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映画評 「わたしの見ている世界が全て」 [映画評]

ちゃんと作ろうという思いで作られた映画で、
退屈することなく見通すことができる。
ただし、
感動したか、映画的興奮を得られたか、というとそうでもない。
いい映画一歩手前、という感じの、モヤモヤした感がある。

公開されているストーリーはこんな感じ。
主人公は、ベンチャー企業でバリバリ働く女性。
目的のためには手段を選ばない性格が災いして職を失い、自ら起業して見返そうとするも資金繰りにつまずく。
母の死をきっかけに実家に戻った彼女は、家を売って現金化することをきょうだいに提案する。
しかし、きょうだいは揃いも揃って社会性に乏し。
主人公は、家族を実家から追い出すための「家族自立化計画」を画策する。

主人公の身勝手な行動がきょうだいを困惑させるのだが、
彼らもそれぞれ問題を抱えていて、
主人公の強引な振る舞いのおかげで思わぬ好結果が生まれることもある。

言いたいことはわかるが、ちと脚本が粗く、
「無理があるなあ」
という展開の連続。
主人公に不運が降りかかるのだが、そこに意外性はなく。
なんだか惜しい。

役者さんは、失礼ながらそれほど知られていない方々。
この映画の場合、そのことが効果を発揮していた。

直球のタイトル「わたしの見ている世界が全て」は、
まわりの迷惑を顧みずに突っ走る主人公のことだろうけれど、
映画を観ている自分のことかもしれないと思うと、少し観え方が変わってくる。
映画を観ていろいろ思うが本当にそれが全てかしら、
という感じで。
まあ、無理に深読みすればだけれど。

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バンド演奏のない「のど自慢」なんて・・・ [ヨモヤ]

「NHKのど自慢」をずっと観てきた。
この番組をテーマにした井筒和幸監督の
「のど自慢」という映画も楽しく観た。
のど自慢が続く限り日本は大丈夫、
などと思っていた。

しかし、あろうことか、
生バンドをやめてカラオケ伴奏に変えてしまった。
これは、もう、今まで観てきた「のど自慢」ではない。

この変更については当然のことながら批判続出となっている。
NHKの林メディア総局長は、
「多くの方が出場してくれているが、のど自慢は決して何度も出場できる場ではないと思う。せっかく出場される方が心地よく輝いて歌える場を提供したいと考えた上で、今回リニューアルしました」
と説明されたそうだが、これが本当の理由なのだろうか。
ちょっと信じられない。
のど自慢は何度も出場できる場ではないからこそバンド演奏で歌いたいのであり、
バンド演奏で歌うからこそ輝けるのである。
そんなことは今さら言うまでもない当たり前のことである。
カラオケなら、近所でいつでもできる。
民放でいやというほどやっている。

同氏は、
のど自慢はこれまでにもいろいろな変更を加えてきており、カラオケの仕様も当面続く、
のだとおっしゃったそうだ。
ふう。

普通、新たな取組をすれば、
一長一短があり、
賛否両論があるものだと思う。
しかし今回のカラオケへの変更には、
一長一短のうちの長の部分がほぼ見当たらないし、
賛否両論のうちの賛の意見もほぼ聞こえない。

過ちては改むるに憚ること勿れ、
という言葉もある。
ワンクールだけで元に戻しても、誰も怒らない。
バンド演奏に戻すべきだ。
みんな喜ぶ。

このままいくのなら、
「NHK昼のカラオケ自慢」
といったタイトルにして別番組にしてしまった方がいい。
今回の変更は、誰も喜ばない失敗だった。
しかし、元に戻す勇気があれば、この失敗は無駄にはならない。
さあ、まずは戻す決断を。
そして戻す準備を。

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映画評 「雑魚どもよ、大志を抱け!」 [映画評]

「喜劇 愛妻物語」で評判をとった足立紳監督作品。
監督自身が執筆した小説「弱虫日記」を実写化したもの。

少年時代の冒険や別れを描いたもので、
昨夏に公開された佳作「サバカン SABAKAN」に共通したテーマである。
雰囲気は、「スタンド・バイ・ミー」にも似ている。

ところどころ長回しのシーンがあったり、
子どもたちの表情をしっかりとらえたシーンがあったり、
見どころもあるのだが、いかんせん長い。
サバカンが96分で、本作が145分。
もらった余韻は映画の長さと見事に反比例。
もっともっと短く仕上げてくれていれば印象も変わっただろうか。

