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家計の金融資産が史上最高額に [経済を眺める楽しみ]

日銀が発表した2021年10~12月期の資金循環統計(速報)によると、
家計が保有する金融資産の残高は21年末時点で2023兆円となり、前年末に比べて4.5%増えたのだという。
この数字は、比較可能な05年以降で最高額。
2,000兆円を突破したのも初めてのことである。
貧しくなる日本、
安くなる日本、
発展しない日本、
など散々な言われような我が国だが、少なくとも家計の金融資産は減っていない。
どころか、7四半期連続の総額であり、
過去最高額となっている。

家計の金融資産が増えた理由としては、
・新型コロナウイルス禍が長期化して支出が抑えられた
・(昨年末までは)株価が高値で推移した
・円安の進行が外貨建て資産を保有する個人投資家に寄与した
といったことが挙げられている。

こうした統計結果が発表されると必ず出される意見が、
ごく一部の富裕層が資産を増やしているだけ、というものである。
もちろんそういう面もあるだろう。
しかし、金融資産の内訳をみると、
現預金が1,092兆円と最も多く、次いで保険・年金・定型保証の540兆円というから、
株式の評価だけで膨らんでいるわけではない。
また、今は少額での投資もできるから、
富裕層以外は株式投資ができないように言うのも正しくはないだろう。

リベンジ消費、という言葉がある。
コロナ禍で使えなかったお金をコロナが明けたらリベンジよろしく使う、
というものである。
本当にそれが起きるかどうかわからないが、家計資産の増加を見ると、
そのための土壌がなくはないことがわかる。
あとはリスクをうまくコントロールしながら、いかにうまく経済を回していくか。
制限一辺倒から転じての官民の知恵が試される局面が近づいている。

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