SSブログ

ミキが落ちて金属バットが残ったM-1準々決勝 [ヨモヤ]

今年もM-1がある。
一時は今年は難しいかとも思ったので、素直に嬉しい。
日曜の昼にはNHKのど自慢があり、
年末にはM-1がある日本であり続けたい。

さて、『M-1グランプリ2020』の準決勝進出25組が発表された。
今年は、過去最高の5081組がエントリーしたという。
ミルクボーイやぺこぱのブレイクに触発され、我もというコンビが増えたのだろうか。

準決勝に残ったのは、以下の面々。
キュウ、ダイタク、カベポスター、オズワルド、ロングコートダディ、コウテイ、ニッポンの社長、ニューヨーク、タイムキーパー、ゆにばーす、おいでやすこが、滝音、マヂカルラブリー、学天即、からし蓮根、ランジャタイ、東京ホテイソン、アキナ、インディアンス、祇園、錦鯉、ウエストランド、見取り図、金属バット、ぺこぱ。

一方、準々決勝で敗退した主な面々は、
EXIT、四千頭身、ミキ、三四郎、トム・ブラウン、コロコロチキチキペッパーズ、すゑひろがりずなど。

私は今年の優勝はミキだと決めつけていた。
ネタは安定して面白いし、茶の間にもしっかり浸透した。
銀シャリ以来の、漫才らしい漫才の優勝者が出ると思っていた。
ここで落ちるとは意外である。
準決勝に残ったのは、異色のコンビ揃い。
個人的に応援しているが、とてもではないが万人受けはしないだろう金属バットがここまで残っている。
金属バットのネタがミキや四千頭身より受けたとは信じられないが、嬉しい誤算ではある。
今年のM-1も楽しそうである。

決勝の司会は、安定感抜群の、今田耕司さんと上戸彩さん。
安心して任せられるお二人である。
いろいろ取りざたされた審査員も結局去年と同じメンバー。
松本人志さん、オール巨人さん、上沼恵美子さん、中川家・礼二さん、富澤たけしさん、立川志らくさん、塙宣之さんの7人である。
M-1の審査員は、出場者並みに削られる仕事だと思う。
今年もお疲れ様です。

私はそうは思わないが、日本を夢のない国のように言う人がいる。
しかし、少なくともM-1には夢がある。
自らの存在のすべてを賭けて戦う真剣勝負の場でもある。
今年も心して見たい。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

価値観を共有でき、互いが親しみを持てる国と共に進みたい [ヨモヤ]

オーストラリアのモリソン首相が来日した。
コロナ禍で訪日する初めての外国首脳ということになる。
モリソン首相は、
「(菅首相を)ヨシと呼ばせていただきたい。
私のことはスコーモと呼んでほしい」
とリップサービスし、友好ムードを盛り上げた。
ちなみに、首相の名前であるスコット・モリソンの頭をとってスコーモである。

オーストラリアは、コロナの水際対策に力を入れている。
海外からの帰国者には厳しい隔離措置がなされる。
これは首相も例外ではない。
海外から帰国する自国民にも宿泊施設で14日間の隔離を義務づけており、モリソン首相も帰国後、公邸での隔離となるという。
その結果、議会にもオンラインで参加しなければならなくなるそうだ。
記者に
「そこまでしてなぜ?」
と尋ねられ、モリソン首相は
「日本との関係は特別だ」
とおっしゃったらしい。
「対日関係は経済分野だけでなく、文化や社会、戦略面で、とても特別で新首相と関係を築く重要な機会になる」
と考えておられるのである。

ここまで日本のことを尊重する背景としては、中国との関係悪化があるのだろう。
少し前までは、両国の貿易は拡大の一途となり、非常によい関係に見えたが、
中国に強硬姿勢を見せるアメリカと足並みをそろえる形でギクシャクし始め、
新型コロナが決定打となり、
昨今は「過去最悪」とまで言われるまでに冷え込んでいる。

オーストラリアとすれば、中国との関係修復が見込めないなか、
アジア太平洋地域での経済大国である日本と連携を強化することの重要性を認識しているのだろう。
当たり前のことだが、首相の個人的嗜好や思い付きで動いているわけではない。
日本との関係を深めることが、国益にかなうとの判断なのだろう。

