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映画評 「一度死んでみた」 ~ 快作!最初から最後まで楽しいデス! ~ [映画評]

こんなときだからこそ、おすすめできる映画に巡り会いたい。
なんとなく外に出たくない、
やっぱり外に出るのが怖い、
そんな方々の背中を押せるようないい映画評が書ける、いい映画に巡り会いたい。
そんなことを思う。

そんな思いで選ぶ映画として「一度死んでみた」はどうなのだろう。
フジテレビ仕掛けの安っぽい映画で、ドタバタして終わりでしょ、と思う人が多いのではないだろうか。
個人的にも、予告編がちっともはまらなかったし。

しかしまあ、なんとこれが面白かったのである。
よっしゃ!
これがあるから、映画は観てみないとわからない。

完全なコメディであり、展開も設定も無茶苦茶である。
リアリティのかけらもないし、そんな奴はいないよ、の連続である。
しかし、ちゃんとそういう世界観をはじめから提示しているので、
すんなりおバカな世界に入れる。
ここがちゃんとできていない中途半端な映画が多い中、この作品はよくわかっている。

作中に散りばめられていた数多くの小ネタたちが、
終盤に一つ一つ回収されていくのも快感。
登場人物のキャラもしっかり立っているし、
個々のエピソードも意味があり、どんどん盛り上がっていく。

この素敵な脚本を書かれたのは澤本嘉光さんという方。
映画の脚本はまだあまり書いておられないが、
CM畑の方で、ソフトバンクの「白戸家」シリーズを手掛けておられるという。
そういえば監督の浜崎慎治さんもCM出身で、「au三太郎」を作った方らしい。
本作では、白戸家とau三太郎が夢のコラボをしていることになる。
このテンポのよさは、まさにCM仕込みといったところだろうか。
ヒノノニトン絡みのくすぐりもある。
軽妙なだけではなく、ストーリーもしっかりしていて飽きさせない。

佐藤健さん、西野七瀬さん、城田優さん、志尊淳さん、古田新太さんといったところが、
ちょい役で出ている。
誰が出ているのか探すのが楽しいとは言えるが、
スター総出演は気が散るので個人的にはあまり好きではない。
果ては宇宙飛行士の野口聡一さんまで。
ただ野口さんは、意味のある役回りである。
プロレスラーの真壁刀義さんと本間朋晃さんも出演。
本間さんの発声の聞き取りにくさがいじられていた。

主演は広瀬すずさん。
数多い若手女優の中でも、広瀬さんは抜きんでた存在と言える。
私は「ちはやふる」での恩義があるので、一生ついていく所存である
共演に吉沢亮くん。
コミカルな役を楽しく演じていた。
シリアスコミカルなんでも行ける堤真一さんが、広瀬さんのお父さん役。
リリー・フランキーさんとの絡みが愉快。

「一度死んでみた」は、秀逸なコメディ作品。
こんなときだからこそ、是非ご覧いただきたい。
いや、この映画はどんなときでも楽しいだろう。
邦画はちょっと、
広瀬さんに興味がない、
テレビ局製作の映画は観ない、
などと食わず嫌いをせず、一度見てみることを強くお勧めしたい。

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映画評 「ジョジョ・ラビット」 [映画評]

邦画を専門に観ている私なのだが、このところ魅かれる作品の公開が細っている。
そこで、評判の洋画も観てみようということで本作。
アカデミー賞に作品賞を含めいくつもノミネートされていたし、
映画評も上々。
魅かれない邦画を無理に観るよりはこっちかと。

映画の舞台は、第2次世界大戦下のドイツ。
しかし、登場人物がしゃべっているのは英語。
「は?」だが、ここに頓着しないのはさすがにアメリカ映画。

メガホンを取ったのはタイカ・ワイティティ監督。
脚本も務め、ヒトラー役として出演もしているから、
完全にこの人の映画と言える。
ニュージーランドの出身で、コメディアンでもある才人のようだ。

きっと面白いだろうと思って観に行ったのだが、
あらあら、なんだか退屈である。
序盤から中盤は、ひたすら眠気と闘った。
ナチスを崇拝しているという設定の少年は想像上のヒトラーの絡みと絡むのだが、
それもステレオタイプで面白みはなく。

