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映画評 「スマホを落としただけなのに」 [映画評]

「スマホを落としただけなのに」が、興行成績を伸ばしている。
「ファンタビ」や「ボヘミアン云々」のようなメガヒットにはなっていないが、コツコツ客を集め、累計興収は20億円をうかがっている。
監督は、「リング」で世界的に知られるジャパニーズホラーの第一人者中田秀夫さん。

テーマ的に、ホラーというよりサスペンスという感じだろうとは思ったが、中田監督だから心理的な恐怖を与えてくれるような作品を期待した。
その怖さが口コミで広がってヒットになっているのだろうから。
序盤は思いのほかほのぼのした感じで進み、
不思議なムードのBGMも流れ、
という妙な雰囲気なのだが、これから怖くなると思って観ているから、そこはかとなく不気味な感じがしなくもない。

しかし、30分過ぎ、60分過ぎ、90分過ぎても、ちっとも怖くなって来ない。
一番のクライマックスでは、ちょっと笑えてしまったりして。
おやおや、これはこれは。
どうやら、まったくの困ったちゃん映画だったようだ。

ツッコミどころとか数えだすと、ほとんど一から十までヘンテコリン。
ヘンテコでも怖ければ許されるのだろうが、怖さもどこにもなく。
この映画を大真面目に作っている監督はじめスタッフ一同が、ちと怖くはあるが・・・。

主演は北川景子さん。
本作ではいかんともしがたかったが、去年は「探偵はBARにいる3」、今年は「響 -HIBIKI-」で楽しませてくださった。
来年もよろしくお願いいたします。
お相手は、今年の顔の一人である田中圭さん。
本作ではほとんど活躍の場面がない。
ほかに、千葉雄大くん、バカリズムさんなど。
この作品では、誰がどう頑張っても空回りになる。

「スマホを落としただけなのに」は、いやはや困った作品。
ホラーというほど怖くはないし、
サスペンスというほど謎はないし、
恋愛というほどの深みはないし。
北川さんが出ずっぱりなので、大スクリーンで北川さんを観たい人にはいいのかもしれない。
あえて言えば。

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