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2年連続の惨劇 「女芸人No.1決定戦 THE W」 [ヨモヤ]

酷い番組を形容するときに、「放送事故並み」という表現が使われる。
昨年行われた第1回の「THE W」は、まさにそんな感じだった。
しかし、新しい試みが初めからうまくいくはずがない。
M-1だって、キングオブコントだって、だんだんに盛り上がっていった。
だから、お笑いファンとして、1回で見限ることはしたくなかった。

放送日、食事をしながら「THE W」を見ようとしたら、家族の猛反対を受けた。
去年の放送が完全にトラウマになっていて、「絶対に見たくない」と言うのである。
そこまで言わせる苦しさが去年の放送にあったのも事実だから、私はビデオでコツコツと見ることにした。
辛かったが、最後まで見通した。
見るものを辛い気持ちにさせるお笑い番組・・・。

全体的には、「今年も酷かった」と言わざるを得ないのだが、芸人さんたちが力を尽くされたのは確か。
一組ずつ簡単に振り返ってみよう。

第1試合 ゆりやんレトリィバァ vs あぁ~しらき
ディフェンディング・チャンピオンである「ゆりやん」は一体どうしたのだろう。
クスリともできないというより、面白さの要素を探す方が難しいネタ。
トップバッターから、沈黙の闇に引きずり込もうとする。
対する「あぁ~しらき」さんは、一番まずい女性芸人のパターン。
こういう方が好きだという人も世界は広いからおられるのだろうが、ゴールデンタイムで見るのはあまりにもしんどい。
しらきさんを決勝に出そうと思った神経の太さには、ほとほと感服つかまつる。

第2試合  吉住 vs ニッチェ
早速流れた不穏な空気が尾を引くなか、第2試合。
この2組は、笑えはしなかったが事故感はなかった(見る方の基準がぶれてきた)。
吉住さんの政治家ネタは面白くなくもないのだが、ひねりがなく途中で飽きてしまう。
ニッチェのネタも一本調子で、爆笑にはつながらない。

第3試合  根菜キャバレー vs 合わせみそ
2組とも、ほとんど即席のコンビらしい。
それが決勝の舞台に。
まあ、なんでもいいけれど。
根菜さんは、すべる漫才の典型のような感じ。
もう少し、テンポとかお気をつけいただかないと。
合わせさんは、異性との交際経験がないことをネタにしておられるが、いや、子どもじゃないんだから。
ちょっと前に「THE MANZAI」を見たばかりということもあり、なかなかしんどい時間だった。

第4試合 横澤夏子 vs 紺野ぶるま
このお二人は、しっかりとした芸をお持ちである。
ふう、やっと、安心して見られる。
横澤さんは達者。
そんなに笑いはしなかったが、十分にR-1決勝レベルに達している。
紺野さんのネタも笑いはしなかったが、
「どうしてくれる」
というセリフが耳に残り、何度も聞きたくなった。

第5試合 阿佐ヶ谷姉妹 vs 紅しょうが
横澤さんと紺野さんがそれなりの頑張りを見せ、これで最後の「紅しょうが」が爆笑ならハッピーエンドなのだが、THE Wにそんな奇跡が舞い降りるはずもなく。
阿佐ヶ谷姉妹は、まあ、ちゃんとしたネタになっていた。
キングオブコントの決勝に出ていても違和感はない。
紅しょうがのネタは、残念ながらちっとも笑えなかった。
それにしても、出てくる芸人出てくる芸人が、揃いも揃ってイタい女性ばかりを演じるのはどうしたものなのだろう。

ふう、これで10組を見終わった。
自分で自分をほめてあげたいが、まだ決勝ラウンドで5組見なければならない。
人生は修行である。

決勝1組目は阿佐ヶ谷姉妹。
1本目に続いてちゃんとコントにはなっていたが、笑うほどではなく。
2組目のあぁ〜しらきさんは、多くの人に辛い思いをさせたと思う。
見るものをいたたまれない気持ちにさせてはいけない。
3組目のニッチェは、1本目よりはよかったし、それなりに楽しめたが、オチが弱かった。
4組目の合わせみそを、またいつか見たいと思えるほど、私の心は強くない。
5組目の横澤夏子さんは、しっかりとした芸を披露された。さすがである。
結果、優勝は阿佐ヶ谷姉妹。

正直なところ、私はつまらないであろうことを十分に織り込んで見たので、それほど何とも思わなかったが、面白さを期待して見ていた人たちには衝撃だっただろう。
1年目の去年はある程度仕方がないとしても、2年連続の惨劇はあんまりだ。
番組の演出も酷いし、
芸人を選ぶ目も酷いし、
ネタを選ぶ目も酷い。
まあ、もちろん出ておられる芸人さんの責が一番重い。
万が一来年も続けられるのなら、
芸人の選び方を変えること、
決勝進出者を6組程度に絞ること、
番組中の余計な演出はやめること、
などを提案したい。

それにしても、これじゃあ、ちょっとあんまりだ。
続ける勇気も必要だが、止める勇気が必要な時もある。

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