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M-1グランプリ2019 観戦記 ~ 漫才がある国に生きている幸せ ゴージャスな夜 ~ [ヨモヤ]

美味しいみそ汁を飲んだとき、
温かいお風呂につかったとき、
「ああ、日本人でよかったなあ」
と思うことがある。
M-1を見ても同じように感じる。
「ああ、漫才のある国に生まれてよかった」

M-1が大好きで、毎年心の底から楽しみにしている。
だからといって、いつも楽しめるわけではない。
今年の大会について、審査員の皆さんが「過去最高」といったようなことをおっしゃっていたが、
いやいや、もっと面白い年もあった。
最終決戦の3本も、正直それほどではなかった。
だから、最高のハッピーエンドとまではならなかった。
とはいえ、十分素敵な時間を過ごさせていただいた。
ゴージャスな夜だった。
芸人の皆さんには心からの敬意を表したい。
皆さんは、凄い。
そして、この10組を選ばれたスタッフも、さすがの目利きである。

簡単に、全組振り返ってみよう。

トップバッターは、「ニューヨーク」。
歌ネタで大爆笑はなかなか難しい。
それなりに笑えたが。
審査員からの講評がやたらに盛り上がったのが楽しかった。

2番手は「かまいたち」。
いつも面白い二人だが、突き抜けるまではどうかと思って観始めたのだが、
いや、やられた。
徐々に笑いが増幅して、最後は大爆笑。
まいりました。

3番目に、敗者復活を勝ち上がった「和牛」。
私は、和牛が好きである。
3年連続準優勝という結果は、「史上最強のM-1芸人」という称号を送ってもいいと思う。
今年は、敗者からというバネもあり、きっちり優勝してくれるものと信じた。
しかし、いきなり水田くんが噛み気味に立ち上がってしまい、前半は見ている方が緊張してしまった。
後半も、和牛にしてはもう一つ。
審査員の得点は思いのほか伸びたが、3組を終わって2位という位置は、決勝進出に黄信号である。

4番目に、「すゑひろがりず」。
袴姿に鼓と扇を携えた伝統芸能スタイル。
古語で言うと、どんなことも面白くなると知った。

5番目が、「からし蓮根」。
若手だけに、もっと斬新で、弾けるネタが見たかった。
審査員の受けはよかったが、私的にはイマイチ。

6番目が、「見取り図」。
ちゃんと面白い。
しかし、ちゃんと面白いだけでは、M-1の決勝で勝ち抜くことはできない。

7番目が、「ミルクボーイ」。
見た目からして、「つまらないのではないか?」という心配をしていたが、あにはからんや。
コーンフレークがどうこうというだけのネタなのだが、
一つ一つのボケツッコミが面白く、急激な右肩上がりで笑いが拡大した。

8番目が、「オズワルド」。
「おぎやはぎ」っぽい笑いで、私はこういうのも好きである。
上位3組に入るかどうかはさておき、十分に笑わせてもらった。

9番目が、「インディアンス」。
にぎやかにされているのだが、刺さっては来なかった。

ここまでで、和牛は3位をキープ。
和牛ファンの私としては、なんとかこのまま残ってほしいと願った。
しかし、今日の出来では残らなくても仕方がないとも覚悟した。

10組目は、「ぺこぱ」。
序盤はすべり加減で、このままなら和牛の逃げ込みかと思ったが、
後半、怒涛の追い上げを見せた。
見ているうちにどんどん馴染んでくる感じ。

結果、最終決戦進出者は、「ミルクボーイ」「かまいたち」「ぺこぱ」の3組。
納得だが、和牛が落ちてしまったのはショックだった。

最終決戦で、一番心配だったのが「ぺこぱ」だが、2本目もしっかりやり切った。
むしろ1本目より面白かった。
「かまいたち」は、1本目の方がよかった。
「ミルクボーイ」は、1本目と同じパターン。
よくできていて面白いのだが、2本目は違う展開を見せてほしかった。

「ミルクボーイ」の優勝に文句はなく、これぞM-1ドリームだと思うが、
2本とも同じパターンというのがなんとも残念。
これなら、和牛の2本目が見たかったというのが本音である。
ファンだからというのがもちろんあるが、M-1のためにも、漫才のためにも、という思いもある。
今日の出来では仕方がなかったとも思うが。

さあ、また来年、である。
爪を研いでいるコンビが何百、何千とあるだろう。
目にもの見せてくれ。

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