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半沢の前に観たドラマは半沢 [ヨモヤ]

テレビドラマを見ない。
なぜ見ないかというと、ちっとも響いてこないからである。
たまに視聴率のいいドラマをちょっと覗いてみることもあるが、ものの数分で飽きてしまう。
スカスカに感じられてしまうからだ。
作り手の抜き加減が見えてしまうからだ。

もちろん、テレビドラマをそんなに気合入れて見る方がどうかしている。
リラックスして楽しめば、面白い作品もいくつもあるのだろう。
楽しんでご覧になっている方もたくさんおられるし、そうした方がなんとなくうらやましくもある。
しかし私の場合、虚構の世界には、映画で散々連れて行ってもらっている。
映画の方が、作り手の気合も全然上であるし。

だから、今年に入るまで、一番最近見たドラマは2013年に放映された「半沢直樹」だった。
「半沢直樹」終了後、久しぶりに見るドラマが「半沢直樹」ということになる。

前半が終了したが、正直なところ、2013年版の方が面白い。
毎回、手に汗握って見ていた記憶がある。
ストーリーもしっかりしていたし、登場人物の行動に納得感もあった。(無茶苦茶ではあったが)

しかし、だからといって今回がつまらないわけではない。
手に汗握る、というよりほとんどギャグ化しているが、作り手の力の入りようがひしひしと伝わってくる。
この作品だけは外せない、という期待やら責任やら、耐えられないくらいの重圧が、
それをひっくり返すためのテコになり、
とんでもない熱量として画面にみなぎっている。

一座を率いる堺雅人さんに引きずられてなのか、
周りの緊張感に堺さんも乗せられてなのか、
いや、もう、熱い熱い。
感動というより、爆笑しながら見ているが、ドラマで笑かすというのもすごいことだ。

次回から後半戦。
また、思い切り笑わせていただこうと思う。
楽しみにできるドラマがあると、一週間が速く過ぎるのだと、久しぶりに知った。

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映画評 「君が世界のはじまり」 ~ 2020年夏 この映画があった夏 ~ [映画評]

コロナで、
部活もない、
海にも行けない、
え、じいちゃん・ばあちゃんにも会いに行かないの?
文化祭も中止?
今年の夏、何にもなくなっちゃったじゃん。

でも、この映画「君が世界のはじまり」がある。
こいつを観れば、なにもない夏ではなくなる。

この映画のHPに
「魂を焦がす青春映画の新たな傑作が、ここに誕生した。」
とある。
こういうことが書いてある映画は大抵つまらないのだが、本作は違った。
本当に魂が焦がされた。
新しい才能に揺さぶられた。

名作、という類の作品ではない。
青春群像劇なのだが、とっちらかったイメージはある。
あれやこれやあった割には、予定調和感も否めない。
ブルーハーツの曲が重要な要素を占めるのだが、いつまでもブルーハーツっていうのもなあ、とも思う。
そんなやらこんなやら、欠点やツッコミどころはいくつもあるのだが、
だからどうした、という気になる。
一人一人が、小さい範囲かもしれないけれど、シャカリキになって、落ち込んであがいて、
相手を思い、相手に思われ、
若いんだから突っ走って。

監督は、この映画の原作者でもあるふくだももこさん。
1991年生まれの女性監督である。
これから新しい地平を切り拓いてほしい。

脚本は、向井康介さん。
同じくブルーハーツの曲を使った「リンダリンダリンダ」を書いた人でもある。

主演は、松本穂香さん。
こうした小品に欠かせない存在の女優さんで、今回もほんわりと演じられていた。
あと5人、女2人、男3人の高校生が主要登場人物として出てくる。
彼らがみな印象的だった。
ばらばらの個性が、しっかり伝わってきた。
痛いほどに。
女優陣が、中田青渚さんと片山友希さん。
2人とも、繊細かつ振れ幅が大きく、素敵だった。
俳優陣が、金子大地くんと甲斐翔真くんと小室ぺいくん。
それぞれの個性がうまく表現されていた。
小室ぺいくんはNITRODAYというロックバンドのボーカリストであり、映画の中でも歌声を披露するシーンがある。
それを含め、ショッピングセンターで若者たちが暴れまわるシーンは、これはひょっとしたら映画史に残る。

