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日本映画のためを思うと心が沈む「新聞記者」の日本アカデミー賞受賞 [映画評]

3月4日付のブログにも書いたが、
今年の日本アカデミー賞はノミネートの段階からひどかった。
なぜよりによってその作品を選ぶのよ、と思わせる選考が相次いだ。
ただ、例年「?」が付く選考が多いのも事実であり、そのため、
ちゃんとした映画ファンは、この賞のことをまともに取り合っていないだろうことも書いた。
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2020-03-04

だから、鼻で笑って、気にしなければいい、という考え方もある。
相手にするだけ損だ、という意見もあるだろう。
気に入らないなら無視すればいいというのが大人の対応なのかもしれない。
しかし、邦画ファンとしては真っ向から怒りたい。
ちゃんとした映画を、ちゃんと選ばなければ駄目だ。

最優秀作品賞に選ばれたのが「新聞記者」。
私は、ネットニュースを二度見してしまった。
「え、嘘?」
という感じである。
監督も驚かれているのではないだろうか。
「新聞記者」の前に藤井監督が撮られた「デイアンドナイト」はまさに渾身の一作という感じだったが、
「新聞記者」の方はお手軽ペラペラな作り。
お子様向け。
こちらが評価されることにどんな思いをされているだろう。

「新聞記者」は、反体制色が強い映画である。
なぜかその点を高く評価される方がおられるのだが、
映画は映画の出来で判断すべきである。
反体制なら出来はどうでもいいのだろうか。

日本アカデミー賞の選考ぶりを見ていると、
真面目に映画を作っている人のことを思って心が沈む。
相手にしなければいいのかもしれないが、
日本映画のためには呆れていないで、真面目に怒った方がいいと思うので怒っている。

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