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タバコの総損失額約2兆円をどうとらえるか [ヨモヤ]

厚生年金労働省の研究班によれば、たばこが社会に及ぼした2015年度の総損失額が、約2兆500億円だったとのことである。
内訳としては、医療費が最も多く、それだけで全体の半分以上を占めているらしい。
喫煙者のがんにかかる医療費で5477億円、歯の治療費が1016億円、受動喫煙による医療費が3295億円という具合である。
実際には、がんの直接の原因が喫煙かどうかはわかりかねる場合もあるだろうが、概算として計算したのだろう。

国家に2兆円もの損失を与えているものを放置しておいていいのか、と疑問に思われる方もおられるだろう。
確かに、損失面を見ればそうだが、たばこにはそれだけではない側面がある。

まずは、嗜好品としての価値がある。
私はたばこをまったく吸わないのでよくわからないが、お好きな人にとっては、仕事終わりの一服はたまらない気持ちよさになるという。
また、ちょっとリラックスしたい場合にも、たばこは気を落ち着けてくれるようだ。
これだけ世界中に広がっているのだから、嗜好品としての強みは言わずもがなであろう。

さらに、たばこを吸っている人は、盛大に納税している面がある。
JTのホームページには、こんな記述がある。

『たばこは、税負担が重い商品です。
たばこの価格には国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税の4種類もの税金が含まれています。
銘柄などによって異なりますが、例えば一般的な紙巻たばこでは、税負担率は6割にも達するなど、たばこは、わが国でも最も税負担率の重い商品のひとつとなっています。』

そして、そんな重い負担によって納められた税金を2015年実績で見ると、
国税分・地方税分併せて2兆1902億円となっている。
つまり単純に比較すると、
損失分2兆500億円
税収分2兆1902億円
となり、プラス効果の方が大きいとなるのである。

念のために付け加えると、税収分が2兆ということは、売り上げは3.5兆円くらいになる計算である。
たばこに派生した商品の売り上げもあるだろうから、経済効果はかなり大きい。
2兆円どころではない。

もちろん、経済的なメリットが大きいからといって、健康面に悪い影響をもたらすたばこをがんがん奨励するのはおかしいだろう。
一方、違法なものでもないのに、たばこを吸っている人を目の敵にするのも気味が悪い。
うまい具合に、共存共栄したいものである。

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