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悲しいかな 予想する気力も湧いてこない今年の日本アカデミー賞  [映画評]

手前味噌で恐縮だが、去年私は日本アカデミー賞を予想し、
9部門中7部門を的中させた。
エッヘン。
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2019-03-02

3月6日に日本アカデミー賞の授賞式がある。
今年も予想しようと思ったのだが、どうにも気力が湧かない。
ノミネート作品がまったくピンと来ないからである。

最も注目される「作品賞」に選ばれたのは、
「キングダム」「新聞記者」「翔んで埼玉」「閉鎖病棟―それぞれの朝―」「蜜蜂と遠雷」
の5作品。
このうち「新聞記者」はハラホロヒレハレな作品だし、
「閉鎖病棟」も平山監督の作品としては残念な出来。
「翔んで埼玉」は楽しませてもらったが、評価されるのは少し違う。
「キングダム」は大好きな映画だが、作品賞となるとどうか。
残ったのは「蜜蜂と遠雷」で、確かにいい映画だったし、おそらく本作が受賞するのだろうが、他のノミネート作品がまったくしっくり来ないので、わくわく感がない。

俳優関係の賞になると、一層悲しみがつのる。
どうしてこの作品のこの人を選ぶのか、いったいどういう了見なのか、とさえ思ってしまう。

主演男優賞にノミネートされたのは、
笑福亭鶴瓶さん「閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー」
菅田将暉さん「アルキメデスの大戦」
中井貴一さん「記憶にございません」
松坂桃李さん「新聞記者」
GACKTさん「翔んで埼玉」
の面々である。
5人とも好き嫌いで言えば好きな役者さんたちであるが、ここにノミネートされた作品の演技で選ばれるのは疑問だらけである。
このなかで映画と演技がかみ合っていたのは菅田くんだと思うが、作品自体が他部門で全く評価されていないので、おそらく受賞はないだろう。
中井さんは安定感抜群で、本作でも笑わせていただいたが、いつもの感じであって。
他の方についてはなんとも。
役者さんが悪いのではなく、選ぶ方がどうかしていると思う。

主演女優賞にノミネートされたのは、
シム・ウンギョンさん「新聞記者」
二階堂ふみさん「翔んで埼玉」
松岡茉優「蜂蜜と遠雷」
宮沢りえ「人間失格 太宰治と3人の女たち」
吉永小百合「最高の人生の見つけ方」
の5人。
こちらも、いやはやなんというか。
シム・ウンギョンさんの演技には賛否両論あったようだが、私は好感を持った。ただし、映画自体がひどい。
ここは松岡さんが順当に受賞されるだろうが、もっとほかのいい映画での女優さんもノミネートされたうえでのガチな争いが見たかった。

日本アカデミー賞がほにゃほにゃなのは周知の事実のようなものであり、
多くの映画ファンがはじめから重きを置いていないだろう。
だから、そんなに目くじらを立てることもないのかもしれない。
しかし、いい映画を作り、いい映画を残し、いい映画を広めていくためには、
こうした場で正しい評価をしていく必要があると思う。
青臭いことを言うようだが。
もう今回はどうにもならないが、来年の日本アカデミー賞では、
さすがに映画人の選ぶ映画はすごい、とうならせてほしい。
日本映画の最高峰を決めると謳うのなら、その責任を果たしてもらいたい。
それほど無理筋とも思わないのだが。

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