終盤、見せ場らしきものはあり、
クスリとできる場面もあり、
ラストシーンも私好み。
だが、全体としては平板。
痛みとか苦しみがほとんど伝わってくることなく、するすると映画は終わってしまった。

映画評とうたっているからには、映画についていろいろ書かなくては、と懸命に記憶をさかのぼるが、
蘇るのは主に睡魔との闘いばかり。

「ジョジョ・ラビット」は、テーマの割に、刺さってくるところのない映画。
シリアスな映画ではなく、
かといってコメディというほど笑えもせず、
心を動かされるわけでもない。
なんとも平らな映画であった。
こんなことなら、魅かれていなくても邦画にしとけばよかったかなあ、と思った次第であった。

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映画評 「仮面病棟」 [映画評]

コロナウィルスの影響で、映画館も苦戦している。
映画ファンとしては、応援したい気持ちで一杯である。
しかし、いいと思えなかった作品を、曲げてよかったと書くのも違うと思う。
本作も、残念ながら残念な出来栄え。
嗚呼。

割と序盤で、
「なんだ、これ?」
と感じてしまった。
早めに、ちゃんと観るモードからツッコミモードに切り替えたのだが、
それにしても最後まで、
「なんだ、これ?」
という映画だった。
嗚呼。

とにかく脚本がめちゃくちゃで、
演出もメタメタ。
見続けるのがしんどかった。

監督は、木村ひさしさん。
木村さんの作品では、「任侠学園」が楽しかったのだが、
その後の「屍人荘の殺人」と本作はやっちゃった感満載。

一応、公開されているストーリーは、
「医師の速水は、一日だけの当直医として元精神科病院に出向く。だがピエロの仮面をかぶった凶悪犯が突然押し入り、傷を負った女子大生と院内に立てこもる。速水は、身元のわからない64人の入院患者や病院の職員らと一緒に監禁されてしまう。しかし、速水は、この病院自体がなにやらおかしいと気づき始める」
といった感じ。
これだけ読むと、サスペンスとして面白くなってもおかしくないのだが・・・。

医師の速水を演じるのが坂口健太郎さん。
女子大生を演じるのが永野芽郁ちゃん。
売れっ子の二人で、個人的に嫌いではないが、この映画ではどうしようもない。
ちゃんと演じれば演じるほど、道化になってしまう。

「仮面病棟」は、どうにもこうにもな映画。
サスペンスとしての緊迫感は早々に失われ、
推理物としてのわくわく感も持ちようがない。
嗚呼。

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それでも内閣支持率が下がらない理由 [ヨモヤ]

コロナショックで世界が揺れる中、報道各社による世論調査が行われた。
それによると、安倍内閣の支持率は軒並み上昇という結果が出た。

どうもマスコミとしては意外な結果だったらしく、
「え!?」
という見出しを付けている新聞もあった。

マスコミの中におられ、
野党のみなさんの批判を共感を持って聞き、
反対大好きな人が集まるネットしかご覧になっていない人にとっては、
今回の支持率上昇は信じられない思いだろう。
「だって、後手後手だったじゃないか」
「学校の休校要請はあまりにも唐突だったじゃないか」
「専門家の意見を聞いていないというじゃないか」
「株は暴落しているし、経済はめちゃくちゃじゃないか」
といったところだろうか。

もちろん、コロナウイルスへの対応が完璧だったとは思えない。
遅れた面もあっただろうし、
調整が十分でなかった面もあっただろう。
しかし、この未曽有の事態に、総理が先頭に立っている感が出てきたのも事実である。
休校に意味があるのかないのかよくわからないし、混乱が生じたことは間違いないが、
このことにより一気に危機感が増したのは確かである。
総理が批判をまともに受ける覚悟があることが見えた瞬間でもあった。
また、世界を見れば、今や先進国で日本が最も感染を抑え込めている国になっている。

マスコミの方々が、
間違っていると思う政策について、
信念をもって反対されるのは大切なことである。
何事も、批判がないとよくなっていかない。
しかし、なんでもかんでも揶揄するように報じたり、負の側面ばかりを伝えたりするのは、
健全な姿勢とは思えない。

いいときはいい、と素直に言っていただきたい。
協力すべきときは、それを訴えていただきたい。
間違っていたときは、きちんと訂正していただきたい。
権力を批判するのはマスコミの大切な役割だが、
マスコミの役割はそれだけではないはずだ。