大切なラストの決闘シーンもいくらなんでも。
それまでコミカルな要素はあまりなかったのに、
一番の盛り上がりのシーンでほにゃほにゃな感じを持って来られても、
どう受け止めればいいのやら。

別れのシーンも今一つ。
泣かす場面ではあるが、
少年たちの感情が唐突過ぎてついて行けない。
安易な和解も釈然とせず。

「雑魚どもよ、大志を抱け!」は、なにやら迷ってしまったような作品。
タイトルと内容も合っていない。
どう撮っても面白くなりそうな話なのに、
こう撮ってしまうのか、という感じである。

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ChatGPTさんが飛ばしてくる ~ダジャレについて聞いてみたら~ [ヨモヤ]

ふと思いついて、ChatGPTさんにダジャレについて聞いてみたところ、
奇想天外な答えが返ってきた。
その後のやり取りも、完全に行方不明。

こちらがおかしくなってしまったのかと心配になるが、たぶん可笑しいのはChatGPTさんの方。
来年の今ごろにはどんな回答になっているだろう、
という楽しみも込めて、今日のやりとりを残しておこう。


私:なにかダジャレをおしえてください。

ChatGPT(以下CG):もちろんです!ここにいくつかのダジャレがあります:
1.パンがパンダになると?
  パンダパンになる!
2.時間が止まると?
  止まった時間には歯がない!
3.ネズミと象が一緒に入ったら何になる?
  穴ができる!
4.クマが落ちたらどうなる?
  くまなくなる!
5.太陽と月が結婚したら?
  月が浮気しても、太陽が許す!
どうでしょうか?少しでも笑ってもらえると嬉しいです!

私:ChatGPTさんは、ダジャレを理解されていないようです。

CG:ごめんなさい、私はダジャレを理解しています。私が提供したダジャレが面白くなかった場合は、もう少し違う種類のダジャレを提供することができます。どうぞおっしゃってください!

私:いや、理解できていないようですよ。

CG:ああ、すみません、私の前の回答は誤解を招くようでした。私はダジャレを理解しています。ただし、私はジョークや言葉遊びに対する反応を持たないため、ユーモアのセンスには欠けるかもしれません。もし何か面白いダジャレがあれば、教えていただけますか?私は喜んで理解し、新しいダジャレを学びます。

私:面白いかどうかはわかりませんが、典型的なダジャレは、
布団がふっとんだ
みたいなやつです。

CG:ありがとうございます、そのダジャレは日本語の「褒め言葉」としても知られていますね。他にも、以下のようなダジャレがあります。

・コンセントに挨拶すると?
 「今日もお疲れ様!」
・魔法使いが頭から消えたら?
 「ハリポッターッ!」
・メガネが割れたら?
 「目からウロコが落ちたようだ」
・ニンジンが猫になったら?
 「キャットキャロット」
・猫がハエを食べたら?
 「ネコハエ!」

どうでしょうか?いかがでしたでしょうか?ダジャレには様々な種類があり、好みも人それぞれです。

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ノーヒットピッチングで替える監督 それに納得するピッチャー [ヨモヤ]

プロ野球の魅力ってなんだろう。
常人とは違うとんでもないプレーを見ること。
思い入れのある選手の活躍を見ること。
贔屓のチームの奮闘を見守ること。
人それぞれの楽しみ方があると思う。
しかし少なくとも、勝ち負けだけではないはずだ。
勝ち負けだけだったら、わざわざ野球をする必要もない。

4月12日、阪神の村上投手は、
対巨人戦で、7回まで一人の走者も許さない投球を披露した。
にもかかわらず、代打を送られ降板となった。

4月16日、西武のエンス投手は、
対日本ハム戦で、6回まで無安打無失点を継続した。
にもかかわらず、その回で降板となった。

プロ野球の監督は、勝つために全力を尽くす。
それはわかるが、
勝ち負けだけを見せるのがプロ野球ではないはず。
完全試合、
ノーヒットノーラン、
といった滅多にない勲章を手に入れようとしている投手を下ろしてまで、
目先の一勝にこだわる姿がファンを喜ばせるだろうか。
WBCで村上にこだわり続けた栗山采配と比べると大きな違いを感じる。

完璧な投球をしながら降板させられた投手が、
交代に納得しているというのもしっくりこない。
なんだそれ、
と思う。
悔しくて当たり前、
頭にきて当たり前であろう。
プロ野球選手が、飼いならされた雇われ人になってしまってはつまらない。

