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日本アカデミー賞を振り返る [映画評]

3月11日、第45回を迎えた日本アカデミー賞の授賞式が開かれた。
海外で大きな賞を次々と受賞している「ドライブ・マイ・カー」がどのように評価されるのか注目していたが、
作品賞、監督賞など最多8部門で最優秀賞を獲得する結果となった。
海外で評価されていなかったらどうだっただろう、
などとちょっと意地悪なことを考えたりもした。

主要部門の最優秀賞と私の事前予想は以下のとおり。

最優秀作品賞 「ドライブ・マイ・カー」(的中)
最優秀監督賞 濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」(的中)
最優秀主演男優賞 西島秀俊さん「ドライブ・マイ・カー」(予想:役所広司さん「すばらしき世界」)
最優秀主演女優賞 有村架純さん「花束みたいな恋をした」(的中)
最優秀助演男優賞 鈴木亮平さん「孤狼の血 LEVEL2」(的中)
最優秀助演女優賞 清原果耶さん「護られなかった者たちへ」(的中)
最優秀アニメ作品賞 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(予想:「漁港の肉子ちゃん)

予想は外れるものだが、今回は7部門中5部門の的中とまずまずの精度だった。

放送を観ていると、
スターの皆さんの勢ぞろいが華やかだし、
受賞された皆さんが喜んでおられるのも好ましかった。
映画人が一堂に会し、互いに称え合う姿はいいものだな、と思った。
だからこそ、日本アカデミー賞にはもっと説得力のある、権威のある賞になっていってほしい。

今年で言えば、
作品賞の「キネマの神様」、
監督賞の成島出さん「いのちの停車場」
のノミネートはやってはいけないことだと思う。
ちゃんと作品を観たのだろうか。
監督の名前で選んでいないだろうか。
同じく、女優賞のノミネートも名前で選んだとしか思えない。
例年、「え?」という作品がどしどし選ばれるのは実に興醒めである。

作品賞部門に「いとみち」「由宇子の天秤」「空白」「ベイビーわるきゅーれ」といった名前が出て来たり、
俳優賞にもそうしたいい作品でしっかりした演技をされた方が名前を連ねたりしていけば、
日本アカデミー賞の意義も高まっていくはずだ。
視聴率が獲れない、
映画会社の均衡が図れない、
といった思惑があるのだとしたら(ないと信じたいが)、
映画そのものに失礼であろう。

受賞された皆さん、おめでとうございました。
素晴らしいお仕事に敬意を表させていただきます。
来年、さらに素敵な映画の祭典となりますように。

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