「君が世界のはじまり」は、この夏観るべき、おすすめの一本。
青春映画を観たいのだけれど「今日から俺は!!」とどっちを観ようか迷っている方がいたら(多分というか、絶対いない気もするが)、こちらをお選びいただきたい。
「今日から」もとても面白い映画だが、あの夏はあの映画を観た夏だったなあ、と思い出させてくれるような作品ではない。
「君が世界のはじまり」は、2020年の夏と言えばあの映画だったなあと振り返れる作品である。
是非。

kimiseka.jpg
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「経済優先」か「感染防止」かの二者択一ではないはず [ヨモヤ]

コロナ対策において、
“「経済優先」か「感染防止」かの選択が迫られている″
といった表現をよく見かける。
そうだろうか。

日本では、
外食をしたり、旅行をしたり、映画を観たり、
ということができる状況になっている。
そうしたことを指して、経済を優先して安全を犠牲にしている、という意見がある。
そうだろうか。

好むと好まざるに関わらず、人は今暮らしている社会の中で生活していく必要がある。
そして、人間らしく暮らしていきたいと望んでいる。
みながずっと家に閉じこもっていて、社会が回り続けるはずがない。
人と触れ合わないで、やりたいことも一切しないで、人間らしく暮らせるわけがない。

感染拡大期だけでも閉じこもっているべきとの意見もあるだろう。
しかし、2か月の緊急事態宣言でわかったことは、
2か月では封じ込められなかったこと、
一時期感染者が減少しても、宣言を解除すればすぐに拡大に移行すること、
であった。
つまり、閉じこもっているという選択肢を取るのなら、
2か月どころかワクチンが開発され、国民にいきわたるまで続けなければ意味がなく、
それがいつまでになるのか現時点ではわからない、
ということになる。

そうなってしまったら、社会はもたないだろう。
経済優先どころではなく、社会として持続できなくなる。
多くの人の生活が成り立たなくなるだろう。

今求められているのは、
「経済優先」か「感染防止」かの二者択一ではない。
「できる限り経済を回しながら感染拡大の防止に努める」というのも少し違うと思う。
無理に経済を回そうと努めても回るものではないだろうから。
行うべきは、
「コロナウイルスについて理解し、人を思いやりながら、人間らしい生活をする」
ということではないだろうか。

夏休み、一年に一度しか故郷に帰れない人もいるだろう。
それを、やましい思いにさせてしまってはいけない。
一生に一度しかない学生生活を、家にこもらせてはあんまりだ。

もうウイルス抑え込むことはできないと割り切りながら、
できることはしつつ、
普通に暮らす。
それでいいのではないかと思う。

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6月の消費支出は前年比わずか1.2%の減 実収入は大幅増 [経済を眺める楽しみ]

総務省が発表した6月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は前年同月比1.2%減少したとのことである
これで9カ月連続の減少となった。

これを読んで、ちょっと驚いた。
9カ月連続の減少の方にではなく、
前年同月比がわずか1.2%の減少であった方に、である。
イメージとすると、6月の消費も壊滅的であったように思えるが、実際にはそうでもなかったことがわかる。

よく売れたのは家具や家電などの耐久消費財。
前年同月比でテーブル・ソファが2・1倍、テレビが83・1%増と急伸したという。

なぜ、消費が回復したのか。
緊急事態宣言下で買えなかったものを買うリベンジ消費や、巣ごもり需要などということが言われているが、端的に言って収入が伸びたからであるようだ。

景気も悪いし、給料も減っているし、失業者も増えている傾向にあるなか、収入が伸びることなどないように思えるが、この間には政府からの定額給付金があった。
さらに、各自治体も独自の給付金を支出している。
これにより勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は、
5月が前年比9.8%増、
6月も前年比15.6%増、
と2月連続の大幅増になった。
5月の増加幅は過去最大だったが、6月はさらにそれを上回った。
実感とは違うかも知れないが事実は事実である。
これが消費を下支えしていることは間違いない。

給付金のもともとの目的は、減少した収入を支えることであったと思うが、
結果的には、収入を埋め合わせるどころか大幅に増やすことになったようだ。
政策として果たしてどうだったのか。
その判断をするのはもう少し先のことになるだろうか。

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見切り発車で投げさせて今期絶望 エンゼルス首脳陣の罪 [ヨモヤ]