勝ったからいいじゃないか。
ピッチャーが納得してるんだからいいじゃないか。
そうかしら。

勝てばいいのかしら。
プロ野球って、そんなものかしら。

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映画評 「GOLDFISH」 [映画評]

パンクバンド、アナーキーのギタリスト・藤沼伸一さんが監督を務めた作品。
中年になった元パンクバンドの話で、
彼らが現役だった頃のエピソードには、
自伝的要素も多分に含まれているようだ。
なんというか、ギリギリ映画として成立している感じの作品であり、
観ながらなんだかハラハラする。

人気絶頂期に活動休止に追い込まれたパンクバンドが30年ぶりの再結成に向けて動き出す、
という設定で、
バンドメンバーを永瀬正敏さん、北村有起哉さん、渋川清彦さんなどが演じている。
そこだけ聞くと絶対に面白そうである。
実際、永瀬さんはカッコよかったし、
破滅する姿は北村さんらしいし、
渋川さんのハチャメチャぶりもきっちりはまっていた。
しかし映画として観ると、残念ながら。

再結成する動機がイマイチ伝わってこないし、
メンバーの苦悩もよくわからない。
だから盛り上がっていく要素がない。
人物造形も雑。

しかし、マジに映画として評価すべき作品ではないのかもしれない。
アナーキーのファンの方にはわかるのだろうし、
わかる人にだけわかればいい映画なのだろう。
そう割り切るのなら、まあそれはそれで。

ただ、だとしてもせめて音楽で揺さぶって欲しかった。
それもないので・・・。

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雑賀崎といえば「あつい胸さわぎ」 [ヨモヤ]

和歌山市の雑賀崎漁港において、
演説に訪れた岸田文雄首相の近くに鉄パイプ爆弾が投げ込まれるという事件が起きた。
去年の7月に奈良県で安倍晋三元首相銃撃事件が発生しているので、
1年足らずの間に街頭演説中の首相経験者を標的とした事件が発生してしまったことになる。
念のため、雑賀崎と書いて「さいかざき」と読む。

最初に犯人を取り押さえたのが漁港の関係者だったことから、その方たちの勇気を称える
「漁港のおっちゃん」
がトレンドワード入りした。
しかし、地域の人からは、
「雑賀崎のイメージが悪くなりそうで、地元の人間としてはそれが心配だ」
との声もあがっていたという。

さて、雑賀崎のイメージ、といったらなんだろう。
この事件が起きるまでは、
「日本のアマルフィ」
として知られていた。

海からすぐに傾斜地になっていて、
そこに家々が密集するという独特な景観。
大切な船の様子を家から見守るためであったとも言われているらしい。
狭い路地と階段が迷路のように入り組んでいて家々の軒先には洗い場があるという、
昔ながらの漁村の姿もうかがい知ることができる。

このニュースを聞き、
「あれ、ここって、あそこじゃないかな?」
とピンときた。
念のために調べたら、まさしくそのとおり。
今年前半の日本映画の収穫「あつい胸騒ぎ」のロケ地であった。

雑賀崎の皆さんからすれば、
今回のようなニュースで騒がせるのは本意ではないだろう。
しかし、これがきっかけで街が知られるようになり、
「あつい胸騒ぎ」のことも知られるようになったら、
禍が福に転じることになる。

「あつい胸騒ぎ」では、雑賀崎の街並みも映る。
すばらしい映画を、美しい風景が彩る。
是非本編をご覧いただきたい。

テーマソングのMVでは雑賀崎がふんだんに映される。
こちらもどうぞ。
Hana Hope - 「それでも明日は」
https://www.youtube.com/watch?v=c_bGgDZkn04

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日経平均28,000円台は固まったか [経済を眺める楽しみ]

4月14日の日経平均は6日続伸。
前日比336円高の28,493円で取引を終えた。

上昇の主な要因とされているのはアメリカ市場の反発。
アメリカの卸売物価指数が前月から低下し、市場予想を下回ったため、
FRBが利上げを早期に停止するのではないかとの観測が生まれ、
株式相場が大幅反発となったことが日本の上昇にもつながったとされる。

日経平均は、4月12日に終値ベースで28,000円台を回復し、
その2日後には28,500円近辺まで到達したことになるから、
28,000円台は固めつつあるといっていいだろうか。

