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政府の経済見通しで思う  ~ 1.4%成長は高い? 低い? ~ [経済を眺める楽しみ]

「政府は2020年度の経済見通しで、実質国内総生産(GDP)の伸び率を、前年度比1.4%とする方針」
との記事が日本経済新聞に掲載されていた。
たかが1.4%だが、
日本の潜在成長率は1%程度とされているし、
民間エコノミストは0%台を予想している人が多いようなので、
これでもかなりの強気予想ということになる。

政府は、新たな経済対策が景気を押し上げると見ているようなのだが、どうだろう。
公共投資については、乗数効果は小さくてもなにがしかのプラスは生むだろうが、
キャッシュレス決済に対するポイント還元制度などについては、効果は未知数である。
自律的な経済成長ならいいのだが、
政府支出とそれによる効果を見込んでの経済成長は、ちょっと割り引いて考えた方がいいのかもしれない。

政府の経済見通しが外れたところで、どのみち見通しなのだから気にしなければいいと思いたいところだが、
これが予算案に盛り込む税収見通しの前提となるから、どうでもよくはない。
つまり、経済が成長するその分の税収も増えると見込むから、歳出もそれだけ増やすことができる、
ということになる。
そのとおりに税収が確保できればいいが、予算に到達しないと、さらに赤字が膨らむことになる。

金融政策の効果が限定的となってきたなか、
財政政策への期待が高まるのは自然であろう。
一定の対策を打つことも必要だと思う。
しかし、どうせやるのなら、意味があり、かつ効き目がある内容に限定するべきである。
マイナンバーカードの普及策などについては、経済効果はどうなのだろう。

財政赤字が膨らんでも金利は超低水準に張り付いたままであり、
このタイミングで財政政策を打つ意味はあるだろう。
しかし、的が外れていてはいくら打っても当たらない。

それにしても、オリンピック開催年の成長率が1%行くかどうかというのも寂しい話である。
前回開催時1964年の頃の10%超えにははるかに及ばないにしても、
瞬間風速でも3%くらいは行きたいものである。
五輪後の反動が心配されているが、
これではそもそも五輪時の山さえ高くない。

来年の今頃、政府の見通しは慎重すぎた、となっていればいいが。

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