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FRBが満額回答を出しての暴落はキツイ [経済を眺める楽しみ]

2007年当時、アメリカの政策金利は5%を超えていた。
その後、サブプライムローン危機に端を発した金融不安が広がり、リーマンショックでそれが弾けた際には、
急速に政策金利を下げ、2008年にはほぼゼロ金利とした。
日本のバブル崩壊時の教訓から、迅速に対応した結果であろう。
それから2015年末まで7年間、政策金利はゼロ近辺に据え置かれ、量的緩和も実施された。
アメリカ経済は、こうした金融政策の後押しもあって力強く回復し、株価は市場最高値を付けるに至った。

ゼロ金利、量的緩和、というかつてない金融政策は、バブル発生という副作用とも背中合わせである。
そこでFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)は、2016年くらいから、こつこつと政策金利を上げていった。
とにかく景気がいいままにしておきたいトランプ大統領に厳しく促され、
2019年から再び利下げに転じたが、FRBとしては政策余地を残しておきたいというのが本音だったはずだ。

しかし、今回のコロナショックでは四の五の言っている場合ではない。
ここで、1%の緊急利下げに踏み切った。
それまでコツコツ上げていった金利を一気にゼロにしてしまうのは、断腸の思いだったのではないだろうか?
市場は利下げを求めていて、その幅も1%という声が強かったのも事実だが、
まさにそれに満額の回答を出した。
FRBとしては切れるカードは惜しみなく切ったということになる。

しかし、週明け16日のニューヨーク株式相場は、急反落となってしまった。
ダウの下げ幅は前週末終値比で一時2,800ドル近くに達し、過去最大となってしまった。
その後、多少戻してはいるが、FRBが打てる手を打った翌日にこの下げはキツイ。
もう金融政策でなんとかできる部分はほとんどないということだろう。
トランプ大統領は、FRBのことを痛烈に批判していたが、今やボールは大統領側にある。

やるだけのことをやったアメリカ株が暴落で帰ってきては、日本株もさらなる底を見に行くことになるだろう。
円高が進んでいないのが救いではあるが、小さな救いである。

中国の感染はピークを打ったと言われ、
日本国内も徐々に落ち着きを取り戻している。
しかし、世界の混乱はまだこれからだ。
金融市場のさらなる下落に身構えるとともに、私たちは一人一人ができることをしたい。
地元で買い物をするのもその一つだと思う。
一人一人がやってはいけないことをしないようにもしたい。
買い占めや感染者差別は事態を悪くする一方である。

そして、各国の政策が功を奏することを祈ろう。
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素晴らしい春の日を寿ごう ~ コロナを正しく理解し、過剰に恐れない ~ [ヨモヤ]

3月15日、関東地方は前日の雪から打って変わっての素晴らしい晴天。
英語で言えばbeautiful day。
こんな素晴らしく美しい日は、家にこもっていないで春を寿ごう。
もちろん、コロナの問題がある。
しかし、感染の実態も分かってきた。
過剰に恐れることはない。

知見が蓄積されているのは、日本での感染の中心地のひとつになった北海道。
3月14日現在で道内の感染者は142人となっている。
しかし、官民挙げての取組みで、手の施しようがなくなるような感染拡大には至っていない。
また、どのような状況で感染するのかも見えてきた。
闇雲に恐れている人も少なくない状況だが、どういう条件なら感染につながりやすいのか冷静に考えたい。

まず年齢だが、これはよく知られているとおり、中高年に症状が出やすい。
北海道では、60代以上で約半数を占めている。
重症者も中高年が多い。
若年層は発症例が非常に少なく、発症しても軽症で済んでいる。

感染が見られるのは、
・換気の悪い密閉空間
・多くの人が密集
・近距離で会話や発声が行われた
という3つの条件が同時に重なった場が中心である。
もちろん、上記の条件が重なっても、感染者がいなければうつることはない。
当たり前だが。

さらに、濃厚接触者からの感染が確認されたのも、約2割にとどまるという。
その多くは家族や同僚であり、
感染者が移動した経路や、
感染者が働いていた場所などに行ったからといって感染するわけではないようだ。

見えないものを怖がる気持ちはわかる。
しかし、過剰に恐れては別の大切なものを失ってしまう。
さらに、感染した人を差別したり攻撃したりするのは、全くおかしい。
そんなことは絶対にしてほしくない。

