SSブログ

生真面目な人が多いなあ  ~ プロレスイベントで「山ちゃん失神」にガチギレする方々 ~ [ヨモヤ]

私は、お笑いの人がはめられるドッキリが嫌いだ。
だんだん仕掛けが大きくなってきていて、相方だけではなく多くの関係者を巻き込み、何日もかけてダマしていく。
まあ、面白いと言えば面白いのだろうが、あんなことを一度でもされたら、私ならそれからはもう人を信じられなくなる。
だから、そうした番組は見ないように注意している。

一方で、芸人さんが了解済みでやっていることは、かなりの無茶な企画でもあたたかく見たい。
「なにもそこまで」というものもあるが、そうしてしまうのが芸人であり、現代のロックンローラーの姿である。

さて、
『マッスルマニア2019 in 両国~俺たちのセカンドキャリア~』
なるプロレスイベントが開催されたという。
そのなかで、急きょ(ということになっているらしい)実現した南海キャンディーズ・山里亮太さんと安田大サーカス・クロちゃんのプロレス対決があり、
山里さんは男色ディーノ(まあ、そういう選手がいるんです)、
クロちゃんはスーパー・ササダンゴ・マシン(煽りパワポでおなじみ)
と組んでタッグマッチ。
ご丁寧に、敗者キャプテン肛門爆破デスマッチ(まあ、そういうのがあるんです)だったそうな。

どうやらこの試合、「失神」が一つのテーマだったらしい。
国技館つながりで、蔵前国技館での第1回IWGP決勝、アントニオ猪木vsハルク・ホーガンにおける「猪木、舌出し失神」のパロディである。
そこでササダンゴさんが、山里さんにホーガンさんの必殺技であり、猪木さんを失神させたアックスボンバーを放ったものの山里さんが失神しなかったため、強引にチョークスリーパーを決めて失神させたのだそうだ。
しかし、猪木さんと違い「舌を出してないのでインパクトに欠ける」ということで、うつ伏せで失神している山里のタイツを脱がせ「シタ」を出したということで
「山里、シタ出し失神」
とオチを付けたのだという。

まあ、試合そのものを見ていないので実際のところはわからないが、山里さんのやられっぷりは笑えただろうと思う。
ネットに「会場で見ていた」という人のコメントが載っていたが、
「鉄板のコント」
「拉致されてきた設定のクロちゃんが、レスラーと息の合ったプロレス技を出してくるのにも大爆笑」
とあったが、まあそうだろうなあ、と思う。

しかし、今の世の中、そうは思わない人がいる。
笑うということが、苦手な人たちなのだろうか、なんでもガチに受け取る。
そうした人が多数派だとは思わないが、書き込んだり、クレームにしたりする一定の割合の方々がおられる。
このネットの記事への書き込みをいくつか抜粋してみると、いやはやなんとも、という気になる。
例えば、
「プロレスのリングに上げて後々、後遺症とか残ったら責任とれるの?」
「プロレスは遊びじゃない!」
「生死に関わる」
「失神したのを見て、笑える話ではない」
「テレビ見ている子供が真似してもいいのだろうか?」
「プロが素人いじめてなにが面白いんだろうか」
「著しくプロレスの地位を下げている」
「人権無視、公開いじめ」
「虐待もいじめも自殺も増え続ける理由はこういうものにもあると思う…」

これらのコメントは私が作ったわけではない。
ネットで「肛門爆破」の記事を読まれた方が、本気で書かれたものである。
心優しいというのか、
生真面目というのか、
ウブというのか、
世間をご存じないというのか、
なんと申し上げたらいいのか。

もちろん、何の悪気もなく、山里さんを心配されてのコメントなのだろう。
本気の心配かどうかはともかく。
しかしこうしたコメントが増えることで、表現の枠が縮まっていくことも事実であろう。
それがいいこととは思えない。

少なくとも、
「山ちゃんがかわいそう」
と思うことが、一番、
「山ちゃんがかわいそう」
なのは確かだと思う。
せっかく身体張ったのに。

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事