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映画評 「Ribbon」 [映画評]

この作品の最大の注目点は、のんさんが監督を務めているというところであろう。
脚本ものんさんである。
なんでも、
多くの卒業制作展がなくなり、青春を奪われていく学生たちの悲しみを目の当たりにしたのんさんが、
世の中の擦り切れた思いを少しでも救い上げたいという思いで企画した、
とのことらしい。

悪いことではないが、
まとまった作品になってしまったなあ、という感想を持った。
ちゃんと観られる作品になっているのだが、
驚きやきらめきはあまり感じられない。
のんさんが撮る以上、もっと飛び抜けたものになるかと思った。
よきにつけ悪しきにつけ。
これでは普通の映画である。

劇場公開の長編映画では初のメガホンで普通の映画が作れればすごい、
となるだろうか。
私はそうは思わない。
普通の映画が撮れても意味はない。
尖がってないと。
キラキラしてないと。

共演に、山下リオさん。
「あまちゃん」でも共演した二人は、私生活でも仲良しらしい。
ほかに、渡辺大知さんなど。

ラストの展開は、のんさん主演の「海月姫」を思い出した。
大好きな映画なので、懐かしかった。

「Ribbon」は、コロナの時代の空気を色濃く映す作品。
将来、そんな時期もあったなあ、と振り返る資料になるかもしれない。
女優のんさんが出ずっぱりなので、その姿を堪能することはできる。
監督としての才気に打たれるまでには至らないが

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