美しい日を美しいと寿ぐ。
そんな当たり前の日々を当たり前に過ごしたい。

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コロナに隠れてはいるが日本人アスリートが頑張っている [ヨモヤ]

テレビも新聞も雑誌も、
どれもこれもコロナばかりである。
ネットはマスを獲得する必要がないので、いろいろな話題があるが、
その分言いたい放題であり、人やネットの悪い面があふれ出ている感もある。

コロナに隠れてしまったのが、世界で活躍している日本のアスリートたちの活躍。
ちょっと古いものもあるが、振り返ってみよう。

まず、スケート陣が素晴らしい成績を残した。
女子では、日本のエース・小平奈緒さんが、ワールドカップで3シーズンぶり3度目の総合優勝を果たした。
さらに男子でも、23歳の新濱立也さんが総合優勝。
日本男子として清水宏保さん以来、19年ぶりの快挙となった。
つまり、日本人が男女ともに総合優勝をさらったことになる。

スケート陣の快挙はほかにも。
世界距離別選手権では、女子チームパシュートで世界記録を樹立して金メダルを獲得。
世界選手権では、500メートルと1000メートルを2度ずつ滑る「スプリント」で、高木美帆さんが初優勝。
高木さんは、短距離から長距離の4種目で競う「オールラウンド」で2年前に世界一に輝いており、
短距離タイトルとの2冠は女子で史上5人目、日本勢では男女通じて初という快挙を達成した。

史上初という点では、高梨沙羅さんの記録も素晴らしい。
ワールドカップ15戦目のノルウェー大会で優勝し、
ジャンプ女子で初めてワールドカップ個人通算100度目の表彰台に立った。
100度目の表彰台は、歴代最多108度の記録を持つ男子のヤンネ・アホネンさん(名前が親しみやすいので日本人にもなじみがある)に続く、史上2人目の快挙である。

冬のスポーツ以外でも世界で活躍している選手がいる。
卓球の伊藤美誠選手が世界ランキングで2位になる見込みであり、
これは現行のランキング制が開始された1991年以降、男子も含めて初の快挙である。
上位を中国勢が独占しているなか、伊藤さんの奮闘ぶりが目立つ。

自転車トラック種目でも新しいスターが誕生した。
1日に4種目を行う女子オムニアムで梶原悠未さんが世界選手権で金メダルに輝いたのである。
世界選手権で日本選手が頂点に立つのは、実に33年ぶり4人目、女子では初の快挙である。

感染がヨーロッパを中心に世界に広がり、オリンピック・パラリンピックの予定どおりの開催に暗雲が垂れ込めている。
しかし、選手たちはどんな状況でも歩みを止めない。
言われなくてもがんばるだろうけれど、
がんばれ!

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株価暴落でGPIFも私のポートフォリオも大ダメージ ~ でも、世界の終わりでは全然ない ~ [資産運用]

世界中で株価が下落している。
いや、下落という表現では生易しいだろう。
直近高値から20%以上下落している国が続出しており、
暴落と言っていい水準である。
いや、ブラックマンデー以来の下げ幅となると、大暴落というべきか。

ここまで下がると、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産も大きく毀損しているに違いない。
私たちの年金が株式をはじめ金融市場で運用されているのだが、
この1-3月期は大きなマイナスを出すことが確実である。
これまでのトータルでは大きな利益を生んでいるから、この四半期だけで評価してはいけないが、
絶句するような損失を計上する可能性が高い。
今から身構えておこう。

超零細投資家の私のポートフォリオも惨憺たる状況である。
もっと早い段階で売っておけばいいようなものだが、
こうしたときにはあまり売りたくない。
意味がない突っ張りだが、売りたくないのだから仕方がない。
まだ下がありそうだし、
元の株価に戻るには、数か月か、もしくは年単位でかかるかもしれないが、
気長に待とうと思う。

投資家も大変だが、
もっと大変なのは実際に感染されてしまった方だし、
医療の最前線で戦っておられる方である。
投資家もしんどいが、
もっとしんどいのはお客さんが消えてしまった感じの観光業や飲食業、イベント業の方である。
できることは限られているが、そのなかでもできることをやるとともに、
無駄な買い占めなどで迷惑をかけるようなことは厳に慎みたい。