しかし、たとえそうだとしても、
オーストラリアと日本は、
価値観を共有でき、
お互いが親しみを持てる関係である。
そうした国と進むのは、気持ちがいい。
そういう国と進みたい。

反対に、
価値観が共有できない国との関係には慎重でありたい。
我が国を仮想敵国のように見なしている国とは距離を取りたい。
当たり前のことだと思う。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「ホテルローヤル」 [映画評]

直木賞受賞の原作を、
波瑠さん、松山ケンイチさんらのキャストを得て、
「百円の恋」「全裸監督」の武正晴監督が映画化。
となれば、面白くならないはずがない。
と思う。
しかし、それがそうはならないのが映画の難しいところ。

ラブホテルが舞台なのに、ドキドキもワクワクも控えめ。
エッチ要素もなくはないが、ときめきはない。
映画自体、スルスルと始まって、スルスルと終わってしまった感じ。
何もなかったわけではなく、あれやこれやあったのだが、
訴えてくるものはなく。
「百円の恋」ではグイグイ来た武正晴監督が、今回は随分と淡泊。

波留さんがラブホテルのおかみさんとなるのだが、その流れも今一つ。
役柄ははまっていたようには思えたが。
松山さんの役柄にも魅力があまり感じられず。
なんだかもったいなかった。

物語のカギを握る役を、伊藤沙莉さんと岡山天音さんが演じる。
伊藤さんは、このところ映画に出ずっぱりな感さえある超売れっ子。
どんな役でもできる芸達者だが、女子高校生役はさすがに違和感ありまくり。

「ホテルローヤル」は、期待して観に行くと拍子抜けさせられる映画。
あれ、これで終わり、という感じの作品であった。
印象はやたらと薄い。
本当に観たんだっけ、と自問してみると、確信が持てなくなって来る。
どうだったっけ、本当に観たんだっけ。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

過大な期待をしないで見れば紅白は面白い ~BABYMETALを楽しみに~ [ヨモヤ]

第71回を迎える紅白歌合戦の出場歌手が発表された。
今年は史上初の無観客開催となるらしい。
開催されるだけでもよしとするべきだろうか。

紅白については、毎年「つまらない」という意見があふれる。
出場歌手がつまらないし、
演出もつまらない、
というわけである。
確かにつまらないと思うことも多いが、過剰に期待せずに見ると、
案外面白い番組である。
セットはえらく凝っているし、
歌い手の気合の入り方も尋常ではない。
真剣勝負の緊張感が伝わってくる。

と言いながら、最初から最後までじっくり見るわけではないが、
今年もちらちら見ようと思う。

私の注目はBABYMETAL。
海外での活躍が注目される彼女たちにとって、紅白への出場にどれだけの意味があるのかわからないが、
お茶の間にパフォーマンスを届けられるのは素直に嬉しいし、楽しみ。
もちろんそうなるだろうと思うが、BABYMETALは神バンドとセットなので、
きちんと生演奏でお願いしたい。
そして、できれば2曲。
初出場の若手グループに特別扱いは難しいかもしれないが、
アメリカのビルボードチャートで、坂本九さんの記録を53年ぶりに書き換えた彼女たちなら、
許されていいように思う。

紅白の出場者が発表されると、いよいよ年の瀬が近づいてきたと実感する。
厳しい一年だったが、ひと時それを忘れることができ、
明日への活力ともなるような、そんな歌合戦になったら素敵である。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

最も強く、最も勝利にどん欲なチーム ~ソフトバンク4年連続日本シリーズ進出~ [ヨモヤ]

プロ野球ファンが好きな話題に、
「史上最強チームは、いつの年代のどのチームか?」
というものがある。
特に決めはないが、一年間だけ強かったというのではなく、少なくとも3年間くらいは強さを保持し続けたチームから選ぶ形になることが多い。

よく挙げられるのは、
1956年から3年連続日本一に輝いた西鉄
1965年から9年連続!日本一に輝いた巨人
1975年から3年連続日本一に輝いた阪急
1982年からの11年間で8回日本一に輝いた西武
そして、
2014年からの6年間で5回(まだまだ伸びるかもしれないが)日本一に輝いたソフトバンク
といったチームだろう。
今のソフトバンクは、歴史的な黄金時代を築いているといっていいと思う。

勝ち続けると、どうしても「慣れ」のようなものが出てくる。
何回も勝っているうち、モチベーションが下がってくるのは避けようがない。
そうしていつか、黄金期は過ぎていく。

