作り手の皆さんは、その幸せを忘れず、是非自分自身に恥じない作品を作っていただきたい。
映画ファンは、信じて待っている。

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12月の読書記録 [読書記録]

12月に読んだ本は以下のとおり。

12月1日 「1分で話せ」 伊藤 羊一
12月2日 「異常気象と温暖化がわかる」 河宮 未知生
12月3日 「広告の天才たちが気づいている51の法則」 ロイ・H・ウィリアムズ
12月4日 「テレ東のつくり方」 大久保 直和
12月5日 「日本の難題をかたづけよう」
12月6日 「ふむふむ」 三浦 しをん
12月7日 「話し上手な人のアドリブの技術」 大谷 由里子
12月8日 「世界一訪れたい日本のつくり方」 デービッド・アトキンソン
12月9日 「地元の力を生かすご当地企業」 帝国データバンク
12月10日 「ペンギン・ハイウェイ」 森見 登美彦
12月11日 「バール・コーヒー・イタリア人」 島村 菜津
12月12日 「私の営業方法をすべて公開します!」 ブライアン・トレーシー
12月13日 「トランプ大統領とダークサイドの逆襲」 宮家 邦彦
12月14日 「声優論」
12月15日 「道歌入門」 岡本 彰夫
12月16日 「仕事。」 川村 元気
12月17日 「独学術」 白鳥 春彦
12月18日 「世界最大の気象情報会社になった日」 石橋 博良
12月19日 「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか」 山口 周
12月20日 「不況は人災です」 松尾 匡
12月21日 「カリスマ講師 THE バイブル」 渋谷 文武
12月22日 「地元経済を創りなおす」 枝廣 淳子
12月23日 「地方自治体版働き方改革職場実践ガイド」
12月24日 「トモシビ」 吉野 翠
12月25日 「スーパー・ポジティブ・シンキング」 井上 裕介
12月26日 「最後はなぜかうまくいくイタリア人」 宮嶋 勲
12月27日 「日本の針路」 藪中 三十二
12月28日 「人の心を動かす伝え方」 出口 光
12月29日 「リスク」 井上 尚登
12月30日 「近江商人の哲学」 山本 昌仁
12月31日 「消費社会の神話と構造」 ジャン・ボードリヤール

「テレ東のつくり方」を書かれた大久保直和さんは、テレ東の報道番組に携わって来られたプロデューサー。
「ニュースモーニングサテライト」で目覚め、「ガイアの夜明け」「ジパング」「カンブリア宮殿」を欠かさず見ている人間としては、この本は外せない。
ただ、本としてはそこそこ。

森見登美彦さんの「ペンギン・ハイウェイ」は、去年の夏に公開された同名映画の原作。
映画が素晴らしかったが、原作もまた違った味がある。

「近江商人の哲学」を書かれた山本昌仁さんは、滋賀県近江八幡を発祥の地として成長を続ける和菓子店「たねや」のCEO。
この本は近江商人全般について書いたものではなく、たねやのこれまでの歩みを振り返るものだが、読みごたえはしっかり。

2018年も、1日1冊ペースで本を読み続けたが、常に思うのは、大切なのは量ではなく「いい本をしっかり読めるかどうか」ということ。
本を読むことが好きというか癖なので、2019年も冊数はそれなりに行くだろうが、いい本をちゃんと読むということを忘れないようにしたい。

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毎年当たらないので今年も当たらないと思いつつ参考にする「経営者が占う2019年 株価・景気」 [経済を眺める楽しみ]

元日の日本経済新聞恒例の特集に、
「経営者が占う20××年 株価・景気」
というものがある。
その年の株価や経済成長率の見込みについて、日本を代表する経営者が予想するというものである。
今年も、
信越化学工業の金川会長、
富士フィルムHDの古森会長、
ユニ・チャームの高原社長、
サントリーHDの新浪社長、
といった錚々たる面々が占っておられる。

ただし、去年も書いたが、この豪華メンバーの予想が当たるかというと当たらない。
日経平均株価予想についての経営者の予想は、
2016年は、高値22,300円 安値18,000円だったが、
実際には、高値19,600円、安値14,800円、
2017年は、高値21,750円、安値17,500円だったが、
実際には、高値23,400円、安値18,200円、
2018年は、高値25,440円、安値21,200円だったが、
実際には、高値24,448円、安値18,948円だった。
2018年の高値についてはかなり近い予想になっているように見えるが、多くの経営者が年末に向けて株価が上昇すると見ていたのに、実際には年末に最安値をつけたから、見立ては全く違っていたと言わざるを得ない。

しかし、外れるから意味がないかと言えば、必ずしもそうではない。
主要企業のリーダーが実体経済をどのようにとらえていて、これからどのような景気状況になると考えているか、どのような企業が有望と見ているか、などを知ることは、仕事にも投資にも参考にできるだろう。

さて、気になる2019年株価予想だが、
高値予想の平均が23,925円、
安値予想の平均が19,110円、
となった。
下値を18,000円と予想されている方もおられるが、こちらは少数派。
2018年の予想よりは弱気になったが、それでも下げ幅は限定的と見ておられるようだ。

有望銘柄は、トヨタ、信越化学、ソニー、ダイキン、日立といったところ。
ちなみに去年選ばれていた有望銘柄もかなり似通っていて、トヨタ、信越化学、伊藤忠、ダイキン、日立といった面々だった。
これらの企業の2018年の年初からの騰落率を見ると、
トヨタ △12%
信越化学 △28%
伊藤忠 △12%
ダイキン △14%
日立 △32%
と全敗だった。
業績と株価は必ずしも一致しないので仕方がないとは言え、経営者のオススメ銘柄に乗ると危険であることも知っておこう。
まあ、日経が上がる年なら、推奨銘柄も上がるだろうけれど。

