しみじみ総理大臣は大変だ ～ 「いつか自分が」と牙を研いでいる若者がいますように ～

もちろん、総理大臣は大変である。
そんなことは重々わかっていた。
しかし、ちゃんとはわかっていなかった。
もちろん、これからもわかりはしないだろう。
総理大臣は大変だ、としみじみ思いはしても。

何を言っても、何をやっても、
ああだこうだと批判される。
世の中のうまくいかないことすべての責任を負わされる。
たまったものではないが、
たまったものではない、
などとは決して言えない。

今回のコロナウイルスへの対応については、
何かやれば後手後手と言われ、
様子を見れば何もしない、リーダーシップがないと言われ、
リスクをとって決断すれば専門家の意見も聞かずと言われ、
まあさんざんである。

私は、
今は緊急時であり、政府を批判すべきではない、
とは思わない。
我勝ちにトイレットペーパーを買い占めている人間のどの口が他人を批判するのか、
とも言わない（思わない、とまではさすがに書けないが）。
権力というのは批判されるものだし、
批判されてより磨かれるものもある。
リスクを取り、対案も出しての健全な批判が望ましいが、
そこまで言うのもなんである。

それにしても、自国の総理大臣に対して、
無能呼ばわりしたり、名前を呼びつけにしたり、人格を攻撃したり、
というのは、いささか美しくない。
まあ、しかし、そうした方々を止めることはできそうもないので、
せめて自分はやるまいと戒めよう。
美しくない振る舞いは、本当に美しくないから。
美しくない振る舞いは、伝染するから。

この状況を見て、
「俺ならもっとうまくやる」
「いつか権力を握って、俺がこの国を導いてやる」
と奮い立っている若者がいることを願う。
「こんなに叩かれちゃかなわんなあ」
「この人たちを守る気にはなれないなあ」
などと思わないでほしい。
まあ、真のリーダーになる人なら、こんなことで怯みはしないだろうけれど。