しかし今のソフトバンクを見ていると、そんな心配は無用に思える。
最も強く、そのうえ勝利にどん欲であるように見えるからである。
「慣れ」から生まれる気のゆるみがうかがえない。
それは、選手の新陳代謝が進み、
チーム内に競争が生まれ続けているからだろうか。

もともと強く、戦力的に上回っているチームが、
勝ちに、その一球に、その一瞬にどん欲なのだから、
それはもう、なかなか負けはしない。
2020年のロッテとのクライマックス・シリーズでも、どん欲さをフルに感じた。
泥臭いほどに。

日本シリーズの顔合わせは、去年同様、ソフトバンク対巨人。
去年は4連勝でソフトバンクが巨人を一蹴したが、今年もソフトバンク優位は揺るがないだろう。
先発投手陣の陣容はむしろ今年の方が充実しているように見えるから、
このソフトバンクを倒すのは骨である。
もし巨人が初戦を菅野で落とすようなことがあれば、再び一方的な展開になる可能性がある。

ただ、今年は異例づくめの年。
交流戦が行われなかったので、力の比較がしにくい面があるし、データも普段よりは揃っていないだろう。
また、去年の屈辱を胸に秘めている点で、勝利へのモチベーションは巨人の方が上回っていると思われる。
うまく滑り出せれば、番狂わせが起きる目も、もちろんあるだろう。

クライマックス・シリーズは2試合で終わってしまったが、両方とも熱い試合だった。
特別な年を締めくくる日本シリーズでもぜひ熱い戦いを期待したい。
プロ野球っていいな、と改めて感じられるような。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「ジオラマボーイ・パノラマガール」 [映画評]

本作は、1980年代から90年代にかけて活躍された漫画家・岡崎京子さんの同名タイトル作品を映画化したもの。
岡崎さんは、バリバリ活躍されていた1996年に交通事故に遭われ、作家活動はそこで停止している。
しかし、本作のほか、「チワワちゃん」「リバース・エッジ」「ヘルタースケルター」といった作品が、長い時を経て次々映画化されるという稀有な存在である。

東京ボーイミーツガールストーリーとの触れ込みで、
「時代が、街が変わっても、『好き』の気持ちは、しぶとく残る。」
とのキャッチにもそそられた。
私は結構恋愛ものが好きなのだ。

ただし、この作品は単純な恋愛ものと比べるとかなり距離があった。
SFチックではないのだが、登場人物の行動が理解不能。
それゆえ、二人のすれ違いが描かれるが、キュンとしたりはしない。
私の心にしみてくるものもなかった。

ヒロインの山田杏奈さんは、溌溂と好演されていると思うが、
役に魅力が感じられない。
平凡な女の子という設定なのだが、ならばそれで押し通してほしかった。
引き込まれる造形はされていないし、男の子を好きになる理由もわからない。
鈴木仁さん演じる相手方の方には、少し惹かれる要素がある。
少し。
二人の役柄に魅力がないので、物語に入っていけない。
乾いたタッチになっているわけでもなく。

描きたいものはなんとなく伝わってくるし、
私の好きな世界であるようにも思う。
しかしちょっとずれている。
ちょっとしたずれはかえって大きな違和感となり、私は疎外された。
都会の若者を描くのなら、もっと違った撮り方があったのではないだろうか。

「ジオラマボーイ・パノラマガール」は、なんかムズムズする作品。
振り切れているようで振り切れていないようで、
ポップなようなポップでないようで。

この映画を観ていて、「なんだか疲れたなあ」と感じた。
どうしてこの映画を観ているんだろう、などとそもそもに立ち返ってみたりして。
なんだか、疲れたのだ。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

命がけで財政規律を守る国 [公会計]

我が国の財政の現状については、専門家の間でも両極端な意見が出される。
積極派は、
日本の財政に全く問題はなく、
そもそも先進国の財政が破綻することなどはない、
という。
財政規律派は、
借金は子や孫の代を苦しめるものであり、
このままではハイパーインフレに襲われる、
という。
両者が交わることはなさそうだ。

コロナ禍において、日本の財政はさらに悪化した。
財政出動したのは日本だけではなく、世界中で債務が膨れ上がったのだが、
もともとGDP比で突出して多かった我が国の債務残高が、輪をかけて大きくなったのも事実である。