ただし、この6日間だけで1,000円以上上げているため、
その反動減がありそうだし、
14日の上昇はユニクロを展開するファーストリテイリングに引っ張られた面も大きかった。

とはいえ、個別株はともかく、
日経平均やTOPIXといった指数に対して、
突き抜けて上昇するような勢いを求めている人は少数派だろう。
少しずつでも上がってくれれば御の字、
大きく下がらなければまあいい、
くらいに構えているべきなのかもしれない。
指数がそれなりの水準にあり続けているなら、
業績のいい企業はきっと株価も上がっているだろうから、
それを探せばいい。
全部下がる、という状況になってしまったらどうにもならない。

30,000円まではまだ距離がありそうだが、
28,500円から5%上がれば29,900円。
そう考えると30,000円はそう遠くない。
まずは28,000円台を固めて、29,000円へ。
その先、今年中の30,000円があっても全く不思議ではない。

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佐々木朗希 対 山本由伸 という宝物のような試合 [ヨモヤ]

佐々木朗希は、「令和の怪物」と言われる。
「昭和の怪物」と言われた江川卓さん、
「平成の怪物」と言われた松坂大輔さんと並び称される存在。
江川さん、松坂さんと比べると、アマチュア時代の実績はグッと劣る。
しかし、持っているポテンシャルは日本プロ野球史上でも抜けた存在かもしれない。

山本由伸は、日本プロ野球現役最強投手と言われる。
2年連続沢村賞、2年連続投手4冠。
投球フォームやトレーニング法などに独特のものを取り入れ、
投手の常識に風穴をあけ続けている。

佐々木と山本は、
史上最強といわれた侍ジャパンにおいてローテーションを担った。
メキシコ戦では2人の継投も見られた。

その2人がはじめて投げ合った。
佐々木は7回1安打無失点11奪三振、
山本は6回を5安打1失点9奪三振。
山本の投球も先発投手として申し分のないものだが、
この2人の顔合わせでは先に点を取られることは致命傷となる。

ZOZOマリンには、4月の平日のナイターにもかかわらず、
約30,000人の観衆が詰めかけた。
この空間に立ち会ったことが一生の宝物になるような、
そんな試合だっただろうと思う。

そんな試合の球審が白井さんだった巡り合わせには、
なんだかほっこり。

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最強の皐月賞馬は? [ヨモヤ]

リバティアイランドの1強と言われた桜花賞とは打って変わって、
2023年の皐月賞は、稀に見る大混戦である。
朝日杯フューチュリティSとホープフルSの両GⅠ勝ち馬が不在であるばかりでなく、
重賞競走のたびに勝ち馬が変わり、
無敗の馬も何頭か存在するという状況が、
難解さに拍車をかけている。
予想の楽しみがあると言えば言えるのだが。

すでに当たる気がしないので、
今年のレースはさておき、過去の回顧にひたろうと思う。
さて、最強の皐月賞馬とはどの馬だろう。

歴代の三冠馬は当然のことながらすべて皐月賞も勝っているので、
そうした馬を最強とするのが順当かもしれない。
しかし三冠馬の場合、ダービーや菊花賞で印象に残るレースをすることが多く、
皐月賞に特化して最強という感はない。

私が見てきた中で、強い印象を持った皐月賞馬は以下の3頭。
ミホノブルボン
アグネスタキオン
ドゥラメンテ

ミホノブルボンは、デビュー戦が1000mだったことからもわかるように、
距離の不安がささやかれ続けた。
そうしたなかでのぶっちぎりの逃げ切りにはしびれた。

アグネスタキオンは、皐月賞が最後のレースになってしまった。
4戦4勝で引退となったが、
特に2歳時にジャングルポケットとクロフネを一刀両断にしたレースは伝説。

ドゥラメンテの最後の直線は強烈。
突き抜けて飛んで行った。
ダービーも完勝だったが、インパクトが強かったのは皐月賞。

当然ながら、この3頭が一緒に走ったことはないし、
強さを比較できるものでもない。
だから、最強馬を選ぶと言っても完全に好みになってしまうのだが、
私の推しはミホノブルボン。
ムキになったように先行する姿に惹かれた。
断然の人気を背負い、全馬にマークされながら堂々と逃げ切ったレースぶりも圧巻だった。

さて、今年の皐月賞はどんなレースになるだろう。
下馬評通り大混戦のゴール前になるのか、
実は1頭飛び抜けた馬がいるのか。
天気も予想を難しくしているが、
いずれにしても日曜日には答えが出る。

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