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なんであれ映画の公開中止は残念 ~「蜜月」をめぐる騒動で思う~ [ヨモヤ]

榊英雄監督による映画「蜜月」の公開中止が発表された。
週刊文春が、
榊氏が映画へのキャスティングを持ち掛け、4人の女優に性的関係を強要したと報じたことによる。

榊氏自身、報道内容を一部認め、以下のようなコメントを出している。

「この度は、映画『蜜月』の公開が控えているこのタイミングで、私の過去の個人的なことが記事になり、映画を創るために東奔西走してくださったプロデューサー陣やスタッフ、キャストの皆さま及び関係者の皆さま、そして何よりこの映画の公開を楽しみに待っていてくださる観客の皆さまに、多大なるご迷惑とご心配、不快な思いをさせてしまったことを、心よりお詫び申し上げます。
(略)
記事の内容につきましては、事実であることと、事実ではない事が含まれて書かれておりますが、過去のことをなかった事には出来ません。それをしっかり肝に銘じ、これからの先へ猛省し悔い改めることを誓い、人を、日々を大事に生きていきたいと思っております。
最後に、関係者の皆さま深くお詫びするとともに、今後の対応に関しましては、専門家と話し合いの上、進めていきたいと思っております」

本作では、主演の佐津川愛美さんが非常に熱演されているらしく、
公開が中止になったことについて彼女への同情が集まっている。
佐津川さんは、今回の騒動の前に、
「もがき苦しんで生まれたこの作品を、榊組で完成させられたこと、役者として誇りに思います」
とコメントされていた。
なんでも4年がかりで演じ切ったのだそうだ。
女優人生を賭けるくらいの気持ちだったのだろう。

「蜜月」の公式ホームページには、映画について以下のように書かれている。

「榊英雄氏が監督した同作品につきまして、関係各所との協議の結果、公開を一旦中止とさせていただきます。
今後につきましては、すべて未定です。」

門外漢の私は、今回のことに関する事実関係について、一切うかがい知ることはできない。
報道されている内容が事実だとしたら、卑劣なことであると思うが、
それでも、とるべき対応が、映画の公開中止かと言えば、そうではない気がする。

映画には、多くの人の思いが宿る。
今回、象徴的に可哀そうなのは主演の佐津川さんだが、その他の出演者の皆さんも残念な思いをされているだろう。
無念なのは、他のスタッフの方々も同じだと思う。
映画の公開に向けて、資金集めやらなにやらに奔走された関係者の皆さんの虚しさや怒りも察するに余りある。

告発された方々も公開中止を望んでおられるだろうか。
映画に罪はない、
と言うときれいごとになってしまいそうだが、
榊さんが受けるべき社会的制裁は別の形であるべきではないか。

救いは「一旦中止」という表現となっていることで、一定の期間を置いてから公開されるかも知れない。
公開となったら批判も出るだろうが、携わった人たちの思いを考えると、
作品を表に出さないのはあまりにも残念である。

今回の件に限らず、関係者の不祥事と映画の公開の是非を直接つなげるのは、やめた方がいいと思う。
誰のためにもよくない。

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