13日のテレ東系の経済ニュース番組「モーニングサテライト」に、東短リサーチの加藤出さんが出演され、
「コロナで借金を重ねる前に・・・」
というテーマで話をされた。
私は、モーサテにゲスト出演される方は、どなたも信頼している。
根拠なく偏った見解を示されることはない。
この日の加藤さんも、日本の負債が膨らむことに警鐘を鳴らしつつ、財政規律一辺倒の話ではなかった。
覚悟のようなものを訴えられた。

例として出されたのは北欧のスウェーデン。
1990年頃は、日本と債務残高がほとんど同じくらいだったそうだ。
それが今では大きな差がついている。
この原因を北欧の税金の高さに求めることはたやすいが、加藤さんはそれだけではないと主張された。

スウェーデンは、コロナに対し、あまり積極的な対策を取っていないことで知られている。
結果として、多くの感染者が発生し、
人口が日本の10分の1以下であるのに、死者は日本の3倍以上に達している。
さらに、医療がひっ迫し、高齢者には十分な治療ができない状況になっているという。
たまたま高齢者に手が回らないというのではなく、意図的に若者を優先しているというのである。
限られた財源では、全国民を均等に守ることはできないと判断し、
高齢者を後回しにする決定をしているのだという。
これを加藤さんは、「命をかけて財政規律を守っている」と表現された。
そして、このやり方を、高齢者も支持しているというのである。

これがいいかどうかはわからないし、
日本に当てはめるべきかどうかもわからない。
しかし、それだけの覚悟を持っている国もある、
そして、それを国民も支持している、
ということは知っておきたい。

財政をめぐっては、両極端な議論が空回りを続けている感がある。
どちらの立場をとるにせよ、スウェーデンの覚悟は見ならいたいものである。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「おらおらでひとりいぐも」 [映画評]

第158回芥川賞受賞作である若竹千佐子の小説を映画化した作品。
主人公は、子育てを終えたところで旦那に先立たれた老女。
一人暮らしをしているが、行く先と言えば病院と図書館くらいで、過去を振り返りながら寂しく暮らしている。
映画では、頭の中に三人の男たちが存在していて、彼らと会話をしながら日々を過ごしている。
一緒に踊ったりもする。
ただし、呆けているわけではない。

監督の沖田修一さんの前作は、やはり老人を描いた「モリのいる場所」。
なんとなく雰囲気が似た作品になった。
ただ、「モリの」ではたっぷり楽しめた私は、今作はどうにも。

なんともはや、退屈だったのである。
ぶっ飛んだファーストシーンをはじめ、
スクリーンの中では、意外とワイワイやっているのだが、私にはまったく響いてこなかった。
できるのは睡魔と戦うことだけ。
この映画が連れてくる睡魔は生易しいものではなく、何度も屈しそうになった。
私は原作未読だが、おそらくその良さが映像化されていないのではないかと思う。

年を取ることの悲しさ、寂しさ、
一面の自由さ、
過去と向き合う喜び、切なさ、
など伝わってくるものもあるのだが、もっと他の伝え方があったのではないか。
映画の最初と最後で、主人公の心持にそれほど変化が生じることが起きたようにも思えなかった。

主演は田中裕子さん。
昨年公開の「ひとよ」でも健在ぶりを感じたが、完全にメインストリームに帰ってこられたようだ。
これからも活躍を期待したい。
若い時代を演じるのが蒼井優さん。
いつか、田中さんと蒼井さんのがっつりした絡みも見てみたい。
亡き旦那役に東出昌大さん。
しっかり仕事ができるように願っている。
主人公の頭の中の声が具現化した存在として、濱田岳さん、青木崇高さん、宮藤官九郎さんが出演されていたが、せっかくのキャスティングが十分な効果を発揮していたようには思えなかった。

私は「おらおらでひとりいぐも」を全く楽しめなかった。
私自身、老境に一歩ずつ近づいていて、心境がわかるところもあったのだが、それと映画的な興奮は別物。
早く終わってくれることを心から願ったが、それはなかなか叶わなかった。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

日経平均株価25,000円回復をどう見るか [経済を眺める楽しみ]

11月11日の東京株式市場で日経平均株価は、444円高の25,349円で引けた。
これで7日続伸。
終値で25,000円を超えるのは、1991年11月以来、約29年ぶりとのことである。

