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映画評 「愛なのに」 ~エロく愉快な逸品 この映画が好き~ [映画評]

本作は、
『アルプススタンドのはしの方』などの城定秀夫監督と『愛がなんだ』などの今泉力哉監督が、
互いに脚本を提供しR15+指定のラブストーリーを製作する企画のうち、
城定監督作品の方。
この後、今泉監督作品も公開される。

タイトルから『愛がなんだ』とのつながりが連想されるが、
続編というわけでもなんでもない。
ラブコメディとでも言える作品で、ところどころクスっとさせられる。
R15+指定らしく、エロめのシーンがふんだん。
いやらしい感じではないが、エロい。

主演の瀬戸康史さんが古本屋の店主の役を演じる。
突然、河合優実さん演じる女子高生から求婚されて戸惑う。
まあ、そりゃ、戸惑うだろう。
告白でもびっくりなところ、求婚だから。
古本屋は、さとうほなみさん演じるかつての片思いの女性を忘れられずにいるのだが、
その女性は中島歩さん演じる男と結婚を目前に控えている。
しかし、その男は向里祐香さん演じるウェディングプランナーと浮気をしている。
という設定。
こう書くと入り組んでいるようだが、全然ややこしくない。

映画は軽妙に進み、
楽しく時間が過ぎていく。
個人的には『アルプススタンドのはしの方』よりずっと面白かった。

女優さんが3人ともいい。

河合優実さんは、
「佐々木、イン、マイマイン」「サマーフィルムにのって」「由宇子の天秤」「ちょっと思い出しただけ」
と話題作にビシバシ出演され、映画ファンの視線をグイグイ集めておられる。
本作は女子高生役を可憐に演じられる。
ノリに乗っている感じである。

さとうほなみさんは、またの名を「ほな・いこか」という。
ゲスの極み乙女。のドラムス担当の方。
本作では、被害者のはずが実はどうしようもない女性を演じられているのだが、
実に魅力的だった。

向里祐香さんも、エロい役を楽しく美しく演じられた。
一番しっかりしている存在なのだが、大事なところでタガが外れている。
コミカルなシーンがあり、そこは実に笑える。

中島歩さんは、このところグイグイ来ている二枚目俳優さん。
私は「いとみち」ではじめてしっかり認識した感じだが、
その後「浅草キッド」「偶然と想像」と、立て続けに話題作に出ておられる。
本作では、「偶然と想像」の役柄と同様に、あっちの能力に疑問符が付く役。
完璧なまでの二枚目だけに、その設定がおかしい。

「愛なのに」は、愉快で楽しくて、ちょっと熱いところもある映画。
大人がくすぐられる要素満載だが、
若者が観ても十分素敵な時間が過ごせると思う。
映画での笑いというものをよくわかっておられる。
多くの人に観ていただきたい快作である。

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