エンゼルス大谷の投手としての今シーズンが終わった。
1回2/3を投げ、7失点。
防御率は37.80。
降板してすぐに腕の不調を訴え、故障が発覚した。

スポーツ選手に怪我はつきものである。
しかし、今回の件はアクシデントとは言えない。
予兆は開幕前から十分にあった。
練習試合でもろくにストライクが入らなかったのである。

おそらく、どこに行くのかわからない感じで投げていたのではないだろうか。
それを小手先で加減しようとするから、威力はなくなるし、なおさら球筋は定まらなくなる。
腕への負担も増す。

大谷の二刀流は、日本人ファンだけではなく、メジャー全体の大きな呼び物である。
戦力的にも、
集客的にも、
使いたくなる気持ちはよくわかる。
しかし、大谷はマウンドに上がれる状態ではなかった。

野手としての出場は続ける見込みというが、投手生命という点で考えると、
大きな岐路に立ってしまったと言わざるを得ない。
まだ26歳なのに。
もちろん本人も納得してマウンドに立ったのだと思うが、無理に使ったエンゼルス首脳陣の罪は重いと思う。
もし投手としての復帰が絶望になってしまったら、本当に取り返しがつかない。

二刀流は、世界中の野球ファンの夢である。
こんな形でピリオドにならないことを心から祈りたい。

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映画評 「#ハンド全力」 [映画評]

比較的ホイホイ劇場に足を運んでいる私だが、
映画を観る以上、それなりのコストをかけている。
映画の鑑賞料金はもちろんだが、
上演時間だけではなく映画館への行き帰りの時間もそれなりにある。
だから、映画はいいものであってほしい。
歴史に残る傑作はなかなか生まれないのはわかるが、せめて観てよかったというレベルには達していてほしい。
そういつも願っている。

なぜ今さらこんなことを書いているのだろう。
この映画があまり多くの映画館で公開されていないために、遠路はるばる足を運んだからか。
コロナ禍の映画鑑賞に思うところがあるからか。
#ハンド全力、というタイトルに感化されたのか。
それはともかく、大変幸いなことに、本作は楽しかった。
期待以上に。

私は青春映画が好きで、スポーツものも大好物。
ただし、もうほとんどのパターンがやりつくされている気はする。
ここ数年よく見かける希少部活もの(なぎなたの「あさひなぐ」、人力飛行サークルの「トリガール!」、かるたの「ちはやふる」もそうかしら)は、あまりメジャーではない競技という点がスパイスとなっている。
野球やサッカーで王道の感動作を作るのは、なかなか骨かもしれない。

本作は、ハンドボールという微妙な位置づけのスポーツが題材。
そこにSNSという現代的な要素を加えて、かなりひねりの効いた筋立てになっている。

スポーツものなら、最初あれやこれやあっても、
途中から目が覚めて練習に打ち込みはじめる。
本作は、ずっとダラダラした展開が続く。
いらいらしながらも、いっそこのままハンドしなければ面白いな、と思った。
しかし、そこまでは振り切らなかった。
まあ、そうだろう。

スカッとしたスポ根ものをご所望される方にはご不満な内容かもしれないが、
いや、若い頃って、案外こんなもんでしょう。

俳優陣がかなり異色。
主演が加藤清史郎くんで、ほかに安達祐実さん、鈴木福くん、志田未来さん。
何か意図があるのか、子役から出ていた人が集められていた。
印象深かったのは、女優陣。
蒔田彩珠さん、芋生悠さんのお二人が映画を引き締めていた。
私の観る映画観る映画に出ておられるような気がする仲野太賀さんの存在感はさすが。

「#ハンド全力」は、意外に、と言っては失礼だが、なかなか面白い作品。
全力、とはかけはなれた青春模様だが、等身大とも見える。
全力を出せない青春も青春である。

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いや、でも、106㎞だって大したもの(と、開き直る始末だ) [55歳125キロプロジェクト]

2020年の個人的おバカ企画
「55歳過ぎの腰痛持ちが、125キロの速球を投げるプロジェクト」。
学生の頃すごかったわけでも全くなく、現在草野球をやっているわけでもなく、
あまつさえ腰痛まで抱えている55歳が、
身の程しらずにも125キロという球速に挑戦している。

9月下旬あたりを最終計測時として、
6月100キロ、7月105キロ、8月110キロ、
くらいのペースで上げていく予定であった。
しかし、6月の計測がイマイチで、このままではプロジェクトの継続が危機的状況になると、
7月に少し力を入れて投げた。
そうしたら運よく110㎞が出た。

