映画評 「初恋」

次々に話題作を送り出す三池崇史監督の新作。
主演は窪田正孝くん。
ヒロイン役の小西桜子さんはまだ無名の存在。
脇を大森南朋さん、染谷将太さん、三浦貴大さん、ベッキーさん、内野聖陽さんら、
濃ゆいメンバーが固める。

この映画、期待どおりに面白かった。
三池監督がこんな映画を作ってくれないかなあ、と思っていたとおりの作品だった。
面白く、
ハチャメチャで、
爽快感もある。

だから、文句なし、のはずなのだが、
なんだろう、このもやもや感は。
不完全燃焼感は。
面白かったんだけど、
楽しかったんだけど、
何かが足らなかった。

脚本もいいし、
演出もいいし、
芝居もいいのに、
何か物足りない。
それが何なのか、うまく説明できない。

役者陣はエンジン全開。
窪田正孝くんは、ピリつく若者役がぴったり。
新顔の小西桜子さんは、体当たりで大役に挑まれていた。
大森南朋さん、染谷将太さん、ベッキーさん、内野聖陽さんといった面々は、
まさにぶっ飛ばしていた。

「初恋」は痛快なバイオレンス作品。
タランティーノ的な楽しみ方もできる。
映画ファンならご機嫌に観ることができると思うのだが、
はてさて、私はもやもや。