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進むも戻るも茨の道 フランス・マクロン政権の前途多難 [ヨモヤ]

日産のゴーン元会長が逮捕され、日本とフランスの関係がぎくしゃくすることが心配されているが、フランスはそれどころではないというのが実際のところだろう。
フランス国内で、マクロン政権に反発するデモが頻発しているからである。
週末のデモは4週連続となり、一部参加者は暴徒化している。
すでに死者も出てしまったし、凱旋門も一部破壊されたという。

きっかけは、マクロン政権の自動車燃料増税に反対する人たちが、ドライバーの安全確保用の黄色いベストを着て起こした抗議行動である。
そのため、「黄色いベストデモ」などと言われる。
失礼ながら、ファッションの国としてはいささかスタイリッシュさには欠けるが、デモにはある種の泥臭さがあった方がいいのかもしれない。

マクロン政権はそれなりに譲歩し、予定していた燃料税引き上げを2019年は実施しないことを決めたのだが、デモは治まるどころか拡大している。
ネットで広がった運動だけに要求がバラバラで、政権側としても対応が絞りにくいところもあるようだ。

マクロン大統領は、39歳という歴史上で最も若い年齢でフランス大統領になった。
若さに任せてか、
公務員の削減、
雇用・解雇がしやすくなる労働法改正、
社会保障増税
など、これまで課題とされてきたことに果敢に立ち向かってきた。
しかし、こうした痛みを伴う改革に対し、国民は我慢できなくなってきているようだ。

デモに押されて、改革の旗を降ろしてしまえば、マクロン大統領の指導力・求心力に疑問符が付くことになるだろう。
また、財政の維持可能性や経済成長にも影を落とすことになりそうだ。
一方、このままの方向で突き進めば、さらなる国民の反発は必至であり、政権運営が立ち行かなくなる可能性もある。

現在のフランスの姿を、日本と重ねて論じておられる方も少なくないようだ。
政策は、時代に合わせて変化させていかなければならない。
しかし、全員が時代の変化に乗っていけるわけではなく、取り残される方々の不満は募る。
安倍政権の政策もマクロン大統領に近いというのである。
そうだろうか。
日本の財政はゆるゆるであり、あまり似ていないように思うのだが。

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