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日経平均は7か月ぶりの高値も個人投資家は苦戦か ~NT倍率は上がり過ぎ? ~ [経済を眺める楽しみ]

14日の東京株式市場で、日経平均は大幅続伸した。
終値で23,000円台を回復し、2月2日以来、7か月ぶりの高値という。
円安の進行に加え、
米中首脳戦争やトルコ情勢について過度な懸念が後退したことによるようだ。

これだけ戻して来れば、個人投資家もひとまずやれやれではあるだろうが、今年は苦戦している人の方が多いのではないだろうか。
もちろん私を含めてである。
その原因の一つは、NT倍率の上昇が象徴する相場環境がもたらしていると思う。

NT倍率とは、N:日経平均と、T:TOPIXの比率を示したもので、N÷Tで計算される。
例えば直近なら、日経平均が23,094円で、TOPIXが1,729ポイントだから、
NT倍率は13.4ということになる。

日経平均もTOPIXも、株価の全体像を見るための指標だが、両者は異なっている面がある。
まず、日経平均株価は構成企業225社の株価を基に、除数などを用いた価格平均によって算出される。
限られた数の企業から構成されていて、値がさ株の影響を受けやすいのが特徴である。
一方のTOPIXは東証構成企業約2,000社の時価総額加重平均で算出されている。
全体像を見るのならTOPIXの方がふさわしいということになる。

現在、このNT倍率が上昇している。
13倍を超えるということは過去10年になかった数字であり、現在の株価上昇は日経平均構成銘柄が引っ張っていることがわかる。
つまり、日経平均を構成するような値がさ大企業、ファーストリテイリングやソフトバンクなどは順調に回復している一方、
小型株はそれほど上がっていないということである。
個人投資家は、ど真ん中銘柄よりも、ちょっと渋いところを狙う傾向があるが、そちらは日経平均ほどは上がっておらず、苦戦の原因になっているのである。

現在歴史的な高さになっているNT倍率は、今後下がる方向に向かうのではないかと思う。
それがTOPIXが上がることによって実現するのなら個人投資家にも恩恵が及ぶが、日経平均が下がることによって起こるのなら、全く歓迎されない。
私は、TOPIXが追いついていく方向で実現するのではないかと考えているが果たしてどうなるだろう。

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