過去を振り返ればもっととんでもない危機の時もあった。
明日がまったく見えない時もあった。
そんなときでも、世界の人たちは、日本人は、しっかり立ち上がってきた。
大丈夫、世界の終わりでは全然ない。
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映画評 「星屑の町」 [映画評]

能年玲奈さんには、勝手に恩義を感じている。
2014年に公開された「海月姫」、
2016年に公開された「この世界の片隅に」、
で思い切り心を動かされたからである。
ファンというのとはちょっと違う。
なんというか、恩返しのつもりでずっと見守っていこうと思っている。

だから本作も、能年さん主演ということが私を劇場に向かわせた。
題材も面白そうだったし。
しかし、出来栄えは残念なものだった。
能年さんをもってしても、どうにもできないこともある。

監督は杉山泰一さん。
故森田芳光監督の助監督を務めていた方であり、
その縁で森田さんの傑作「の・ようなもの」の続編「の・ようなもの のようなもの」で監督デビューされた。
「の・ようなもの」が大好きな私は「の・ようなもの のようなもの」を胸躍らせて観に行ったが、
こちらも残念であった。

本作は、
『東北の田舎町を舞台に、地方巡業にやってきたムード歌謡コーラスグループと歌手を夢見る女性との出会いを描く。』
というお話で、歌手を夢見る女性を演じるのが能年さん。
コーラスグループを演じるのは、大平サブローさん、ラサール石井さん、小宮孝泰さん、でんでんさんといった面々。
設定と出演者からは面白くなってよさそうなのだが、あにはからんや。
能年さんの行動の意味がさっぱり伝わってこないし、
おじさんたちの心境にも今一つ共感しきれない。
演技自体に文句はないが。
後半の展開も唐突かつ意味不明。
なんでこんなことになっちゃうの。

「星屑の町」は困った作品。
アイドル映画にもコメディ映画にもご当地映画にも人情映画にも、どれにもなり切れていない。
どこいらを狙ったのかしらねえ。

ただ、テーマ曲は楽しい。
映像も楽しいので、まずはこちらをご覧いただき、
これをスクリーンで観るだけでも価値ありと思っていただけるとありがたい。
https://www.youtube.com/watch?v=hCF6cPkksDc

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映画評 「Fukushima 50」 [映画評]

あれから9年経った。

東日本大震災時、原発事故で日本中が大騒ぎになり、
東日本壊滅かとの恐怖が走り、
東京電力批判一色に染まるなか、
現場に留まり決死の覚悟で事後処理に当たった現場の人たちのことを、
海外メディアは「Fukushima 50」と呼んで称えていた。
日本をギリギリのところで守っているのは現場にいる50人だというのだ。
本作は、その闘いの記録である。

となると、面白い映画になりそうな予感がする。
監督は若松節朗さん。
私は、若松監督作品の「柘榴坂の仇討」という映画が大好きであり、本作にも期待が高まった。
だから、通常は一人で映画を観に行くことが多いのだが、今回は家族連れで。
きっといい映画だろうから。
観ておいてほしいと思ったから。
しかしまあ、期待して映画を観に行くと、ねえ。
今作も期待を大きく下回る出来栄えであった。
残念。

今作は、事実に基づくとはいえ、ノンフィクションではない。
であれば、もっと現場の頑張りをわかりやすく演出してほしかった。
主人公の所長の素晴らしさが上手に表現できていなかったし、
危機から脱することができた理由が劇的に描かれていないのはあまりにも残念。
一方で、ノンフィクション色全開でわかりやすい悪役として描かれているのが、
時の首相や東電のトップ。
もちろん、いろいろあったのだろうが、ああいう描き方をされると、
わかりやす過ぎて興ざめである。

アメリカ大使館や米軍もポツポツ出てくるのだが、
どういうわけか演技も言葉もたどたどしい。
やたらと安っぽくもある。
ここらのくだりはバッサリ無い方がよかった。

「Fukushima 50」は、残念な映画。
佐藤浩市さん、渡辺謙さん、吉岡秀隆さん、平田満さん、佐野史郎さん、
吉岡里帆さん、富田靖子さん、安田成美さん、
といった俳優陣を得ながらこの出来栄え。
この題材で別の作品が作られる可能性があまり高くないことを考えると、
本当にもったいない。

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