去年の紙面では、ほとんどの経営者が強気の見通しを持っていて、
私は、
「みんなの見方が偏ったときは、ちとアブナイ気もしないではないが、どうだろう。」
と書いた。
結果は、経営者の見通しよりは厳しい1年となった。
一転して今年は、先行きを慎重に見る経営者が増えている。
これは逆張り的には、案外いい傾向なのかもしれない。
さてさて、来年の今頃、どんな結果が出ているだろうか。

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2018年の邦画を個人的に振り返る ~ その1 いい映画編 ~ [映画評]

新年恒例、去年見た邦画の振り返り。
2018年に観た映画は80本ちょっと。
映画マニアと言えるほどの数字ではないと承知しているが、一介の映画ファンとしてはそこそこだろう。
そのほとんどが邦画であるが、見逃した作品も多々あると思う。
その中には、きっといい作品もあったのだろう。
だから、あくまでも個人的な総括である。
「いい映画編」と「あれまあ映画編」に分けて書くとして、まずは「いい映画編」。

私が選ぶ2018年の邦画10本は、
「ちはやふる -結び-」
「カメラを止めるな!」
「ペンギン・ハイウェイ」
「孤狼の血」
「犬猿」
「響-HIBIKI-」
「万引き家族」
「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
「モリのいる場所」
「あの頃、君を追いかけた」

「ちはやふる」には、個人的な思い入れが強過ぎて、まっとうな評価が出来なくなっている面もなくはないが、それを差し引いてもいい映画だった。
上・下・結びと3本続けて良作に仕上げられ、うたい文句ではなく本当に「青春映画の金字塔」になった。
広瀬すずさん、野村周平くん、新田真剣佑くんをはじめ、
上白石萌音さん、矢本悠馬さん、森永悠希くん、松岡茉優さん、優希美青さん、清原果耶さん、佐野勇斗くん、賀来賢人さん、
といった出演陣については、これからずっと我が子の成長を見守るような気持ちが消えないと思う。

予想をはるかに超える超絶大ヒットとなった「カメラを止めるな!」は、たまたま公開初日に観て、その面白さにぶっ飛ばされた。
知り合いを誘ってツアーを組んで観に行ったりなど、思い出に残る作品になった。
また、連日の舞台挨拶など、映画のプロモーションの新しい形を提示されたように思う。

「ペンギン・ハイウェイ」は、2018年の夏に観るべき一本。
胸がキュっとなる。
細田監督の「時をかける少女」のように。
これ、観なきゃ損。

「孤狼の血」は、日本映画の伝統を継ぐ任侠もの。
役所広司さんと松坂桃李さんの絡みもすさまじかった。
怖い映画なので気をつけて。
続編が作られるというが、成功を祈りたい。

「犬猿」は、救いがないところがよかった。
吉田恵輔監督作品では、「ヒメアノ~ル」の評価が高いが、私は「犬猿」の方が断然好きだ。
悲惨さも突き詰めれば笑いになる。

「響-HIBIKI-」は、是非多くの人に観ていただきたい作品。
欅坂46の平手友梨奈さん主演ということで、アイドル映画のようにとらえられたかもしれないが、見どころ満載のエンタテインメントに仕上がっている。
最初から最後まで緩むところなく面白い。
続編を熱望。

「万引き家族」は、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得した作品。
高い芸術性を保ちつつ、大衆にも訴える力がある。
非の打ち所がない作品だが、それでいて息苦しくない。

「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」は、年末に観た。
原作とはかけ離れた話だが、よくぞ映画に仕上げたと思う。

「モリのいる場所」は、不思議な映画。
はまらない人もおられるかもしれないが、私にはピッタリ。
本作のほか、2018年に公開された樹木希林さんが出演された映画「万引き家族」「日日是好日」は、どれも好評を博した。
すごい方だった。

10番目に入れたのが、「あの頃、君を追いかけた」。
台湾映画のリメイクで、そちらを観た人は、きっと台湾版の方がずっとよかったと言うだろう。
欠点の多い映画で、つまらない、わけがわからない、不真面目、と思う人も多いだろうし、そうした評も十分理解できるが、たまたま私は胸に刺さった。

惜しくも10本に漏れたのは、「若おかみは小学生!」(泣ける)、「勝手にふるえてろ」(松岡茉優さんがいい)、「止められるか、俺たちを」(なんとも熱い)などの作品である。
いつも大ヒットする「名探偵コナン」だが、「ゼロの執行人」は映画としてもそれなり。
その他、「恋は雨上がりのように」「OVER DRIVE」「羊と鋼の森」といった映画も楽しめた。

さて、もちろん、大変なことも多いだろうが、邦画をめぐる環境は悲観一色ではないと思う。
メジャー作品には、漫画原作やテレビドラマの映画化といったパターンが並ぶが、そればかりではなくしっかりした作品も作られている。
いい作品はちゃんと評価される可能性が高い。
また、「カメラを止めるな!」の大ヒットは作り手に大きな勇気を与えたはずだ。
ただ、明らかに酷い作品も散見される。
そちらは、後日「あれまあ映画編」で紹介するが、映画自体を貶めるような作品を公開するのは、なんとかやめてもらいたい。

2019年も、いい邦画に出会えますように。
熱い魂に触れられますように。
映画の神様にお願いする。

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