7月の計測にすっかり気をよくして、今回は110㎞をちょっと超えたくらいの数字が出せればと思った。
長雨の影響もあり、あまり投げ込めていないし、
腰の不安もあるので全力で投げる時期ではない。
だから少しセーブしながら110㎞を超える球が投げられれば上々かと。

結果、106㎞だった。
2020.8.jpg

全力で投げてはいない。
しかし、それほど緩めた気もしない。
それで106㎞。
前回はもっと軽く投げた感じで110㎞だったのに。
この現実は、ちょっと応える。

125㎞は、再びかすんで見えなくなってしまった。
7月にはおぼろげに見えてきたのに・・・。
しかし、勝手にやっているプロジェクトで落ち込んでも仕方がない。
ので、急に開き直る。

いや、でも、55歳、腰痛持ちの106㎞って、それなりに大したものじゃないか。
そうだよ。
大したものだ。
と言い聞かせてみる。
しかし、元気は出ない。

さて、一応9月下旬を最終計測時点と考えているので、あと2月足らずである。
この期に及んで、フォームを改造しよう。
最初から腕を上げておくフォームはとても楽なのだが、球速の面では限界がありそうだ。
今さらながら、腕を思い切り振るフォームに戻そう。
なんだかすごい遠回りをしたような気がしないでもない。
いや、きっと新しいフォームで学んだものもあるさ、と言い聞かそう。
なさそうだけど。

あと2月。
やれるだけはやろうと思う。

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映画評 「アルプススタンドのはしの方」 [映画評]

青春映画が好きな私。
野球映画も好きで、本作はレビューにも高評価が多い。
これは観に行かなければと。

楽しみにして観に行ったのだが、
なんというか、商業映画としてとらえると、あまりにもユルイ。
お金の問題もあるのだろうが、それを言ってはおしまい。
低予算映画だからしょうがない、と割り切らず、以下、真面目に評してみる。

映画の舞台は甲子園のアルプススタンドと設定されている。
しかし、実際のロケ地は典型的な地方球場であり、最初のシーンから「はれ?」となる。
地方球場でしかロケができないのならそれに合わせた脚本に直してほしかったし、
脚本が直せないなら甲子園っぽく見える工夫をしてもらいたい。
そのどちらもしないというのはどういうことなのだろう。
観る方で勝手に甲子園に補正しろ、ということなのだろうか。
おやおや。
ブラスバンドの演奏のあてぶりも、応援団も、球場の音も、球場アナウンスも、
臨場感がまるでない。

この映画の中では「しょうがない」という言葉がキーフレーズになっていて、
それを乗り越えようと登場人物の高校生たちがあがく姿が見せ場になっている。
しかし、この映画そのものが、
「お金がないからこのくらいでしょうがない」
になってしまっていないだろうか。
映画のメッセージを最も信じるべきなのは、映画の作り手なのに。

本来なら胸熱くなる展開なのだが、
オチありきでそこに持っていく感じ。
私は熱くなれなかった。

本作は、全国高等学校演劇大会で最優秀賞となる文部科学大臣賞を受賞し、全国の高校で上演され続けている戯曲を映画化したものであるらしい。
舞台なら映えるのだろう。
しかし、映画でははねなかった。
この題材で、惜しいことだ。
登場人物のセリフや行動も、なんだか腑に落ちないことばかり。
もっともっと遠くに行けたと思う。
残念。

出演は、失礼ながらそれほど知名度の高くない若手俳優の皆さん。
舞台っぽいといえば舞台っぽいお芝居なのだが、皆さんなんだか微妙。
私の心には響かなかった。
演出の問題なのだろうか。

もともとは兵庫県東播磨高校演劇部が上演した戯曲とのことだが、
なぜか映画の中では東入間高校となっていた。
今のところ、埼玉県入間市とのタイアップはなさそうだ。
ユナイテッド・シネマ入間では上映しているが。

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ここんところで読んだ30冊 [読書記録]

