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追悼 樹木希林さん ~ 芸歴50年超にして キャリアの絶頂期だった ~ [ヨモヤ]

樹木希林さんがお亡くなりになった。
75歳。

私が希林さん(樹木さんというのもなんだか妙だし、樹木希林さんというのも長いので、「希林さん」で)を知ったのは、おそらく多くの人と同じだと思うが、TBS系で放送されたドラマ『寺内貫太郎一家』。
(『時間ですよ』にも出演されていたということだが、そちらの記憶は薄い。)
小林亜星さんのお母さん役で、おばあさんの設定だったが、当時はまだ30歳そこそこだったということになる。
それから40年間老け役を演じ続けて来られたことになるが、最初に老け役の適性を見出した人の眼力もすごい。
劇中で毎回のように言う「ジュリイイィ!」というセリフは学校でも流行った記憶がある。
ちなみに当時は、「悠木千帆」という芸名だった。

続く『ムー』『ムー一族』では、郷ひろみさんと軽妙な掛け合いを展開され、デュエットされた「お化けのロック」「林檎殺人事件」も大ヒットした。
「林檎」の方は、歌詞を見ないでも大体歌える自信がある。

希林さんのすごいところは、30歳そこそこにしてコメディエンヌとして大きな注目を集めた後、
ずっと一線を走り続けたところである。
普通は、消費される。
希林さんは、ずっとテレビドラマに出続けられ、
近年は映画に軸足を移された。
この間、「ピップエレキバン」や「フジカラー」のCMでも大きな当たりを取っておられる。

2015年以降の映画だけとっても、
「駆込み女と駆出し男」
「あん」
「海街diary」
「海よりもまだ深く」
「モリのいる場所」
「万引き家族」
と、話題作、傑作に立て続けに出演されている。
希林さんが佳作を引き寄せているのか、希林さんが出るから佳作になるのか。
このところはほとんど外れのない状況で、「万引き家族」がカンヌでグランプリを取るなど、まさにキャリアの絶頂期であった。

絶頂期での死だから、まだまだいい作品を残してもらいたかったという思いはもちろんあるが、
役者として芸能人として、理想的な幕引きであるようにも見える。
やり残したこともあると思うが、現役バリバリのまま去っていくのは、不謹慎かも知れないが、カッコいい。
もちろん、苦しみもされたであろうが、はたからは、風のように飄々と旅立っていかれたように見える。
それもまた素敵である。

10月に公開される「日日是好日」という作品が、遺作となった。
メガホンは、「さよなら渓谷」や「セトウツミ」の大森立嗣監督。
有終の美を飾るいい映画となっていることを祈る。

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