日本の株式市場ばかり見ていると、
株は危ない、
株は儲からない、
と思ってしまいがちだが、日本以外のほとんどの国で株は継続的に上昇している。
ようやく29年前の水準に戻したという日本は、ちょっと異常である。
ちなみにアメリカのダウの1991年末の値は3,168ドルで今は30,000ドルに近い。
つまり10倍近く上がっていることになる。
いろいろあったイギリスでも、この間に倍以上になっている。

株価の水準を見るときに株価指数はとても便利だが、これがすべてではない。
日経平均も225社だけを取り出しているので、これをどう選ぶかによって指数も大きく変わってくる。
ちなみにアメリカのダウはわずか30銘柄で算出されている。
バブルの頂点だった1989年末の日経平均は38,915円で、そこから比べると25,000円はまだまだの水準である。
しかし、東証一部の時価総額で見ると、1989年末が590兆円であるのに対し、現在は600兆円を超えている。
つまり、225社の選び方次第では、指数ももう少し違う姿を見せていた可能性がある。

また、バイデンさんが大統領に選ばれる可能性が高まるにつれて株価が上昇したもの意外だった。
トランプ大統領の強みは経済に強いことであり、実際、任期中に株価は大きく上昇した。
しかし、敗北濃厚となっても株価が上がるとなると、その神通力にも疑問符が付きそうである。

今回は、不景気のなかでの株高なので疑心暗鬼の人も多いはずだ。
どうせすぐ下がる、
金融政策がじゃぶじゃぶにしているだけ、
などと斜に構えている人も多いだろう。
分析は人それぞれだと思う。
ただし、上がるときにいつも懐疑的では永遠に株ではチャンスをつかめない。
また、いつも懐疑的では分析しているとも言えないだろう。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「ひとくず」 [映画評]

映画が始まってすぐ、「やばい」雰囲気が伝わってくる。
映像は粗いし、音声も汚い。
何か見てはいけないものを見てしまうのではないかという不安に駆られる。

展開は割りとベタだし、
回想シーンも濃密に描かれるので、
理解することはたやすい。
しかし、次のシーンではとんでもないことが起きるのではないか、という得体のしれない緊張感から逃れることはできなかった。
いいことだと思う。

公開されているストーリーをかいつまむと、
犯罪を重ねる主人公は空き巣に入った家で、虐待されている少女と出会う。
虐待を受けた過去がある主人公は、少女を助けようと決意するが、
ヤクザも絡む混とんの渦に巻き込まれる、
といった感じ。

地べたを這いずり回っている人間たちの物語なのだが、
会話がなんとも可笑しい。
男は、二言目には、
「ブス」
「バカ女」
と罵り、
女も負けずに口汚く言い返す。
愛情があるからこそ言い合っている、というほのぼのしたものではなく、
彼らにはこうした言葉しかない。
ヒリヒリ痛いのだが、
それがなんとも可笑しい。
笑いに近いものを狙っているわけではないのだろうが、
感情のぶつかり合いが笑えてしまう。

タイトルの「ひとくず」とは、人間の屑、ということだろうか。
主人公は犯罪を繰り返している存在であり、彼のことを指しているのか、
それとも自分の子どもを虐待している親のことを指しているのか。

この壮絶な映画の監督、脚本、主演を務められたのが上西雄大さんという方。
芸能プロダクション兼劇団「10ANTS(テンアンツ)」の代表とのことだが、初めて拝見した。
超強烈であった。
そして、女優さんたちがいい。
女の子の演技に注目が集まるだろうし、実際素晴らしいのだが、
私は虐待する側の役を演じる女優さんたちにひかれた。
すさまじい演技だった。
なんだかおかしかった。
痛みがビンビン伝わってきた。

はじめにも書いたが、映像は粗いし、正直汚い。
音声は悪いし、
音楽もよくない。
しかし、こうしたマイナスの要素が映画の雰囲気をより濃厚に演出している面もある。
普通の商業映画的に小綺麗に作られていたら、ここまで心に届いたかどうか。

「ひとくず」は、ヒリヒリ刺さる映画。
映像や演出は昔の映画っぽいが、テーマは現代的。
覚悟を持って映画を観られる方には、是非ご覧いただきたい。
映画の奇跡のようなものも、ほの見える。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事