ここんところで読んだ30冊は以下のとおり。

「ザ・スコアラー」 三井 康浩
「SDGsとは何か?」 安藤 顯
「日本人の給料はなぜこんなに安いのか」 坂口 孝則
「そろそろ左派経済を語ろう」 プレイディみかこ ほか
「脱!暴走老人」 谷本 真由美
「人口減少と社会保障」 山崎 史郎
「運の教科書」 齋藤 孝
「屋上のウインドノーツ」 額賀 澪
「LGBTの就活・転職の不安が解消する本」 星 賢人
「遺書」 松本 人志
「住民と共につくる自治のかたち」 相川 俊美
「かもめが翔んだ日」 江副 浩正
「映画制作の教科書」 衣笠 竜屯
「公共施設のしまいかた」 堤 洋樹
「太陽がイッパイいっぱい」 三羽 省吾
「翼はいつまでも」 川上 健一
「クロス・ロード」 桑原 一世
「ホワイト・ラビット」 伊坂 幸太郎
「税務課のシゴト」
「スプラッシュ」 大鶴 義丹
「名人」 川端 康成
「ネバーランド」 恩田 陸
「1秒!で財務諸表を読む方法」 小宮 一慶
「実行力」 橋下 徹
「社会人1年目の仕事とマナーの教科書」 古谷 治子
「最後の秘境 東京藝大」 二宮 敦人
「行きずりの街」 志水 辰夫
「スローカーブをもう一球」 山際 淳司
「東京映画館」
「ヒッキーヒッキーシェイク」 津原 泰水
「日本のアニメはなぜ世界を魅了し続けるのか」 酒井 亨

コロナ後、図書館が開いていない期間があったこともあって、昔読んだ小説を引っ張り出して読む機会が増えた。「クロス・ロード」「スプラッシュ」「名人」はそのクチ。再読して、「あれ?意外に面白くない」と思うこともあれば「やはり、素晴らしい」と思うこともある。私も変わったし、社会も変わったから、感想が変わるのも当然。

「屋上のウインドノーツ」を書いた額賀澪さんには、「拝啓、本が売れません」という本を読んで以来、なんとなく親近感を持っている。
本書は、青春ど真ん中。心がざわめいた。

津原泰水さんの「ヒッキーヒッキーシェイク」の帯には、「この本が売れなかったら、私は編集者を辞めます。」との刺激的な文章があった。期待して読み始めたが、序盤から全く入ってこない。編集者の言葉は嘘だったのか、と怒りそうになったが、帯を読み返すと、編集者は「この本が面白くなかったら」と言っているわけではないとわかり、勝手に勘違いしたこちらが悪かったのかと。

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誰も信じていないプライマリーバランスの黒字化 [公会計]

政府が、国と地方の基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランス(PB)に関する最新の試算を発表した。
財政再建の目標として2025年度の黒字化をめざしていたが、新型コロナウイルスの影響を受け、
25年度のPBの赤字額は、たとえ高い経済成長が実現した場合でも7・3兆円に拡大し、
黒字化は29年度まで遅れるとした。

試算に使われている「高い経済成長」とは、
21年度には経済が回復し、その後も「実質2〜3%程度」の高い成長を維持するという想定。
現段階では、とてもありそうにないように思える。
となると黒字化は2029年度以降ということになりそうだ。

この発表を聞いて、
「そんなとんでもない」
「あきらめずに目標達成を目指すべきだ」
と思う人はいるだろうか?
いや、いないだろう。
ほとんどの人は、
「PB、なにそれ?」
だろうし、逆に詳しい人は、
「いや、もともと25年の黒字化も無理だったから」
とクールに言いそうだ。

今回の発表は、
コロナの影響で2025年度の目標が29年度以降になった、
というもので、多くの人はそれなら仕方がない、と感じるだろう。
しかし、PB黒字化目標の先送りは今に始まったことではない。
遡れば2001年の小泉内閣の時代に、
「2010年代初頭にプライマリーバランスを黒字化する」
といった見込みが示されていたのである。
綾小路きみまろさん流に言えば、
「あれから20年」。

目標期限が近付くたびに、
リーマンショックだ、
大震災だ、
チャイナショックだ、
なにやらかにやらで、目標はズルズル先延ばしにされてきた。
今さら延ばされても、なんとも思わない。

こうも繰り返し目標が先送りされ、
それで別になんとかなってしまうのであれば、
設定した目標自体がおかしいのではないかと考えるべきであろう。
もしくは、そもそも達成不可能な目標と知るべきなのだろうか。
どちらにしても、もういい加減に目標自体を見直した方がいい。
見直さないならきちんと達成すべきであろう。

って、普通そうですよね?
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